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告白(1) 中公文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2014/03/20 |
JAN | 9784122059283 |
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商品レビュー
4.4
7件のお客様レビュー
アウグスティヌスが自身の罪を告白しながら、どのようにキリスト教に目覚めていくかを書いている。 この巻ではまだキリスト教徒にはなり切れていない。 少年期に友人たちと盗みを働いたこと、青年期には愛人を設けたこと、マニ教に傾倒していたことなどを告白する。 アウグスティヌスは知的好奇心が...
アウグスティヌスが自身の罪を告白しながら、どのようにキリスト教に目覚めていくかを書いている。 この巻ではまだキリスト教徒にはなり切れていない。 少年期に友人たちと盗みを働いたこと、青年期には愛人を設けたこと、マニ教に傾倒していたことなどを告白する。 アウグスティヌスは知的好奇心が強く真理を求め続けるタチで、そのためにマニ教の教えや哲学を熱心に学ぶ。一方で性欲が旺盛だったりする。 彼がいかにカトリックに目覚めたのかは興味深い。 布教の観点から、そう思わせるのが狙いだろうと感じる。
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本書はルソーの『告白』やゲーテの『詩と真実』と並んで告白文学の傑作とされることが多いが、かけがえのないものとしての自我の探求や、ビルドゥングロマンスといわれる人格の形成・発展を主題とした近代の告白文学と決定的に異なるのは、本書が神の賛美として書かれたということだ。訳者の山田氏が指...
本書はルソーの『告白』やゲーテの『詩と真実』と並んで告白文学の傑作とされることが多いが、かけがえのないものとしての自我の探求や、ビルドゥングロマンスといわれる人格の形成・発展を主題とした近代の告白文学と決定的に異なるのは、本書が神の賛美として書かれたということだ。訳者の山田氏が指摘するように、「およそ人間というものがそれだけでは何とみじめな者であるか、それにもかかわらず、この一人の人間をもお見捨てにならない神のいかに偉大であるかを知るため」の書なのである。罪を告白する者は、その告白の中で告白せしめる神の恵みを感じ、それに感謝し、讃美する。そして忘れるべきでないのは、アウグスティヌスが本書を「自己のために」書いたのではなく、「人々のために」書いたということだ。「自身の神への讃美であるとともに、読む人々をして、神への讃美にいざなう」ことを意図した書なのである。そこに共感できなければ、本書は退屈な説教小説に過ぎないものとなってしまうだろう。 マニ教を克服し回心に至る過程を綴った自伝的色彩の強い前半の白眉は、結婚のために離別した最初の女性に対するアウグスティヌスの苦悩とそれが回心への決定的契機となったくだりである。「彼女にすっかり結びついていた私の心は引き裂かれ、傷つけられ、だらだらと血を流しました。」「彼女は・・・、今後はほかの男を知るまいと誓い、私のかたわらに、彼女から生まれた私の息子を残して、アフリカへ帰ってゆきました。」これ以外にこの女性に言及する箇所はほとんどないが、アウグスティヌスが若い頃放蕩の限りを尽くしたという通説に抗して、この数行の中に、あるいはその沈黙のうちに、彼の悲嘆と女性に対する愛と貞節を読み取った山田氏の炯眼はさすがと言う他ない。中世哲学の泰斗にして詩人の横顔も持つ山田氏ならではと言えようか。
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※このレビューにはネタバレを含みます
罪深い自分の人生を神に懺悔するという体裁のアウグスティヌスの自伝。古い訳のはずだけど、読みやすくて美しい訳で素敵。若い頃は仲間と盗みを働いたり、ちゃんと結婚できない身分の低い女性とできちゃったりと奔放で、母の信仰するキリスト教の教義を馬鹿にしてマニ教に傾倒してみたりとやりたい放題なのだが、そんなところも生き生きと語られていて面白い。随所で息をするように詩編や福音書から引っ張ってきた表現を混ぜ込みつつ神を賛美しており、多彩で巧みな表現はさすがの才覚を感じさせる。 アウグスティヌスは友を亡くした時を回想して、「まことに私は、ひきさかれ血まみれになった魂をもちはこんでいましたが、魂はもちはこばれるのにたえられなくなり、私は、どこに自分の魂をおいてよいやら、わからなくなってしまいました」と言う。ひきさかれた血まみれの魂をもちはこぶ!まさに、抱えきれない悲しみってそんな状態だなあと思って驚いた。この辺り、やり場のない悲しみが訥々と語られていてとてもよかった。 はじめのほうで、いま述べたことが理解できなくてもかまいません、というところも好き。 「たとえわからなくても、よろこんでほしい。いま述べたことの意味を見いだしながら神なるあなたを見いだしえないよりはむしろ、その意味を見いだしえないことによって、かえってあなたを見いだすことのほうを愛してほしい」 こういうアウグスティヌスの明るい姿勢が全体を貫いているので、楽しく読むことができるのだ。放蕩も、苦悩も、神の導きの過程として割とポジティブに受け入れていてすごい。 地中海を渡って追いかけてきた母モニカの苦労のかいあってか、キリスト教の教義を認めはじめて母の用意した婚約を受け入れる(また違う女と遊んでるけど)ところまでで終わっている。これからが楽しみ。
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