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蔦屋 TSUTAYA JUZABURO
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 学研マーケティング |
発売年月日 | 2014/03/27 |
JAN | 9784054059726 |
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蔦屋
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商品レビュー
4
29件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
本屋さんをぶらぶらしていて見つけたこちらの本。 円地文子さん訳の「源氏物語」が好きだった私は、今年の大河ドラマ「光る君へ」も楽しく視聴していますが、来年の「べらぼう」もとても楽しみ! 今から歴史に弱い私は蔦重関連の本やドラマで予習中。 本著は特に原作という訳ではないけれど、登場人物が多くなくてわかりやすかったし、話しも面白かった。 大河のキャスト通り蔦重は横浜流星さん、歌麿は染谷将太さんを読みながらイメージしてしまいましたが、この物語の中では本当にぴったりだった。(特に蔦重が喪服である白の長襦袢・黒の着物を着るシーンは想像したら似合う〜と思ってしまいました笑) 喜三二は尾美としのりさんではなくなぜか浅香航大さんが出てきてしまいましたが…。すみません、尾美さん。 蔦重、蔦屋重三郎は実在した人だけれど、この本を読むとただただ優しく愛おしく、やり手だ。そして愛妻家。 実際はもっと豪快な人物だったようだが、とても繊細に描かれていたように思う。 私は常々、手に職を持った人や音楽や絵画など芸術に優れた人に憧れてしまうが(自分があまりに凡人過ぎて)、彼はどうだっただろうか。自分の才能はプロデュースだと自覚していたのだろうか。 吉原の内と外をなくしたいという強い気持ちが、その才を更に高みへと、そして人との繋がりが成功へと導いていった。 戯曲を書かなくても絵筆を持たなくても、人が好きで人に好かれて幸せだっただろうと思う内容だった。 でも、ただただ江戸の商人の明るいエンタメだけという訳ではなく、それに幕府も関わってくると、松平定信の辺りは特に現実にあったことなんだと改めて思ってしまう。 恋川春町の史実は悲しく切なく、重い。 歴史に疎い私はもちろん知らなかったから。 最後の、歌麿が過去を回想していく章も良かった。 なぜ小兵衛の店にやってきたのか、なぜ吉原の株を手放してでも日本橋の店を続けたかったのか。 なぜ…を紐解けば、若き重三郎が大切に抱えて吉原に帰ってくる本は…。当時から質の良い物と質の良い仕事を見分けるセンスはあったのだろう。 きっと彼は絵師にも戯曲書きにも憧れてはいなかった。 憧れはもう既にいたのだから。 そんな人とひとつ屋根の下、一緒に地本問屋として一生を過ごせたのは、吉原のお座敷遊びよりも贅沢な時間だったろうと思う。幸せの本質がわかる人は強い、カッコ良い。粋だ。 現世の薄っぺらな世の中に喝を入れて欲しくなる。 11/8に谷津矢車さんの「憧れ写楽」という新作も出るようなので、楽しみに待ちたいと思う。 光る君へも終わって欲しくないが、べらぼうもとても楽しみになった作品でした。
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天狼院書店さんの開帳されている秘本、3冊目。 これが一番読みたかった。 ちょうど大河のタイミングもあったし。 多少なりとも時代小説を読んでいたので、現代語で喋る登場人物たちに、逆に最初は違和感があった。 ここは、以前米澤穂信さんも、黒牢城で言及していたところだけど… 思ったよ...
天狼院書店さんの開帳されている秘本、3冊目。 これが一番読みたかった。 ちょうど大河のタイミングもあったし。 多少なりとも時代小説を読んでいたので、現代語で喋る登場人物たちに、逆に最初は違和感があった。 ここは、以前米澤穂信さんも、黒牢城で言及していたところだけど… 思ったよりはサラサラ読めた作品。
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豊仙堂(ほうせんどう)丸屋小兵衛(まるや こへえ)が経営の傾いた日本橋の地本問屋を畳もうとした時、一人の若者が店を買わせてくれ、とやって来た。 そして、あんたをまだ隠居させるつもりはない。本当は本屋をやめたくないのでしょう?一緒にやりましょう、と言った。 それが、蔦屋重三郎(つた...
豊仙堂(ほうせんどう)丸屋小兵衛(まるや こへえ)が経営の傾いた日本橋の地本問屋を畳もうとした時、一人の若者が店を買わせてくれ、とやって来た。 そして、あんたをまだ隠居させるつもりはない。本当は本屋をやめたくないのでしょう?一緒にやりましょう、と言った。 それが、蔦屋重三郎(つたや じゅうざぶろう)。 この時から、丸屋小兵衛の、蔦屋重三郎に振り回される日々が始まった。 重三郎の発想が常に新しい。 まず、小兵衛の日本橋の店を買うのに、まだ金が無いから分割で、年間二十両あなたが死ぬまで払い続けますよ、と言う。 小兵衛が何年生きるかによって、支払う金額が変わってしまうがそれでいいと言うのだ。 それはあなたへの給金です、と言って、店主ごと買い取ってしまう。 こんな発想、誰がするだろうか。 重三郎がこの店と店主に並々ならぬ思い入れがあったことは後に分かるが・・・ 重三郎はビジネスの仔細を小兵衛には明かさず、常にサプライズとして公表する。 「なんで隠していたんだ!」となじる小兵衛に「だってその方が面白いでしょう?」と笑う重三郎。 後から思い返すと、重三郎、どんだけ小兵衛さんが好きなんだ!?って。 しかし順調な日々は長くは続かず、老中松平定信の政策により厳しい出版統制が始まり、戯作者が、絵師が、本屋が、次々と折れていった。 終わり良ければすべて良しのエピローグだった。 重三郎と小兵衛、そして歌麿の物語は、極彩色の夢を見ているようだった。
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