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向田邦子の陽射し 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2014/02/07 |
JAN | 9784167900397 |
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向田邦子の陽射し
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10件のお客様レビュー
「太田光」がリスペクトしている作家「向田邦子」への想いを綴った『向田邦子の陽射し』を読みました。 「向田邦子」関連の作品は、4年くらい前に読んだ「文藝春秋」編集の『向田邦子ふたたび』以来ですね。 -----story------------- 最上のオマージュ、鋭利な批評 ...
「太田光」がリスペクトしている作家「向田邦子」への想いを綴った『向田邦子の陽射し』を読みました。 「向田邦子」関連の作品は、4年くらい前に読んだ「文藝春秋」編集の『向田邦子ふたたび』以来ですね。 -----story------------- 最上のオマージュ、鋭利な批評 誰よりも「向田邦子」を讃仰している「太田光」による最も誠実なオマージュ。 「こんなことを向田さん以外の誰が書けるだろう」というその傑出した魅力を小説・エッセイ・シナリオの奇跡のような表現を通して綴る。 「太田光」が選ぶ、「向田」作品の「読む」「観る」ベスト10の原文も掲載。 「向田」読者の幸福を存分に味わえる、最高の入門書にして最強の「向田」論。 ----------------------- 「向田邦子」ファンには堪らない内容でしたねぇ… 「向田邦子」作品の評論に留まらず、お気に入りのエッセイ・小説・シナリオの名シーンの原文が掲載されていて、昔からの読者も懐かしみながら愉しめたし、これから「向田邦子」作品を読んでみようと思っている人への入門書にもなる良書でしたね。 ■Ⅰ ぼくはこんなふうに向田邦子を読んできた ○奇跡のような小説―思い出トランプ ○沈黙という、至福の表現―あ・うん ○“人”と“幸福”との距離―隣りの女 男どき女どき(小説) ○向田邦子にしか書けない作品―寺内貫太郎一家 ○色彩鮮やかに心を伝える―父の詫び状 ○向田さんの“愛し方”と“誇り”―眠る盃 ○“大きなもの”への怒り―無名仮名人名簿 ○“日本”と“日本人”への向田さんの意思―霊長類ヒト科動物図鑑 ○太宰治の“幼稚さ”と向田さんの“強さ”―夜中の薔薇 ○向田さんの“茶の間”と“世界”―女の人差し指 ○言葉を花にする作家―男どき女どき(エッセイ) ○“片思い”の対話―向田邦子全対談 ○生への“沈黙”―向田邦子の恋文 向田邦子の遺言 ○太田光が選ぶ「読む向田邦子」ベスト10 《小説》 ・かわうそ ・三枚肉 ・男眉 ・大根の月 ・あ・うん 《エッセイ》 ・ごはん ・水羊羹 ・なんだ・こりゃ ・鉛筆 ・マスク ■Ⅱ 向田邦子が書いた女と男の情景 ○向田邦子の不在の大きさ ○浮気をされても腹は減る ○男は女にかなわない ○ダメな男をかわいがる ○強いけど、もろい人―妹・和子さんに聞く ○太田光が選ぶ「観る向田邦子」ベスト10 《阿修羅のごとく(1979年NHK)》 ・女正月 ・虞美人草 《あ・うん(1981年NHK)》 ・こま犬 ・送別 《寺内貫太郎一家(1974年TBS)》 ・1 茶の間 ■あとがき 「太田光」も語っていますが、「向田邦子」作品に登場する人物って、愛せない人がいないんですよねぇ… 中途半端な人間でも、ダメ人間でも、ついつい許しちゃいたくなるような、そんな魅力に溢れています、、、 登場人物が嘘っぽくなくて、身近にいるような感じがするんですよね… そして、心の機微の描き方が巧い、そこが魅力なんだと思います。 収録されている短篇やエッセイは全て再読ですが… その中でも、特に印象的だったのは『かわうそ』や『三枚肉』、『男眉』、『大根の月』ですね、、、 男女の機微の描き方が秀逸… 再読で新たな気付きもあって愉しめました。 ずっと昔に読んだ短篇を、また読んでみたくなりました。
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髙島屋の会報誌に掲載された太田光のエッセイを読んで向田邦子に興味を持ち、「寺内貫太郎一家」を読んだのが先月。家庭内暴力すごいし、亭主関白すごいし、現代の家族のかたちとあまりに違って、でもなぜか「時代錯誤だ!」とか怒る気が全く起きないほど素敵な家族に思えて、混乱した。自分が夫から...
