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安楽死を選ぶ オランダ・「よき死」の探検家たち
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 日本評論社 |
発売年月日 | 2014/01/11 |
JAN | 9784535983991 |
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商品レビュー
1.5
2件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
宮下 洋一 安楽死を遂げるまで を読んだあとにこの本を見つけた。 著者の文章が読みにくく、安楽死賛成だと思うので、偏った考えの元、可書かれた本だと感じた。 この本を読んで、イマイチだと思った方は、ぜひ宮下氏のこの本、次に 安楽死を遂げた日本人 を読んでみてほしいと思います。 この筆者の本だけで、安楽死を考えるのは危険。
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オランダに住んでいる人がオランダの安楽死について語った本。 著者は安楽死をいいものだとみなしている人。 そのせいか、賛成派については(たぶん説明するまでもないという思い込みから)説明が足りず、反対派にはガチガチのキリスト教徒やシェアを守りたい医師会といった陰謀論一歩手前の予断が含...
オランダに住んでいる人がオランダの安楽死について語った本。 著者は安楽死をいいものだとみなしている人。 そのせいか、賛成派については(たぶん説明するまでもないという思い込みから)説明が足りず、反対派にはガチガチのキリスト教徒やシェアを守りたい医師会といった陰謀論一歩手前の予断が含まれる。 文体の崩れ方にイライラするし、言葉の使い方が雑なのも気になる。 たびたび使われる「耐え難い苦しみ」「尊厳を失う」という表現は重要なところなのに定義する説明はない。 本人の価値観に依存すると、たとえば歩行能力の低下が死を望む理由になる。 そこまでは理解できるが、歩行できるようになる見込みがないという診断を「苦痛の改善の余地がない」と表すことに違和感がある。 歩行能力の改善と苦痛の改善は必ずしもイコールではない。 心の苦しみに改善の余地があるかどうかなんて、どうやって計るんだろう。 体の自由を失った人が尊厳をもって扱われないならば正すべきはその状況だ。 本人の感覚による判断だとしても、社会的な偏見を内面化したために動けなくなった自分の状態を尊厳を失ったと感じている可能性もある。 大事な人や健康やライフスタイルを失うことは苦痛だ。 それを受容するには時間がかかる。 現時点の苦しみだけを切り取って、永続的な苦痛であると決めつけるのは早計だ。 身体的苦痛を和らげるために寿命を縮める薬を使うのと、息子に死なれた心理的苦痛に耐えられないというケースは明らかに違う。 苦しいなら死なせてやろうという一足飛びの思想は、苦しい時期を生き延びるまでの時間を待てない。 苦痛に耐える人に寄り添う手間を省いてさっさと「楽にしてやる」のが豊かな選択だとは思えない。 出てくる人たちは思考を重ねて自分の立場を選択しているけれど、この本の価値観は安易だ。 安楽死に見せかけた殺人や、本人の意思を確認できないケース、社会による要請(役立たずは死ねというプレッシャー)、対象が拡大されて優生思想にかたむきつつあること、などの問題をどう乗り越えるかは書かれない。 賛成派反対派双方の言い分から問題は見えるのに、著者自身の考察がない。 「ちゃんとしてるからだいじょうぶ!」と言わんばかりで、具体的な防止策が提示されない。 著者が当然視する「自殺は罪にならないのに、自殺を幇助すると罪になるのはおかしい」という考え方も私にはわからない。 自殺で失われるのは自分の命。自殺幇助で失われるのは他人の命。 これは私の感覚ではまったく違う。 著者の親類が書いた本「脱出口」はスムーズに死ぬための手引。 何度も引用されるこの本も、私の眼には「完全自殺マニュアル」にしか見えない。 死ぬための情報に触れ、死ぬための練習を繰り返していたら、興味本位で見ただけの人だって死に近づいてしまう。 全体的に思考が短絡で恐ろしい本だけど、部分としては認識が変わったところもある。 変化に対応したくない高齢者が本人の意思で周囲と話し合って、周りの合意を得て、身の回りを片付けて日取りを決めて死んでいく姿は、もしかしてありかもしれない。 ガリバー旅行記http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4834001482でこんな死を迎えていたのはフウイヌムだっけ? ただ、この本にでてくる「人生もう十分」は「人生もううんざり」に見えるので完全に賛同は出来ない。 私の許容範囲は、「余命が明らかに短くて苦痛がはなはだしい場合に命を縮める鎮静をする」のみだったけれど、他の本でもう少し調べてみたいと思った。 これを読むなら「死の自己決定権のゆくえ」http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4272360698を一緒に読んでバランスをとってほしい。 でも、この本のような賛成側からみたら「死の自己決定権のゆくえ」こそが偏見まみれにみえるのかもしれないとも思った。 あの本は死を選ばせる社会に疑問を呈する本だから、問題点に焦点をあてている。 以下は、この本の基準では「耐えがたい苦痛」に満ちた「尊厳のない」死んだ方がマシな人生にカウントされてしまいそうな命。 『百歳の美しい脳』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4887243650 『この子を残して』http://booklog.jp/quote/84134 『カタツムリが食べる音』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4864103011
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