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神々の村 新版 苦海浄土 第二部
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神々の村 新版 苦海浄土 第二部

石牟礼道子(著者)

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神々の村 新版 苦海浄土 第二部

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 藤原書店
発売年月日 2014/02/26
JAN 9784894349582

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商品レビュー

4.7

3件のお客様レビュー

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2023/03/11

ユージン・スミスの大好きだった実子(じつこ)さんの話が出てくる。般若心経の「真実にして虚ならず」からとって、「実る子」としたのである。 第一部のクライマックスが江頭チッソ社長の患家周りだったのだが、この第二部の終わりは1970年の大阪チッソ本部での株主総会における、やはり江頭社長...

ユージン・スミスの大好きだった実子(じつこ)さんの話が出てくる。般若心経の「真実にして虚ならず」からとって、「実る子」としたのである。 第一部のクライマックスが江頭チッソ社長の患家周りだったのだが、この第二部の終わりは1970年の大阪チッソ本部での株主総会における、やはり江頭社長と水俣の人々との対決となっている。そして、その水俣の人々は「怨」の幟旗をかかげる白装束の一行。死んだ者たちの魂を連れた巡礼の出立ちなのであった...

Posted by ブクログ

2018/09/10

生涯一貫して水俣病を命題に描いた石牟礼道子さん。本作は彼女の代表作である全三部からなる苦海浄土の第二部にあたる。 水俣病が基層となってはいるものの、第二部で描かれてるいるのは、明治以降に作られた近代国家としての日本の思想や思潮、そして、いまや失われた、近代化を荷なった多勢の日本...

生涯一貫して水俣病を命題に描いた石牟礼道子さん。本作は彼女の代表作である全三部からなる苦海浄土の第二部にあたる。 水俣病が基層となってはいるものの、第二部で描かれてるいるのは、明治以降に作られた近代国家としての日本の思想や思潮、そして、いまや失われた、近代化を荷なった多勢の日本人が顧みる事のなかった土着、土俗的な文化との対立である。 それは公害を起こした財閥企業チッソ対、片田舎の漁村民の水俣病患者という、単純な構図ではなく、水俣病患者の支援にあたった、政治団体や活動家、運動家、弁護士たちをも近代人として捉える大きな構図で、漁村民として、牧歌的な生活をしていた所から、水俣病に端を発し急に政治舞台に上げられてしまった人々を丁寧に捉えている。 本来なら同情として描かれるかもしらない、文盲であったり、事件の当事者でありながら自分たちの従事する漁以外の社会をまるで知らない、想像すらつかない人々、逼迫した生活苦に直面しているのにも関わらず、訴訟に関する会議中はもっぱら退屈をして、すきあらば小声で雑談に花を咲かせたり、遊び始める女性人。教育や学問とは縁遠い人々は悲哀な描写になるんではと浅薄な私は思ったが、石牟礼道子は土着民の言葉にならない言葉や思想を、ことごとく言語化という翻訳をする事で、近代以前の土着文化や思想を持つ人々が、文明を持った人々に比べて、下等であったり、劣るんではまったくなく立派に渡り合う存在として描いている。 しかし、文明人は中々その点を理解しておらず、水俣病患者と接する際どうしても、自分たちの難しい言語を使い、水俣病患者達をまるで下等であるかのように理解してしまう痛々しい存在として登場する。本書では勿論、財力の繁栄に主眼を置いて環境や人の命を顧みなかった国家や国民に対しても批判の目が向けられているが、運動に対しても、それ自体が暴力性を孕んでいて罪業を抱える事だとも言及していて、考えさせられる。 土着文化に生きる人々の、思想や哲学のようなものは石牟礼道子の後にも先にも誰も言葉に起こせていないんではないかと思う。文章や、ましてや文学は文明の象徴でもあり、土着の人々の暮らしや文化とは、交わったり相入れるものではない。時に土俗文化の暮らしや生活が観察の対象となる事はあったとしても、思想哲学まで下りて書く事は、書き手がそちら側の人間でなくては出来ない。たまたま、石牟礼さんが、一介の主婦として水俣病発生地域のごく近所に先祖代々から住んでいた為、この土俗文化が文字と結実し、深度のある文学として昇華したんだと思う。時代は変わり、いまや、もうこのような文字の読み書きですら出来ない人々の住まう漁村も日本には存在しないだろう。そういう意味でも、かつての貴重な土俗文化が文学として結晶した、稀有な作品に違いない。 終始、魂レベルの話をしているから、凄い。魂の尊さに優劣は勿論ない。もっと心眼を開いて人と接しなくてはうすっぺらで浅慮と言わざるを得ない。まだまだ足りないけれど心の深い人になりたい。 慣れない水俣弁が延々とのったり続くので、読み進むのがしんどくなったが、それもまた別の世界を覗き込んでいるかのような効果となる。「おるげ(俺ん家)〜〜」をようやくすんなり読めるようになるのは終盤頃。併読した町田康の「生の肯定」に謎の水俣弁話者が登場したような気がする。石牟礼道子の操る独特の水俣弁リズムを用いてみたくなる気持ちも分からないではない。藤原書店の石牟礼道子全集にはこの人も寄稿している。

Posted by ブクログ

2018/05/16

第一部がルポに近い感じだとしたら、これは作家性が増してきてる感じ。 と思ったら第一部からすごく時間がたって上梓されたものだったんだな。知らんかった。

Posted by ブクログ

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