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直観を磨くもの 小林秀雄対話集 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2013/12/25 |
JAN | 9784101007090 |
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直観を磨くもの
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商品レビュー
3.6
19件のお客様レビュー
気心知る人との会話では、話があっちこっちに逸れる一方、異分野の人に対しては、これでもかと食い下がり理解しようとする 話の中身は分からないことだらけだったが、この小林秀雄の姿勢が彼が彼たる所以に感じた
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数学教員をしている友達が、数学的な気づきは、思いの外「論理的」じゃないという話をしていた流れで読むことになった本。数学というと「論理的な思考」をしていると世間的には思われがちだが、証明に向けた出発点、最初の気づきのようなものは、とても直感的なものだという話だ。 この対談集では、画...
数学教員をしている友達が、数学的な気づきは、思いの外「論理的」じゃないという話をしていた流れで読むことになった本。数学というと「論理的な思考」をしていると世間的には思われがちだが、証明に向けた出発点、最初の気づきのようなものは、とても直感的なものだという話だ。 この対談集では、画家、音楽家、作家、批評家、物理学者といった人たちが使っている、普段、言語化されることの少ない「直観」的なものを、小林秀雄が聞き取ろうとする。 個人的に一番印象に残ったのは、一番最初の三木清との対談「実験的精神」と、五味康祐との対談「音楽談義」だった。 実験的精神では、研究が進むにつれて、その分野について知っておくべき「教養」が生まれることによって、その「教養」を得ることと、その「教養」について考えることが研究になってしまったことを批判する。ある意味、福沢諭吉などの最初に何かをし始めた人たちというのは、先行論がない。だからこそ、目の前で起きたこと、目の前にある物自体を見て、思考した。そういう「実験的精神」が今の知識人にはないという。 たしかに、何かしらの困難にぶつかったとき、考えるよりも解決法を調べたがるという精神は、今の人間にも同じことが言えるように思う。本当は、調べるのではなく、目の前で起きていることなんであるのかを分析して、ただ、その困難が解決するようにすればよいだけである。そういう物を見る精神に関する批判は、すごくささるものがあった。 「音楽談義」が面白かったのは、より音質のよい音響機器を考えようとする五味に対して、小林秀雄が徹底的に批判的だったところだ。小林秀雄に言わせれば、音質をよくしようという考えは、「音」を聞こうとする人間の発想であって、「音楽」を聞いている人間の発想ではないのだそうだ。 モーツァルトの曲をCDで流したとしたとき、雑音を全て取り去って、「生の音」に近づけたとして、それは、モーツァルトの音楽に近づいたことになるのか、と小林は言う。そして、それは逆も同じで、モーツァルトを目の前で生演奏したからといって、聴衆は、本当にモーツァルトの音楽を聞いていると言えるのかとも言う。 音楽を聞く経験は、あくまで聞き手の経験であって、雑音のあるなし、生かそうでないかの違いではない。たとえ、雑音が混じっていたとしても、人はモーツァルトの音楽に感動できる。その経験の方が大切なのだと考えているのだろうと読んだ。 単純に、音楽を聞く経験について、面白い発想だと思った。 どの対談にも言えることだが、やりとり全体に漂う内輪感に、ものすごく時代を感じる対談だなとも思った。特に、後半の大岡や今といった人たちとの対話は、ほとんど友人の会話だった。それは、対談の中に出てくるたくさんの作品や作家、本、お互いの論文といった固有名詞に表れていると思う。その中には、今の僕たちでも、名前くらいは知っているものが多くある一方で、同じ時代に生きていた人にしか通じないようなもの多い。 現代にも、知識人のこういった対談がないわけじゃないけれども、同じ教養や知識、論じるべき共通の作品をを持った人たち。そういった人たちの世界が狭いがゆえに、同じ問題意識を全く異なる分野の人同士でも共有できた時代の匂いを感じる。湯川秀樹と小林秀雄のような、全く異なる世界に見える二人も科学的な新しい発見という共通の話題で、つながることができたのではないかというような気がする。 最後にある石原千秋による解説「「わかる」ことと「わからないこと」のはざまで」が、とても印象的だった。間違っていることを知りながら、それを訂正するのではなくて、「そうか」と言って受け入れる教師。自分がわからないことをわかるまで「わからない」と言い続ける小林秀雄の姿勢。 わからないながらも、対話するなかで、ちょっと分かるようになる。そんな、人との話し方のヒントに溢れた本だと思う。
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抽象的な言葉が多く、そちらの世界での対談になっているところは体験していない者にとっては難しい。文学、音楽、演劇、絵画など趣味の世界を超越したレベルでの対談になっている。対象を調査しようとして得た知識をもとに対談しているのではなく、堪能しようとして辿り着いたところをもとに話している...
抽象的な言葉が多く、そちらの世界での対談になっているところは体験していない者にとっては難しい。文学、音楽、演劇、絵画など趣味の世界を超越したレベルでの対談になっている。対象を調査しようとして得た知識をもとに対談しているのではなく、堪能しようとして辿り着いたところをもとに話している。小林秀雄が巨人だということが何となく分かるような気がする。12ある対談の中では湯川秀樹、今日出海、との対談が面白かった。
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