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橋爪大三郎のマルクス講義 現代を読み解く『資本論』 飢餓陣営叢書7
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橋爪大三郎のマルクス講義 現代を読み解く『資本論』 飢餓陣営叢書7

橋爪大三郎【著】, 佐藤幹夫【聞き手】

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橋爪大三郎のマルクス講義 現代を読み解く『資本論』 飢餓陣営叢書7

定価 ¥1,760

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 言視舎
発売年月日 2014/02/01
JAN 9784905369790

橋爪大三郎のマルクス講義

¥825

商品レビュー

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2024/06/22

非常に勉強になった。 今だからこそマルクス主義を学び直す、という動機と質問者が読者と似たようなレベルであるから、著者独善的にならずに分かりやすい。 ー マルクス主義全盛期には、スターリン批判が当たり前で、レーニンから疑えという議論もあり、初期マルクスまで戻らなければダメだと言...

非常に勉強になった。 今だからこそマルクス主義を学び直す、という動機と質問者が読者と似たようなレベルであるから、著者独善的にならずに分かりやすい。 ー マルクス主義全盛期には、スターリン批判が当たり前で、レーニンから疑えという議論もあり、初期マルクスまで戻らなければダメだと言う考えもあった。ヘーゲルにまで戻れと言う声もあった。そう、マルクスはヘーゲルとリカルドを力技で融合させたのだ。 ー マルクス主義へのアンチテーゼは、今のところ一つしかなくて、それが構造主義。構造主義は、マルクス主義は歴史法則があると唱え、資本主義が必ず社会主義、共産主義にならなければならないと言うが、それに対して懐疑論を唱えている。人間は進歩しない。人間の思考の構造は同じであるとするもの。しかし、これに対してマルクスだったら、物質的条件が変わっているだろうと反論したと思う。 ー 経済成長率と利子率は大体連動している。そうすると経済成長しているところには発展のチャンスがあり、投資のチャンスがある。先進国にたくさんの貯蓄がある。一方、成長が甚だしいところでは相対的に貯蓄が不足する。そこで資本の移動が起こる。 ー 先進国の産業構造は製造業、サービス業が中心になり、農業部門がほとんどなくなった。学歴の普及も行くところまで行った。国内には成長の余地があまりない。日本の場合は人工構成もそうなっている。国内に余剰な資金があっても、その資金は新興工業国に流れ込む。世界中の先進国が似たような現象。先進国の頭打ち、中心国の過熱、世界における資源の再配置が進んでいる。これが今進行しつつあるグローバル化。 ー マルクスは金融資本主義を少しは考えていたが、資本論はとても限定的なモデルなので、実は銀行の役割すらはっきりしない。また、マルクスはすべての労働者が単純労働者で、生存レベルの賃金しか貰わないと言う前提で資本論を書いている。 ー ヘーゲルは弁証法を用いる。アダムスミスは近代の市場メカニズムに対して現場を変えようとするのではなく、市場原理に委ねようと考えた。が、ヘーゲルは市場の内部の矛盾を解消するために、低次元から高次元に置き換える弁証法を必要とした。マルクスは、このアダムスミスとヘーゲルの両方に立脚している点が特徴である。 ー マルクス主義のキーワードとして類的存在が挙げられる。ホッブスがリヴァイアサンで唱えた大勢がバラバラの個人として、自分の権利を追求しようとする万人の万人に対する戦争の状態に反して、マルクスは人間には家族があって、子供が生まれるし、男と女の集団が世代交代していくと言う、原初状態から類的存在であると言う共同体モデルを考えた。その上で、ホッブスの万人と万人の戦争に対して、階級闘争と言う概念を唱えた。原始状態から、所有が生まれることで、古代奴隷制→中世封建制→近代資本制へ発展していく。 ー 生産要素(土地、資本、労働)の価格、すなわち地代が均等になり、利子率が均等になり、賃金も均等になる。所得が世界中で平等になる。これが熱平衡の意味するところで今はそうではないが、そちらに向かって進んでいる。

Posted by ブクログ

2014/04/20

最近,マルクスを見直すような本が何冊が出ていますね。 格差社会といわれるようになって,ずいぶん立ちます。この社会の閉塞感をどうにかしたい…という気持ちから,マルクス再考の流れが出てきたのかも知れません。 1990年前後に社会主義諸国が崩壊したときに,資本主義の一人勝ちのように言わ...

最近,マルクスを見直すような本が何冊が出ていますね。 格差社会といわれるようになって,ずいぶん立ちます。この社会の閉塞感をどうにかしたい…という気持ちから,マルクス再考の流れが出てきたのかも知れません。 1990年前後に社会主義諸国が崩壊したときに,資本主義の一人勝ちのように言われたこともありましたが,そもそも,社会主義の対義語は資本主義なのでしょうか。そんなことを気にしながら,本書を読んでみました。 マルクスの著書でも難解な『資本論』を引き合いに出し,この『資本論』から,現代のわたしたちは何が学べるのかを教えてくれます。 ただし,内容的には,寝る前に転がってぼ~っと読めるほど,簡単ではありません。それは,扱っているものが『資本論』なのですから,ある程度はしかたありません。 マルクスの理論は一国限定で展開されていたが,現在は,グローバル化が進んで,別の状況になってきているという指摘は,そのとおりだなあと思います。グローバル化が進んだ先には,全世界の賃金が均等になり,平等と公平な世の中になるーとの指摘には,なるほどと思いました。それまでは,いわゆる先進国とよばれてきた国の労働者の賃金は低くなっていくのではないか…そんなことも書かれていました。これは,私たち日本の労働者にとっては残念なことだけれど,歴史の流れ,経済活動の流れとして,仕方のないことなのかも知れません。

Posted by ブクログ

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