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リアスの子
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 光文社 |
発売年月日 | 2013/12/16 |
JAN | 9784334929183 |
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リアスの子
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商品レビュー
3.3
16件のお客様レビュー
宮城県のリアス式海岸に面した仙河海市(架空の市)の中学校教師の和也と埼玉から転校してきた希の話。家庭に問題がありヤンキーの希だが、たんにんである和也は陸上長距離の才能を見いだし顧問を務める陸上部に入部させる。それまでの和也の教師としての使命というか、家庭訪問を繰返し万引き事件にも...
宮城県のリアス式海岸に面した仙河海市(架空の市)の中学校教師の和也と埼玉から転校してきた希の話。家庭に問題がありヤンキーの希だが、たんにんである和也は陸上長距離の才能を見いだし顧問を務める陸上部に入部させる。それまでの和也の教師としての使命というか、家庭訪問を繰返し万引き事件にも希に寄り添う姿勢に感動した。反抗的だった希は次第に和也に信頼を寄せるさまに真はいい子だったんなと思えた。授業以外の業務や部活の指導など多忙な中での生徒のことを考える和也に感服。授業だけが教師の仕事じゃないのだとあらためて思えた。
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中学校で教鞭をとったことのある著者が、自身が教えていたことのある地をモデルにして書いた「自伝的(?)学校小説」。 前半と後半でかなり雰囲気の変わる作品。前半は、話の舞台である三陸沿岸や教員文化を深く理解した上で、いい点にも悪い点にも両方つきあいながら生活する教員・生徒・保護者の動きを生き生きと書く。「この著者でこそ書ける」文章で、その「深く切り込まれた」ところに自分を重ねて痛さすら間々感じられる文章。 これが、後半になると、くさい学園ドラマのように話が進んでいく。 「この辺でそろそろ子どもたちの世界とは一線を引き、大人として教員の仕事をこなしていくーそれはそれで、学校内で必要とされるポジションだーことにするか、あるいは、可能な限り子どもの世界に踏み止まってもがいてみるか、その選択をしなければならない時期が、僕にも来ていることだ。(p.203)」 というくだりが、物語的な転換点なのかな、とは思う。著者が現役の教員をしていたときも何度か同様の選択を迫られ、おそらくは「子どもの世界に踏み止まらない」選択を取ったことや「子どもの世界でもがくだけに終わった」選択だって幾度もあったんだろう、と推察する。 ただ、子どもの世界に限らず、”その人らしさ”を生かす環境を用意したら、それだけで勝手に走り出していって「お話のように」物事が進む瞬間、というのは、人の世界に間々ある。 この物語で言えば「悩める生徒だけど、走るのは好き」ということに気づいていたという”伏線”があってこそ「お話のように」物事が進んだ。現実でも似たようなことが”偶然”起こることがあり、たぶん著者もそれを見たことがあって、それを理想的な形でお話にしたのが後半なのかな、と推察する。 「こんなお話のように物事が進むかいな?」とか「てか、生徒が走ってるのを先生は見てただけやん?」とかツッコミどころは多い後半部分だとは思う。 だとしても「こうなれば理想的」というモデルなくして、現実を直視し対応できるほど、人は皆強くない。 そんな理想的モデルを、今の教育業界や三陸沿岸へ、著者なりに示したのが、この物語なのかな、と。
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熊谷達也は、震災後にしばらく小説が書けないでいたが、一念発起して書き出したのが「仙河海サーガ」らしい。最新の「浜の甚兵衛」でそのことを知り、この作品がサーガの最初の小説だと聞いて紐解いた。 それと知らずに読めば、一般的な青春学園小説である。舞台は架空の町「仙河海(せんがうみ)市...
熊谷達也は、震災後にしばらく小説が書けないでいたが、一念発起して書き出したのが「仙河海サーガ」らしい。最新の「浜の甚兵衛」でそのことを知り、この作品がサーガの最初の小説だと聞いて紐解いた。 それと知らずに読めば、一般的な青春学園小説である。舞台は架空の町「仙河海(せんがうみ)市」であるが、題名からも分かるように、作者の住んでいる仙台市がモデルでは無く、リアス式海岸になっていて、著者が教師として暮らしていた気仙沼市がモデルである。 この本の語り手は著者の分身とも言える数学教師岩渕和也。1990年の話として進められている。しかし真の主人公は転校生早坂希(のぞみ)だろう。確かに一見スケバン風の登場をして、やがて素直な頑張り屋になり長距離ランナーとして稀有の才能を見せる希は、それなりに突出した個性だと思う。ただ、この作品は一冊の作品としてみると、あまりにも中途半端だった。主人公としては、これから活躍する直前に終わる。希が子ども時代、仙河海市に住んでいたとしても、それだけでは「リアスの子」とした説得性があまりにもない。岩渕の語り口調から、いかにも彼が20年前を回顧して語っているようにみせながら、とうとう現代の岩渕は一度も姿を見せなかった。なぜそういう形式にしたのか、という説明が、この作品の中には一切ない。あまりにも壮大なサーガの序章として位置づけるのならば(実際そういう意図なのだろうが)、わからなくもないが、そ この説明不足は「有り」なのか、私は判断がつかない。 早坂希は甚兵衛の子孫なのだろうか。親分肌な所は似ていなくもない。しかし、彼に関係する金子、菅原、遠藤共に苗字が違う。果たしてどのように人物たちが絡まってゆくのか、しばらくはサーガを読んでゆきたい。 2017年2月27日読了
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