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宇宙の始まりと終わりはなぜ同じなのか
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宇宙の始まりと終わりはなぜ同じなのか

ロジャーペンローズ【著】, 竹内薫【訳】

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宇宙の始まりと終わりはなぜ同じなのか

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2014/01/24
JAN 9784105065911

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商品レビュー

3.4

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2024/07/07

自分の専門じゃなければ、この本の論拠を理解できる人は殆どいないのではないだろうか。中身が難し過ぎた気まずさからか、訳者のあとがきがヤケに弾けた口調でその温度差が気になる所だが、しかしこうした難解な本のあとがきや解説はとても有難い。最初にあとがきを読んで読解の手掛かりにしても良いの...

自分の専門じゃなければ、この本の論拠を理解できる人は殆どいないのではないだろうか。中身が難し過ぎた気まずさからか、訳者のあとがきがヤケに弾けた口調でその温度差が気になる所だが、しかしこうした難解な本のあとがきや解説はとても有難い。最初にあとがきを読んで読解の手掛かりにしても良いのだろうが、今回はそれでも歯が立たない。 主旨だけは何とかなぞってみる。著者、天才ペンローズの本当の専門は「一般相対性理論」。アインシュタインが発見し、ブラックホールや銀河や宇宙の計算に使われている物理理論である。ペンローズは、一般相対性理論を駆使した論文をたくさん書いているが、彼の最新の理論が、「革命的な宇宙論」。 ペンローズは自説を「CCC」 (Conformally Cyclic Cosmology =共形・循環・宇宙論)と名づけた。本著では、エントロピー増大の法則と現代宇宙論が詳しく説明されるが、そもそも、従来の宇宙論は矛盾しているのだと。出発点はここ。で、この矛盾がペンローズのCCCで解決できるらしい。矛盾とは。解決策とは。 エントロピー増大の法則が正しいのであれば、そもそも宇宙の始まりのエントロピーは小さかったはず。ところが、宇宙の始まりを計算してみると、熱くて小さい。熱くて小さい物体のエントロピーは大きいはずだ。つまり、宇宙の始まりのエントロピーは大きかったことになる。エントロピーは、大きいのか小さいのか、どっち?宇宙の始まりは秩序だっていた(=エントロピーが小さい)のか、それとも混沌としていた(=エントロピーが大きい)のか。 これが、現代の物理学者を悩ませていた矛盾らしい。で、解決策。ペンローズは、宇宙の始まりと終わりが「同じ」だと主張する。つまり、この宇宙がどんどん膨張して、薄まっていって宇宙が終わったら、それは実は、宇宙の始まりのビッグバンだというのである。宇宙の始まりと終わりが同じ。我々は、永遠に循環するサイクリック宇宙に棲んでいるのだと。ウロボロスの蛇だ。 本書には、何故そうなるのかが書いてあるらしいが、お手上げ。言われたことを信じるしかない領域。悔しいが、近道せず、研鑽せねば。

Posted by ブクログ

2020/12/15

著者のPenroseは「ブラックホールの形成が一般相対性理論の強力な裏付けであることの発見」について2020年にNovel物理学賞を受賞したことでもニュースになったが、Hawkingとともにブラックホールの特異点定理も非常に有名。 本書は彼の宇宙に関する物理的な考え、サイクリッ...

著者のPenroseは「ブラックホールの形成が一般相対性理論の強力な裏付けであることの発見」について2020年にNovel物理学賞を受賞したことでもニュースになったが、Hawkingとともにブラックホールの特異点定理も非常に有名。 本書は彼の宇宙に関する物理的な考え、サイクリック宇宙論の解説がメインのテーマである。 導入は熱力学の第二法則、いわゆるエントロピー増大の法則から入っている。 熱力学以外の物理学の基礎方程式(相対論、量子論、電磁気学)は時間の向きについては対象である。つまり、ビデオカメラで撮影した物理現象を観た時に逆に再生しても物理学的には全く正しい運動をする。 (ビルの屋上から鉄球を落下させた場合と、地上からとある初速でビルの屋上に向かって投げた鉄球とで物理学的な違いはない) が、テーブルから落下して割れた卵が、ひとりでに卵に戻ってテーブルの上に戻ったりはしない(みたことはない)。これは熱力学第二法則に矛盾するからである。(矛盾とまではいかないが、ほとんどありえない) この宇宙はエントロピーという物理量を増加するという法則があり、時間はそのエントロピーが増大する向きに流れるようだ。 問題はエントロピーという物理量は計算ができ、さらに最大値もあるということだ。 エントロピーは乱雑さと言い換えることもできるが、究極に乱雑になった状態から先はない。エントロピーは増大するのであるから、最初はエントロピーが小さい状態、つまり乱雑ではない状態から始まる。 ということは、この宇宙はかなり乱雑ではない状態からスタートし、現在に至っているわけである。 宇宙の始まりは約136億年前のビックバンから始まったとされるが、ビックバンは超高圧、超高温状態だったと推察されている。 沸騰したヤカンを見て分かる通り、ぐつぐつ煮えた湯は静かな水面よりも乱雑に思える。この状態がなぜ「乱雑でない」のか。 というのが、理論のモチベーションである。 サイクリック宇宙論とは、宇宙がサイクル、つまり循環しているということを基本としている。 宇宙のエントロピーが最大となり、もはやこれ以上乱雑になりえない状態から、ビックバンが生じるらしい。これもきちんと理論的に定式化されているようであるが、本書でも解説しているが、かなり専門的である。 大学の理論物理をやっていないと理解できない。 が、数学的な理解がなくとも内容は(難しいが)追える。 最先端の物理学で第一級のNovel物理学賞を受賞した物理学者による解説なので興味深い。 現在、ひも理論や量子重力理論など最先端の理論があるが、なかなかそれを検証するような現象がないようだ。 数学的には「ありえる」が、それがこの宇宙を支配する物理学であるかどうかはまさに実験や現象の予測によってなされる。 ブラックホールやビックバンを記述する数学はなかなか検証できない。 サイクリック宇宙論は、宇宙マイクロ波背景放射(CBM)をかなり精密に調べると前の宇宙の痕跡がわかるかもしれないとのこと。(が、超高精度な測定が必要であるそうで現在はその精度まで到達していない)

Posted by ブクログ

2016/09/02

熱力学と相対論の基本的な理解が必要。難易度が高いため、一般啓蒙書とは言い難いが、述べられていることは他書に比べ、オリジナリティーが高い。 熱力学の第2法則(エントロピー増大の法則)を全体を貫く駆動力としながら、共形でサイクリックな(循環的な)宇宙論を立論する。最後に述べられてい...

熱力学と相対論の基本的な理解が必要。難易度が高いため、一般啓蒙書とは言い難いが、述べられていることは他書に比べ、オリジナリティーが高い。 熱力学の第2法則(エントロピー増大の法則)を全体を貫く駆動力としながら、共形でサイクリックな(循環的な)宇宙論を立論する。最後に述べられている観測事実の示唆があることは興味深い。

Posted by ブクログ

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