- 中古
- 書籍
- 書籍
セカイからもっと近くに 現実から切り離された文学の諸問題
定価 ¥1,430
1,375円 定価より55円(3%)おトク
獲得ポイント12P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送
商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
発売年月日 | 2013/12/12 |
JAN | 9784488015367 |
- 書籍
- 書籍
セカイからもっと近くに
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
セカイからもっと近くに
¥1,375
在庫なし
商品レビュー
3.8
13件のお客様レビュー
インパク知 6・7 自分たちだけの閉じられた世界(想像界)と、それを破壊するどうしようもない力(現実界)が短絡し、社会や政治など、本来であればふたつをつなぐもの(象徴界)への言及がない――「涼宮ハルヒ」などに代表される「セカイ系」の作品が抱える、「社会とのつながりのなさ」に、作...
インパク知 6・7 自分たちだけの閉じられた世界(想像界)と、それを破壊するどうしようもない力(現実界)が短絡し、社会や政治など、本来であればふたつをつなぐもの(象徴界)への言及がない――「涼宮ハルヒ」などに代表される「セカイ系」の作品が抱える、「社会とのつながりのなさ」に、作家はどのように対抗しているのか、という考察。 新井素子の「家族」、法月綸太郎の「恋愛」、押井守の「ループ」、そして、小松左京の「未来」について、それぞれの章で考察を加えている。 本書においては、「セカイ系」の解決策は、「自分を(何らかの形で)未来につなぐこと」であると述べられていたように思う。四人の作家の作品への愛と、筋道を立てた読解でわかりやすくそのことが述べられていた本書は、たいへん面白かった。ジャケ買い成功である。 一方で、筆者よりもさらに下の世代である自分には、その解決策が、幻想に過ぎないのではないかという懐疑がある。 虚構において、ひとが社会(象徴界)を必要としないならば、つまり、虚構が現実を描かないのであれば、文学はいらない。これが「セカイ系」の抱える問題である。しかし、四人の作家による作品は「自分を未来につなぐこと」が、そこからの脱却のヒントを示している……というのが本書の主張であるが、「自分を未来につなぐこと」が救いになると読むその点に、筆者のマトモさ、もっといえば「人間に対する絶対的信頼」を感じた。 これが「評論」だ、と思う。しかし、そうであるならば、「評論」は、人間に絶対的信頼を寄せることのできる、一部のエリートのものだ。筆者が「セカイ系」の読者として語る「オタク」に、果たしてその「人間への絶対的信頼」はあるのだろうか。 本書はとても面白い。とても面白いのだが、だからこそ、虚構の中で社会(象徴界)を求め、享受することができるのは、エリートだけなのだという寂しさも感じた。
Posted by
新井素子と法月綸太郎はよくしらなかったがきちんとどんな人か踏まえての話なので問題はなかった。おもしろい批評だと思った。動物化するポストモダン1&2と併せて都合三冊読んだことで、現代のアクティブな文学に関しては随分と見通しやすくなると思う。時代とリンクしているのでわかりやすいし。古...
新井素子と法月綸太郎はよくしらなかったがきちんとどんな人か踏まえての話なので問題はなかった。おもしろい批評だと思った。動物化するポストモダン1&2と併せて都合三冊読んだことで、現代のアクティブな文学に関しては随分と見通しやすくなると思う。時代とリンクしているのでわかりやすいし。古くなる前に読んだほうがいい本。
Posted by
まとめ ○かつての文学 ・現実で生きる人々の喜びや苦悩を汲み取り、作品表現として昇華するという役割 =社会や政治をふまえたうえでの創作が価値を持っていた ・文学と社会が「公共的」な関係を持っていた ○現代の文学 ・現代の社会はあまりに複雑で、わたしたちはもはや社会全体をうまく...
まとめ ○かつての文学 ・現実で生きる人々の喜びや苦悩を汲み取り、作品表現として昇華するという役割 =社会や政治をふまえたうえでの創作が価値を持っていた ・文学と社会が「公共的」な関係を持っていた ○現代の文学 ・現代の社会はあまりに複雑で、わたしたちはもはや社会全体をうまく見渡すことさえできない(世界から切り離されている) ・あらゆる創作物が「現実逃避」として求められている ・記号的・キャラクター思考 ・現実から遠いものとしての虚構群である ・想像界と現実界が短絡し、象徴界の描写を欠く(例・個のボーイミーツガールを、「世界の終わり」や「この世の危機」といった大きな問題と直結させる) ・細部(又は大枠)の欠如 ・社会を描かない/描けない/描かなくてもよい →想像(創作物)と、現実が切り離されている
Posted by