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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | バジリコ |
発売年月日 | 2014/01/16 |
JAN | 9784862382061 |
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商品レビュー
3.8
7件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
直木賞のイメージは、芥川賞よりエンタメ寄り?とはてなマークつく感じで全然わかってなかった。 第1回からずーっと選考にまつわるあれこれを盛り込んでくれている本。川口さんの直木賞への熱い思いが伝わります。 迷走する選考員たち、いっこうに定まらない選考基準、作品ではなく作家の背景にばかり光をあてる報道。そこへの川口さんの冷静なつっこみ。選考の裏で起こる様々な出来事(事件も事故も)。 又吉の芥川賞で大騒ぎしてたけど、昔から違う畑から来た作家さんはたくさんいたんだなあ。
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1935年上期の第1回から詳細に候補作、審査員の議論などが紹介され、芥川賞と同時にスタートしながら、「大衆文芸」の賞として、ステータスが低いように思われ、受賞史の中で、揺れ続けた経緯が興味深かった。新人発掘の場でもあったり、過去の業績を重んじ、評価する場であったり。文芸重視という...
1935年上期の第1回から詳細に候補作、審査員の議論などが紹介され、芥川賞と同時にスタートしながら、「大衆文芸」の賞として、ステータスが低いように思われ、受賞史の中で、揺れ続けた経緯が興味深かった。新人発掘の場でもあったり、過去の業績を重んじ、評価する場であったり。文芸重視という通奏低音があることも芥川賞を意識したことか?そして推理小説、ユーモア小説、歴史小説など幅広いジャンルの直木賞選定の難しいことを痛感した。著者は「直木賞が好きだ」と情熱を後書きで語っているが、痛感する。私自身も芥川賞よりもよほど魅力的な作品が多いと思う。芥川賞が石原慎太郎ブーム、また金原ひとみ・綿矢りさコンビに沸いたときの直木賞への影響なども面白いところ。直木賞と重なるイメージの吉川英治賞、山本周五郎賞、江戸川乱歩賞、三島由紀夫賞、全国本屋大賞の誕生も語られ、文学賞の歴史でもある。筒井康隆の「大いなる助走」という直木賞の審査員たちを醜悪に描き、内幕暴露的小説があるとはビックリ!(P266)これでは賞は書くとき出来ない!ぜひ読んでみたいもの。最新は2013年上期まで。
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同じ著者による「芥川賞物語」が面白かったので、こちらも手に取りました。 直木賞の歴史を丹念に紐解いた通史として重宝する一冊。 第1回の川口松太郎「鶴八鶴次郎」「風流深川唄」から、第149回の桜木紫乃「ホテルローヤル」までをカバーしています。 一読して感じたのは、直木賞は芥川賞に輪...
同じ著者による「芥川賞物語」が面白かったので、こちらも手に取りました。 直木賞の歴史を丹念に紐解いた通史として重宝する一冊。 第1回の川口松太郎「鶴八鶴次郎」「風流深川唄」から、第149回の桜木紫乃「ホテルローヤル」までをカバーしています。 一読して感じたのは、直木賞は芥川賞に輪をかけて掴みどころのない賞だということ。 芥川賞は純文学を対象にした賞ということで範囲が割と明確です。 一方、直木賞は一応、エンターテインメント小説を対象にしていますが、一口にエンターテインメント小説と言っても人情ものからミステリ、ハードボイルド、恋愛小説、歴史小説、SF小説、中間小説などなど実に多種多様で茫洋としています。 それに作品本位で選ばれる傾向の強い芥川賞に比べ、直木賞は「人物本位」とは言わないまでも、それまでの実績を重視して受賞者を選ぶことも少なくありません。 ですから、「この作品であげるくらいなら、あの作品であげておけば良かったのに」なんて揶揄されることがしばしばあるのです。 本書を読んでいて面白いのは、たとえば、今や不動の人気を確立している宮部みゆきあたりも直木賞では散々苦労してきたということ。 その宮部の選考に当たった、今や大家の五木寛之なんかは、柴田錬三郎に推奨されながら第1回候補作「さらばモスクワ愚連隊」で受賞を逃していますし、すんなりと受賞したなんていう作家の方が稀のようです。 自分が過去に読んできた本が、直木賞ではどういう評価を受けたのかというのも本書を読む醍醐味でしょう。 自分は近年の直木賞受賞作家ですと、東野圭吾や奥田英朗、石田衣良なんかが好きでよく読んできましたが、彼らの候補遍歴を辿るのも一興です。 その中で、「虹の谷の五月」で受賞した船戸与一の話題が出ていました。 これは直木賞の選考ではないですが、福田和也が船戸の「砂のクロニクル」をこき下ろしていることを知って愕然としました。 あと、山田詠美は芥川賞の受賞者だとばかり思っていましたが、直木賞だったのですね。 いや、これはうっかり。 いろいろ勉強になりました、はい。
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