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末裔 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2014/03/29 |
JAN | 9784101304557 |
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末裔
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商品レビュー
3.7
24件のお客様レビュー
10年後に読んだら全く違う感想になる気がする。 ドライだし、妙な話ではあるんだけど、やっぱり根っこのところが優しくて穏やかなのが良いんだと思う。
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「末裔」やっと読んだ。ってか読めた。この作品は素晴らしいんだが、何度も途中で止まっては時間が空きすぎてしまい、最初から読み直すハメに。暇とゆとりがなかった主人公と同世代の私の悲哀よw。さて。ラストに登場する >パンツの花 って何だろう?架空の花であろうか?私がぱっと想像したのはダ...
「末裔」やっと読んだ。ってか読めた。この作品は素晴らしいんだが、何度も途中で止まっては時間が空きすぎてしまい、最初から読み直すハメに。暇とゆとりがなかった主人公と同世代の私の悲哀よw。さて。ラストに登場する >パンツの花 って何だろう?架空の花であろうか?私がぱっと想像したのはダチュラなんだけども(垂れ下がった薄い布な感じで)「(一本の木に)白や桃や咲く」「(主人公が)幾つかをむしゃむしゃ食う」ので、ダチュラは毒があるし違うかな?と。しかし「清楚」なのか「艶っぽい」のか?このパンツの花は?300ページの内容全てが思い出せる、というくらいに今度こそはと没頭して読んだというのに、全てをこのパワーワードに持っていかれた。もう思い出せないw。ある日突然自宅の玄関の扉の「鍵穴」が消失していて、家に入れない男が、色々あって、最後にパンツの花をむしゃむしゃ食べると言う大団円の話であった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
久しぶりに絲山さんの小説で好きだと思った。数年前に妻を亡くし、子供も寄り付かなくなったゴミ屋敷で暮らす冴えない公務員おやじが主人公。家に帰ると鍵穴がなくなっていて家に入れない…というところから始まる、現実と地続きのファンタジー路線の本。この主人公でこれをやるというのが、もうすでに面白い。 この小説は死者と忘却の影が常に付きまとい、その意味を問うてくる。妻を亡くして以来孤独になっていた主人公が家から放り出されて以降、ゆっくりと昔の家族の風景を思い出していく。親、伯父や親戚、そしてさらに昔の人々……自分が一番下の頂点、つまり末裔になる血のつながりが広がっているのを実感し、自分の座標を確保したような安らぎをじわじわと得ていくのと同時に、自分の下へ、横へと延びていくつながりもまた息が吹き込まれ始める。 なにかにつながっている、大きな流れの中に位置している、というのは人間の自意識の安定に不可欠な欲求ではないかと思う。きっと主人公くらいの年齢になって読むとまた違った味わいがあると思うのだが、主人公の昔の家族の何気ない場面の、絲山さんらしい存在感ある描写がすごく良い。死者との距離、自分の位置、確かに感じられるリアリティがファンタジーの不思議な導きで露になっていくのが面白かった。不思議は不思議のまま、タネの解き明かしもほぼないのがまた好み。
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