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日本幻想文学事典 日本幻想文学大全 Ⅲ ちくま文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2013/12/12 |
JAN | 9784480431134 |
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日本幻想文学事典
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幻想文学に関しての古典ガイダンスと作家クロニクル。 当然ながら、こういうのを読んでしまうと読みたい本がどどっと増えます。特に作家クロニクルを見ていくと、「え、この人も幻想文学書いてたんだ!」ってな発見があったりして。どんどん読書の門戸が広がる……まずい。 とにかく紹介される本がタ...
幻想文学に関しての古典ガイダンスと作家クロニクル。 当然ながら、こういうのを読んでしまうと読みたい本がどどっと増えます。特に作家クロニクルを見ていくと、「え、この人も幻想文学書いてたんだ!」ってな発見があったりして。どんどん読書の門戸が広がる……まずい。 とにかく紹介される本がタイトルを見ただけでわくわくしてしまうので。危険な一冊でした。ただし、入手困難なものも多そうな気がしますね。ああ古書市に行きたくなる!
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作家事典。幻想文学を書いた、書かないに関わらず不思議な作品を書いた作家はもれなく挙げられた(昭和まで)作家さんの目録。 自分のような不思議な作品を探してる向きには助かる1冊。
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・東雅夫「日本幻想文学大全 日本幻想文学事典」(ちくま文庫)、 これは全3巻の日本幻想文学大全の最終巻で、「我が国で生み出された怪奇幻想文学を対象とする、総合的なレファレンスブックとして企画・編纂・執筆され た。」(「まえがき/凡例」9頁)ものである。だから本書は古典も対象とし、...
・東雅夫「日本幻想文学大全 日本幻想文学事典」(ちくま文庫)、 これは全3巻の日本幻想文学大全の最終巻で、「我が国で生み出された怪奇幻想文学を対象とする、総合的なレファレンスブックとして企画・編纂・執筆され た。」(「まえがき/凡例」9頁)ものである。だから本書は古典も対象とし、最初に「古典ガイダンス」を載せる。これは大雑把に、記紀以前から歌舞伎ま で、つまり、上古から近世末までの幻想文学案内である。 ・本書は本文約620頁、そのうち560頁ほどが続く近代以降の書名の事典となつてゐる。これを「作家クロニクル」といふ。対象は河竹黙阿弥から寺山修司 まで、「近現代幻想文学を代表する作家と作品を、生誕順に配列し解説することで、明治から昭和に至る幻想文学史を総覧する」(同前)ものである。ここでのポイントは生誕順である。氏名の五十音順が普通の方式だが、ここではそれは使はれてゐない。生誕順、つまりは生まれ順である。年寄りから並んでゐるのである。かういふ人名辞典とか作家事典とかがこれまでにあつたかどうか。私は知らない。管見にそのやうな配列の辞書はない。実際はどうなのであらう。これは珍 しいだけでなくおもしろい。普通、作家はその拠つて立つ文学観等でくくられる。○○派である。ところが、それをばらして生まれ順に並べると、そんな文学史 的なくくりとのギャップが現れてくる。この人とこの人が同じ年なのかといふわけである。例へばと適当にそんなのを探してみる。幸田露伴、1867、慶応3年生まれである。この年、他には夏目漱石、正岡子規等の3人がゐる。漱石と子規は仲間であるが、同年生まれとは知らなかつた。文学史で露伴と漱石は交はらない。露伴の「風流仏」が先に出てくる。だから露伴が年上かと思へば、決してそんなことはなかつた。露伴が22歳で注目されたのに対して、漱石の「猫」は40歳近くになつて出た。この差がそんな錯覚を生むのである。しかも北村透谷が翌1868年生まれとなると、これもまたその作風と登場年が漱石を年下と錯覚させるのである。新しいところでは、1928、昭和3年生まれ、ここには佐藤さとる、光瀬龍、田辺聖子、澁澤龍彦、出口裕弘、この5人がゐる。最後の2人は交はるところがあるものの、他はジャンル、あるいは作風が違ふ。比べることはない。同じくらゐの年令かとも考へない。だから、田辺が澁澤と同年であつたと知るとただ驚くのである。かういふ驚きは、ある意味では極めて間の抜けたものである。そんなことも知らないのかと笑はれさうである。しかし、それが私の作家に対する認識である。この事典はそんな人間に生年による作家の位置を教へてくれる。文学史でさういふことは決してない。○○派といふくくりがまづあ り、それが文学史の流れの中でどこに位置するのかを確認し、さうしてやつとその中に作家が出てくるのである。ここでは生年は関係ない。問題は主義、主張である。ところが、本書は違ふ。あくまで生まれ順、いかなる派に属してゐようとも、問題は何年生まれかの一点に尽きる。これで位置する場所が決まる。○○派に親しんでゐる人間のための、いささか特殊な啓蒙の書かもしれないと思ふ。索引もある。この配列で事典として困ることはない。記述内容と人選は、当然、怪奇と幻想分野に偏ることになる。それはそれでおもしろい。それでも、稀に思ひもしない人が出てゐたりする。これは私が知らなかつただけといふことが多い が、例へば丸山薫が出てゐるのは驚いた。記述は量的に多くないものの、この人にもこんな面があつたのだと思はせてくれる。その意味でもまた本書は啓蒙の書である。
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