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城の中 改版 中公文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2014/05/23 |
JAN | 9784122059511 |
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城の中 改版
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「「スケマサとお読みですか」なんて聞いてくれる人がある。私は こういう学のある人は好きで、こういう人には目をかけることにし ている。アイマサなんて読むヤツには、ろくなのはいないはずなん だから」 す、すいません。入江侍従長のことは存じてましたが、下のお名前 の読み方ま...
「「スケマサとお読みですか」なんて聞いてくれる人がある。私は こういう学のある人は好きで、こういう人には目をかけることにし ている。アイマサなんて読むヤツには、ろくなのはいないはずなん だから」 す、すいません。入江侍従長のことは存じてましたが、下のお名前 の読み方までは分からず、「アイマサ…かな?」と思っていた、 若かりし頃の私は確かにろくでもないです。あ、今はきちんと 「スケマサ」と読めますけど、ろくでもないところは変わって いませんが。 学習院の先生から昭和天皇の侍従・侍従長を務めた入江氏のエッセイ 集である。『侍従とパイプ』に次ぐ2作目だったと思う。 冷泉家の流れを汲むお公家さんの出身なのに、東京生まれ・東京育ち のせいかかなりのガラッパチ。ただ、それが下品にならないのは やはり育った環境なのかもしれない。 筆致もユーモアに溢れ、城の中=皇居(江戸城)の四季折々の風景、 昭和天皇のご研究や行幸にまつわるエピソードが記されている。 ほとんどの作品が昭和30年代に雑誌などに発表されたものだが、 既にその年代で、明治生まれの入江氏は東京の街が風情を失った ことを嘆いている。 昭和生まれの私だって昨今の都内のそこかしこで行われている 再開発によって、どこでも巨大な複合商業施設を中心にした 街並みになって無機質化が進んだように思うものな。 古典文学に通じ、能や謡を愛したことが数々の作品から伝わって 来る。 敗戦直後に行われた昭和天皇の巡行にも多く同行され、陛下が国民の なかに入って行かれるお姿に喜んでいるのは、入江氏が「開かれた 皇室」を目指していたからだろうな。 こんな点で、一部の人から入江氏は今でも敵視されているらしいが。 尚、「〇〇であります」の「あります」は入江氏曰く長州方言なの だそうで、「こんな田舎言葉なんかむねくそわるい」のだそうだ。 私の手元にあるのは昭和53年の文庫版で、生憎と表紙カバーが失われ ている。多分、どこかの古書店のワゴンセールで購入したんだろう。 2014年に改版が発行されているので、買い直すか考え中である。
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