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告白(3) 中公文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2014/03/20 |
JAN | 9784122059306 |
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商品レビュー
3.8
5件のお客様レビュー
主に聖書への理解について告白。 知っていることと知らないことの告白。 聖書は文字通り読み取るので無く、深淵な比喩であるとして読み取る。
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自らの信仰の道のり、神への賛美、聖書の解釈が、神へ告白するという形をとってつづられた書。 印象的だったのが、アウグスティヌスが母の死に遭遇した際、信仰心から悲しみをおさえようとするも、おさえきれず、涙を流す場面。 そのことを罪とする者がいるとしたら、「その人自身、私の罪のために...
自らの信仰の道のり、神への賛美、聖書の解釈が、神へ告白するという形をとってつづられた書。 印象的だったのが、アウグスティヌスが母の死に遭遇した際、信仰心から悲しみをおさえようとするも、おさえきれず、涙を流す場面。 そのことを罪とする者がいるとしたら、「その人自身、私の罪のために泣いてほしい」と書く優しさが心に残る。 自伝のようでもあり、論文の色彩が強い箇所もあったけれど、一番近いと思ったのは、自分で録音して配信する音声メディア。 ひっそりと録音された誰かの肉声に、こちらも1人で静かに耳を傾けている感覚に近くて。 それだからか、終始、布教のために自分は何を語るべきか、アウグスティヌス自身が冷静に考えて全体を構成している客観性も感じました。 聖書解釈に関する記述はほぼわからず、ページをめくっただけになってしまった箇所も多くて、「『告白』を読んだ」というより「『告白』と一緒に過ごした」という表現が近い、この4ヶ月あまりの日々。 祈りに耳を傾ける時間は、日常の慌ただしさにすぐ紛れ去ってしまうけれど。 この本をめくる多くの時間を過ごした長距離移動の列車の窓から見えた山と海の風景を、きっと人生のふとした折に、また思い出すことになるかもしれないな、と感じています。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
三巻目は創世記1章冒頭の天地創造について考察する。天地創造の一文一文でこれほどの思索をして神学を展開できるのか、と圧倒されてしまった。「始めに神は天地を造りたもうた」は「秩序において」先立つ質料を示すという論は面白かった。旧約聖書の記述を暗喩として意味を見いだしていくアンブロシウスの説教によって回心したアウグスティヌスだからなのか、天と地、光と闇、地と水などモチーフに様々なイメージを重ね、たったあれだけの天地創造の章句に豊かで重層的な読みをする。 「この祝福のことばにおいて、私たちがただ一つのしかたで理解し心にいだいていることを多様なしかたで表現できる能力や力、また、私たちが読むものの中にあいまいな一つのしかたで表現されていることを多様な意味に理解できる能力や力が、あなたから与えられたと私は解するのです」 賜物をいただいたという喜びもあふれんばかりに、ことばの畑を耕していくアウグスティヌス。たった一つの正しい読みがあるのではなく、様々な真理を引き出すことこそが必要なのだという信念の美しさ。かつては傾倒したマニ教のような、ことばの表面的な意味や一つの解釈に固執する姿勢を苛烈に批判する場面もあるけれど、様々な解釈があることはむしろ歓迎している。こういう本を読むと、信仰っていいなと思う。 「見よ、かつて私たちは闇であったが、いまは主において光である」 巻末の訳者の解説に、告白とは懺悔と感謝・賛美とが分かちがたく結びつくものであるとあったが、本当にこれはよろこびの本なのだ。楽しかった。
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