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血の探求
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血の探求

エレン・ウルマン(著者)

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血の探求

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京創元社
発売年月日 2014/01/11
JAN 9784488010157

血の探求

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商品レビュー

4

7件のお客様レビュー

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2024/06/09

中年男性の大学教授がオフィスを借りる。 隣室から聞こえる若い女性のカウンセリングを盗み聞きするうちにどんどんのめり込み、精神が不安定になっていく。 最初は、「おっさんのストーカー気持ち悪い」という感想しかなかったが、我慢して読み進めるうちに、次第に私も女性の次回のセッションが待ち...

中年男性の大学教授がオフィスを借りる。 隣室から聞こえる若い女性のカウンセリングを盗み聞きするうちにどんどんのめり込み、精神が不安定になっていく。 最初は、「おっさんのストーカー気持ち悪い」という感想しかなかったが、我慢して読み進めるうちに、次第に私も女性の次回のセッションが待ち遠しくなった。女性の出生の謎に迫っていく展開は非常に面白かった。 精神の不安定を象徴する烏たちが、her her herと鳴き始めるところが一番印象に残った。彼の強迫観念を我が身に迫って感じられた。

Posted by ブクログ

2018/11/14

ミステリにくくられているようなのでいちおうそういうジャンル分けで。 で、途中で挫折した。 途中でやめたらこの作品のもってる良さはまーったくわからずじまいだろうが、 ただ延々と盗み聞きを読むのは退屈すぎる。 本作を苦労して読み続けるより、エンタメミステリでも読んでたほうが楽しい...

ミステリにくくられているようなのでいちおうそういうジャンル分けで。 で、途中で挫折した。 途中でやめたらこの作品のもってる良さはまーったくわからずじまいだろうが、 ただ延々と盗み聞きを読むのは退屈すぎる。 本作を苦労して読み続けるより、エンタメミステリでも読んでたほうが楽しい。 またしてもすんまへん。

Posted by ブクログ

2015/06/28

文字通り、睡眠時間を削って読んだ。 「彼女が自身をまったく新しく作られた人間として見てくれたらいいのに-先祖からの解放へと私を導いてくれる自己創造の人間として見てくれたらいいのに、と願わずにはいられなかった。」(p.166) 主人公は勝手だ。隣室で行ったり来たりしながらも自身に...

文字通り、睡眠時間を削って読んだ。 「彼女が自身をまったく新しく作られた人間として見てくれたらいいのに-先祖からの解放へと私を導いてくれる自己創造の人間として見てくれたらいいのに、と願わずにはいられなかった。」(p.166) 主人公は勝手だ。隣室で行ったり来たりしながらも自身に向き合い闘う患者とその精神科医の会話を盗み聞きして、自分の精神不安定と強迫観念を改善した気になる勝手な、まるで読者みたいに勝手な主人公に、視点が自然と重なる。 頭の具合と合わせて行き来したりぐるぐると円を描いて抜け出せなくなったり突破したりする不安定な思考が、自分と重なる。 そしてラストは衝撃的。 患者の産みの母親の物語で安心しようと甘えが出た途端に放り出された。 完全に主人公の大学教授の視点で、自分自身の恐怖に縛られた思考を解きほぐすために、患者とセラピストの会話を「盗み聞き」してしまっていた。 ラストは主人公と一緒に放り出されて、動悸がして呼吸が浅くなった。 でも、1ページ目に戻ったらちゃんと「あれが終わりを迎えたときには、私は別人になっていた。彼女のおかげだ。私を変えてくれたのは、最後まで名前も知らぬままになった彼女だった。」と書いてあったのだった。 変わるんだ、私も。 ドイツ・ベルゲン=ベルゼン強制収容所から第四次中東戦争後のイスラエルを知るための、歴史小説としても抜群だった。 本当に。 【完全に自分用メモ】 自分の出自は、自分自身で考えてもいない影響を及ぼすのではないか。 自分は、何からも親からも望まれていない存在ではないのか。 自分が存在することそのものへの恐怖。 そして、ひどいことを言える血を持った自分は、自然とひどいことが言えてしまうのではないかという恐怖。 全ては恐怖から生まれていて、「つまり、彼女に悲しい思いをさせたくない、わたしが存在することで喚起される悲しい気持ちから守ってやりたいと思ったんです。」(p.233)いつもここに逃げてしまう。 自分に自信を持ちましょう、とかって話ではなくて、ただの恐怖だ。不満の声を漏らされ、不機嫌な顔をされた、それだけで恐怖に縛られる。 ただの恐怖です。 恐怖には打ち勝たなくてはならない。 恐怖に縛られているのは私自身の問題だから、私がカタをつけなきゃいけない。 祖父母や両親が言えて、でも私が言ってもいない「ひどいこと」については、私には関係ない。それはまだ反省する必要のない、幻影だ。 恐怖に震えて理性を失う、自己創造できないのが、私の罪だ。 「あなたはけっしてお母さまを満足させることはできないのですよ。それはおわかりでしょう。」(p.357) わかっている。わかっている…。

Posted by ブクログ

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