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岩波講座 転換期における人間(9) 宗教とは
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岩波講座 転換期における人間(9) 宗教とは

宇沢弘文(編者), 河合隼雄(編者), 藤沢令夫(編者), 渡辺慧(編者)

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岩波講座 転換期における人間(9) 宗教とは

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 1990/02/13
JAN 9784000103893

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2024/09/06

『いま「宗教」とは』、という河合隼雄さんの論稿だけ読みました。 「日本人は多神教だから、あんな中東の戦争は起きない」という安易な考えに、河合さんは警告を発しています。以下のように・・・(ドイツが統一される寸前の1989年ごろ書いた文章だと思います) アメリカの児童文学者、カニグ...

『いま「宗教」とは』、という河合隼雄さんの論稿だけ読みました。 「日本人は多神教だから、あんな中東の戦争は起きない」という安易な考えに、河合さんは警告を発しています。以下のように・・・(ドイツが統一される寸前の1989年ごろ書いた文章だと思います) アメリカの児童文学者、カニグズバーグは、そのようなアメリカ人の「普遍的に正しい」ことを愛好する態度から、どれもこれも同じで「クローン人間」が生じてくることを巧みに描いている。自由主義を謡歌する国において、皆が同じことをする。神を否定し、神から自由になったはずの共産圏で長い間一党支配の状態が続いたことは、人間というものが、いかに誤った一神教に支配されやすいかを示している。幸いにも後者の方は今や急激に改変されつつあるのは、周知のとおりである。 このようななかで、あくまで個性的に生きてゆくためには、「私」という存在が生ぜしめるヌミノースムの体験に対して、われわれが開かれており、それを通じて得られるもうひとつの普遍性の追求、すなわち、宗教性ということを失ってはならないのではなかろうか。このことは、21世紀に人間が豊かに生きてゆくための最後の砦のように思われる。 最後に、多神教について一言。日本人はもともと多神教なので、ここに展開してきたようなことについては、「前から知っていた」と言われそうな危倶を感じる。一神教の国で、その伝統のなかから苦しみつつデビッド・ミラーのように多神教に対する評価が生み出されてきた経過をわれわれはよく認識しなくてはならない。彼はかって筆者とエラノス会議で共に語り合ったとき、「われわれキリスト教徒は、いま命をかけて多神教の意味を知ろうと努めている。日本人にとっては、命をかけて一神教の意味を知ろうとすることが大切ではなかろうか」と言った。この言葉は重みをもって、いまもなお筆者の心のなかに存在している。 本書で「一神教と多神教」について論じている門脇佳吉はかって、「日本人の無構造的宗教性を変革するためには、カトリシズムとの真剣な対決がもっとも有効な捷径であるように思われる」と述ぺている。これは筆者と同じ考えの上に立っていると思われる。もし、このことを怠ると、日本人の多神教は容易に多人教に堕してしまうと思われるからである。 以上。「日本人は真剣にキリスト教を知るべきだ」という言は、河合さんの本に頻出するので、河合さんの趣旨は理解できる。 しかし、「宗教は怪しいもの」という国民性をもつ日本人には、「仏教さえ知らないのにキリスト教を学べというのか」になってしまう。河合さんの意見は理想論かもしれない。しかし、小さい頃から、たとえば小学校で、そのような概念でも根付けるような教科があれば、また違うかもしれない。「日本人は、ちょっと変わってるんだよ」の時間、なんかワクワクする教科だと思いませんか?

Posted by ブクログ

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