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食べる。 集英社文庫
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食べる。 集英社文庫

中村安希【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社
発売年月日 2014/01/17
JAN 9784087451559

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商品レビュー

3.9

17件のお客様レビュー

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2025/10/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

旅といえば思いつくがまま行きたい場所に行き、宿と交渉したり、現地の人と食べて飲みコミュニケーションを取る、そんなイメージが浮かんでくるが、まさにそのイメージまんまの旅をしている中村さん。 旅人たちの間でゲロ雑巾と言われるエチオピア料理のインジェラに魅了され、スーダンではカビ臭くて土の味がする水を渇望し、アルメニアでは浴びるように自家製ウォッカを飲まされ...想像絶する世界にいる。 食べるということは生きるためでもあるが、人とコミュニケーションを取るためのものでもあるんだなと改めて思った。 旅と食べ物といえば小泉武夫が出てくる。 彼の著書にもモンゴルの遊牧民のゲルで主人たちと沢山の酒や肉を飲み食いする話があるが、あれは小泉先生が男性だったからこその振る舞いだったんだな ゲル内の社交場は男尊女卑で筆者を含め女性の旅人はいない者とされていた。 それを冷静に受け止め観察している著書も凄い。

Posted by ブクログ

2024/09/21

題名通り、観光地ではない海外の食(韻)に関する紀行記。 スーダン人の田舎の子が都会で働いていて、でも、ゆくゆくは村に帰って細々と生きていくよという言葉が、田舎から出て東京で働く日本人と重なった。

Posted by ブクログ

2024/08/23

食べる、  食べる、   食べる。 普段、日本で暮らす私達は「咀嚼の感覚を深く意識させ、食べるという行為への自覚」(p188)なんて思い至ることがあるだろうか。 うーむ、私は考えたことがありませんでした。もちろん、若い頃にはそれなりの貧乏も経験したので食べられることのありがたみ...

食べる、  食べる、   食べる。 普段、日本で暮らす私達は「咀嚼の感覚を深く意識させ、食べるという行為への自覚」(p188)なんて思い至ることがあるだろうか。 うーむ、私は考えたことがありませんでした。もちろん、若い頃にはそれなりの貧乏も経験したので食べられることのありがたみは身に沁みているつもりはあるし、出てくるもの・出されるものは残さず食べよう飲もう、という気構えは当たり前のことだと教わってきたのですが、本書が説いているのはそういった倫理ともまた違う、‘生きている’ことへの根源に迫った荒く肉々しい部分、もっと言えば‘みんなで生きている’という事を改めておさらいしとこうかな、と思いつつ決してストイックに禁欲的に、ということでもなくて嫌なものは嫌だし不味いものは不味い、酸い甘い併せ呑んだひとりの旅のプロフェッショナルによる吐き出し、ないし問わず語りといった紀行エッセイ集。 珍しい食べ物を紹介したり味の感想を語ったりする内容とはまた違くて、それを食べながらその土地の人と何を語らったか、どんな時を過ごしたのかを綴った作品。翻すと、その土地の人たちと心を交わすには共に飲み食いをするのが一番。気をつけたいのは、心を交わすにしても常に清く美しいケースばかりではなくて、時に理解し難かったり嫌悪を覚えたりしている事。当たり前だ。そういうこともひっくるめて私の経験血肉になっていくのが‘生きる’こと、即ち人生。 話によっては、これはどう受け止めたら良いのだろう?というものがあったが、戸惑いもまた人生。 特に印象深かったのは《第五話 ジャンクフード ボツワナ》の話。凄い、過ごした時そのものがものすごくジャンキーで、刹那的で、空虚。けども、素晴らしい景色や得難い学びばかりに目を向けるのでなく、事実としてこうしたくたびれた人間模様を体験することもまた旅の側面的魅力なのかもしれない。 ひとり旅したくなるなあ。 2刷 2024.8.23

Posted by ブクログ