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ひとの居場所をつくる ランドスケープ・デザイナー田瀬理夫さんの話をつうじて
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2013/09/11 |
JAN | 9784480878687 |
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商品レビュー
4
24件のお客様レビュー
会社の図書室で偶然手に取った。 田瀬理夫(たせみちお)=ワークショップ・プランタゴ=アクロスのランドスケープデザイナー。 との対話を通じて筆者が感じたことのエッセイ。 以下、気になったフレーズ ・わたしたちが毎日繰り返している、ごく他愛のないことの積み重ねが文化であり、景観を...
会社の図書室で偶然手に取った。 田瀬理夫(たせみちお)=ワークショップ・プランタゴ=アクロスのランドスケープデザイナー。 との対話を通じて筆者が感じたことのエッセイ。 以下、気になったフレーズ ・わたしたちが毎日繰り返している、ごく他愛のないことの積み重ねが文化であり、景観をも形づくる。その累積を可能にするのが自分の仕事だと思ってるし、そのための試みをつづけている ・住宅では床のレベルの取り方がすべてを決める。そこから外がどう見えるかが大事。 ・ランドスケープデザインは、この世界に人間の居場所をつくる仕事でもある ・明治政府は1873年に地租改正を行い、土地を個人の所有物にして、所有者から税金を徴収する仕組みつくった。ここに端を発する固定資産制度が日本を不幸にした。そのまま土地本位制で100年やってきて。土地というのは本来的に、個人の所有対象にすべきものではないし、制度は今の時代に合致していない。ひとの数が減り、誰の所有か分からなくてなったまま入り組んだ状態に陥って、使いたくても使えないような土地が日々増えている。 ・複数の流域と、それを横串に刺してゆく沿岸部の鉄道が、岩手県沿岸部の復興の宝 ・枠組みそのものを再設定しながらビジョンを描くというか、プランニングできる存在が日本にはほとんどいない。 ・そのビジョンに根拠は要らない。理にかなっていることは、たいていの人は直感的にわかる。聞いた人がそうだと思うか思わないかだけの話。根拠を示そうとして数字などに置き換えると、ビジョンは一気に薄っぺらになる。 ・自分なりにやる自由がありつつ、鳥や虫や植物くらいは同じ感じで馴染んでいて、フワッとしているのがいい ・境界を越えて「その場らしさ」を意図的にデザインする可能性が残されているのは、いま植物だけなんじゃないか。ランドスケープデザインは、境界線を消すというか、解き放つというか、そんな仕事だと思う。 ・「これからの社会づくりは参加型で」とか急に言われても、パブリックマインドがまだ訓練されていない。「かかわる」ことについて。そういうことに慣れていないから、大人のくせに絆とか一丸になってとか、ちょっとしたヒューマンストーリーにすごく感動してしまったりする。 ・たとえば下町の家々の前に発泡スチロールのトロ箱で見事なガーデンができる。あれを手がけている人たちを「この東京をどうしてゆこう?」という公けの問いに繋いでゆくものがない。個々の楽しみと公の間を繋ぐ、知的なノウハウが出回っていない。その部分の洗練度がすごく低い。この一点だけのような気がする。 ランドスケープデザインは、人々がパブリックマインドを獲得するきっかけづくりに繋がっていないと、面白くない。
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知らなかった田瀬理夫というランドスケープデザイナーが手がけた仕事の数々を通じて今の社会の息苦しい原因がどこあるのか腑に落ちたような気がする。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「自分には出来ない」ことについて自分が 「出来るようにならなくちゃいけない」とは考えない… 自分よりも上手いやつが必ずいるんだから、そいつに頼めやいいや…と。 個人というフレームを超えて、自分の関係性の中で実現させることができればいいという発想に救われました。個々の世界を一人で深掘りしていくよりも、それに卓越した友と通じて広げていく方が目の前が開けていくような気がします。
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