髙島屋の会報誌に掲載された太田光のエッセイを読んで向田邦子に興味を持ち、「寺内貫太郎一家」を読んだのが先月。家庭内暴力すごいし、亭主関白すごいし、現代の家族のかたちとあまりに違って、でもなぜか「時代錯誤だ!」とか怒る気が全く起きないほど素敵な家族に思えて、混乱した。自分が夫から怒鳴られたりちゃぶ台返しされたらと考えると絶対に嫌なのに、寺内一家で繰り返される家庭内暴力の根底に圧倒的な愛や信頼関係を見出してしまって、不思議と腹も立たないし、憎めない。実生活で年上の夫にあれこれ指図されるのを何より疎ましく思う一方で、寺内家を見て「素敵だな」と思うこのダブルスタンダードさはなんなんだ。今のところ答えは出ていない。 経験上、混乱させられた本は長く記憶に残る。そういう本は、わたしの年齢や環境の変化に伴って、読むたびにまったく違った混乱を引き起こす。 それでもうちょっと他の作品も読んでみたいな、でもどれがいいかな、と思っていたところ、図書館でこの本を見つけた。全然知らなかったのだけれど、太田光の向田邦子愛は、かねてよりなかなか凄まじいものであるらしい。漫才をしているときの太田光は、毒舌が行きすぎてただの悪口をぶちまけているように感じることが多くて、正直あまり好きではない。その一方で、なんだかんだ毎週欠かさず見ているサンデージャポンで、(自身がMCであるのをいいことに)いくら時間がかかっても言葉をきちんと厳選して、できるだけ正確に言いたいことを伝えようとする姿勢には、ずっと好感を持っている。というわけで読んでみることにした。 前半は、太田光による書評。既述の通り、わたしは「寺内貫太郎一家」以外は読んだことがなく、ドラマも見たことがないので、内容を知らないまま解説を読むという謎の展開にどうしたもんかなと戸惑った(そうなることは予想できたのだけれど)。今は読むのを一旦やめておいて、他の作品を読んでみてから、答え合わせのような形でこの本を読んだ方がいいのかもしれないと思っていた。 しかし後半に救いがあった。前半で挙げられたいくつかの短編集とエッセイが、全文掲載あるいは部分的に抜粋されていた。つまり前半で「あぁこれ読んでみたいな」と興味を持った作品を、すぐ読むことができた。なんと幸運! 印象に残ったのはやはり「かわうそ」だった。ホラーを読んでいる感覚だった。娘の死の真相を知った夫が妻を殴ってやろうと思い、でも「この女を殴らないほうがいい、とどこかで思ったから、黙って玄関へ入り、酒の勢いで眠ったのだろう」というところがいちばん怖かった。なんでそう思ったんだろう。憎しみよりも愛が勝ったから?そんな単純なことではない。自分がいつかこの妻の世話にならなければいけない日が来るということを予見して?でもそうやって将来のために今の感情を犠牲にするという選択をしなければ、それ以降の人生も変わったかもしれない。 一見、平和そうな日常は実は白黒つけられないことに溢れていて、いつそのバランスが崩れてもおかしくないという不穏さを常に孕んでいるように思う。 「かわうそ」の他にも「あ・うん」も印象に残った。どちらも共通して、家族って綺麗事じゃないのよ、と語りかけてくるようだった。結婚する前は理想を自由に描くけれど、現実ってそうはいかない。気持ち悪いし、いろんな経験や感情が蠢いている。だとしても、そんなに悪いもんじゃないのよ、と言われているような気持ちになった。わたしも幼い頃、ドラマや小説で向田邦子が描く「家族」に触れていたら、なんの不備もない完璧な理想像に固執することなく、醜いところも不器用なところも含めて家族なのだと思えていただろうか。今は回り回ってわりとそういうふうに思えるようになったのだけれど、結婚して以来ここに至るまでがなかなか苦悶の日々だったから、もっと早く向田邦子に出会いたかったなぁと思う。
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向田邦子への愛をふんだんに語った一冊。 執拗に「男は単純でバカ、女はスゴイ!」が繰り返されてる のがちょっと鼻につくけど、愛情あふれるとてもいい本だった。 向田邦子の短編などがそのまま掲載されてるのはちょっと驚いた。こうゆう本もあるのだなと。
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