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慈雨の音 流転の海 第六部 新潮文庫
定価 ¥990
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 2014/03/01 |
| JAN | 9784101307558 |
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慈雨の音
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慈雨の音
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商品レビュー
4.1
26件のお客様レビュー
「慈雨の雨」とは、高度経済成長下で、松坂熊吾一家の周りに、慈しみの雨が降っていたという意味らしい。 城崎温泉に住むヨネや、蘭月ビルの盲目の少女香根、海老原の死。また、北朝鮮に還る人びととの別れ(北朝鮮に帰らせまいとする、大韓民国系の人びととの間で争いが多発していたのは初めて知っ...
「慈雨の雨」とは、高度経済成長下で、松坂熊吾一家の周りに、慈しみの雨が降っていたという意味らしい。 城崎温泉に住むヨネや、蘭月ビルの盲目の少女香根、海老原の死。また、北朝鮮に還る人びととの別れ(北朝鮮に帰らせまいとする、大韓民国系の人びととの間で争いが多発していたのは初めて知った)など、幾つもの別離が一家に押し寄せるが、松坂熊吾は、新しい事業に乗り出していく。 相変わらず、濃いエピソード満載で、飽きさせない。 熊吾も、時々癇癪を起こすが、年齢を重ねて温厚になっている。 そして、伸仁が、いよいよ思春期に差し掛かるところまでが描かれる。 とりあえず第七部に進みます。
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餘部。餘部鉄橋を知ったのは、関口知宏さんの鉄道旅の番組。風が吹いたら電車が落ちそうな鉄橋。造った人達も大変だったろう。そこから遺骨を撒くという。 のぶちゃんも中学生になり、思春期ならではな心の揺れが見られるようになった。理不尽な熊吾の言動から母を守ろうとするのぶちゃん。どんどん逞...
餘部。餘部鉄橋を知ったのは、関口知宏さんの鉄道旅の番組。風が吹いたら電車が落ちそうな鉄橋。造った人達も大変だったろう。そこから遺骨を撒くという。 のぶちゃんも中学生になり、思春期ならではな心の揺れが見られるようになった。理不尽な熊吾の言動から母を守ろうとするのぶちゃん。どんどん逞しく、情感豊かになっていく。 時は1950年代後半から1960年代。いよいよ私が生まれた頃になってきた。東京オリンピックのために出稼ぎ労働者が駆り出されたり、北朝鮮に帰る隣人を見送ろうとしても警備が厳しかったりする。歴史の教科書にないリアルな人々の息遣いがそこにある。 蘭月ビルに住んでいた月村兄妹を鯉のぼりで見送る場面がいい。 「見えたに決まっちょる。冬の暗がりのなかの鯉のぼりはあいつらの心から消えんぞ。お前が振りつづけた鯉のぼりじゃ。」
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宮本輝の自伝的長編小説流転の海の第六部。読み終わって、心に残ったのは、慈雨の音という題名。 いろんな場面でその題名を思わせるエピソードは絡んでくるが、私が感じたのは雨という存在そのものだ。世の中の水が遠い旅を経て、また、雨となって地上に落ちてくる。それは、動物でも植物でも命ある全...
宮本輝の自伝的長編小説流転の海の第六部。読み終わって、心に残ったのは、慈雨の音という題名。 いろんな場面でその題名を思わせるエピソードは絡んでくるが、私が感じたのは雨という存在そのものだ。世の中の水が遠い旅を経て、また、雨となって地上に落ちてくる。それは、動物でも植物でも命ある全てのものへの慈しみとして繰り返される。この小説の主人公熊吾は、幼い頃、伯父のところへ預けられ、四書五経から能に至るまでさまざまな教養を叩き込まれる。カッとなったら人を半殺しの目に合わせるような乱暴者でありながら、常に自分の行動や言説を省み、息子の伸仁にも人としての道を説く彼の髄には幼い頃に染み込んだ慈雨が巡り巡ってまた、彼を慈しんでいるからではないだろうか。また、熊吾は、人情に厚い。いろいろな人との関わりの中で、その人の立場に立って最善の方法で心を砕くので、それがまた、巡り巡って自分へと降り注ぐ。まさに、慈雨の雨。
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