人生の観察

吉村昭【著】

• 販売会社／発売会社: 河出書房新社
• 発売年月日: 2014/01/17
• JAN: 9784309022550

商品レビュー

2020/12/05

氏の作品に向かう姿勢を含め、日常の中から拾い上げる事どもへの視線を感じ、読んでいてい愉しい。
前半は1971当時日経新聞連載されていたものから,後半は新聞や「オール読物」掲載　1972～1997と幅が大きい。
何れにせよ、もはや故人である筆者が書いたものだから20年余の時間が流れている。

しかし、人智について、倫理観、物後の捉え方などすべてが普遍の原理をついたものばかり。古色観皆無なのが凄い。
それどころか、腑に落ちる事どもばかりなので自省させられることたたあり。再読必須だね。

2018/05/27

今も昔も変わらないのだなぁ、としみじみ思う。時代が変われど、人間はさして変わらない。道具だけはいろいろ揃って便利にはなるけれど。
むしろ、「与えられる」人間が増えて、残念だという人間の比率が増えている、のかなぁ。

吉村昭の言う「現代人」である私は、反省することばかり。周囲がどうであれ、自分自身は、丁寧に生きたいと感じる本だった。

2014/11/05

エッセイというのか、メモというべきか。
著者の日常とか思考とかが垣間見えて興味深かった。
しかし、吉村昭は綿密な取材に裏打ちされた長編が圧倒的に魅力なのだ。

前半と後半で印象が違う。
前半は荒削りで消化不良感があったりするのだが、後半に入るとこなれてくる。
後半は小説の取材時のエピソードなどが中心になっているからなのかな。