- 中古
- 書籍
- 書籍
- 1220-03-06
ジョイスを訪ねて ダブリン・ロンドン英文学紀行
定価 ¥2,750
1,650円 定価より1,100円(40%)おトク
獲得ポイント15P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送
商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 彩流社 |
| 発売年月日 | 2013/12/09 |
| JAN | 9784779119255 |
- 書籍
- 書籍
ジョイスを訪ねて
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
オンラインストア上の価格と店頭価格は異なります
お電話やお問い合わせフォームでの在庫確認、お客様宅への発送やお取り置き・お取り寄せは行っておりません
値下げ前価格について
本価格は現中古販売価格の「値下げ前価格」となります。
直近約1か月間、値下げ前価格での販売実績があるものだけ表示しております。
ジョイスを訪ねて
¥1,650
在庫なし
商品レビュー
4
1件のお客様レビュー
なんとも祝祭感あふれる英文学紀行だ。 今回の目的地はダブリンとロンドン。 さて、どうなることやら。/ 【ホテルを九時に出発、オコンネル・ストリートを南に歩き、オコンネル橋でリッフィー川を渡る。右にアイルランド銀行が見えたところで、トリニティ大学の前に出る。そうすれば、あとはじき...
なんとも祝祭感あふれる英文学紀行だ。 今回の目的地はダブリンとロンドン。 さて、どうなることやら。/ 【ホテルを九時に出発、オコンネル・ストリートを南に歩き、オコンネル橋でリッフィー川を渡る。右にアイルランド銀行が見えたところで、トリニティ大学の前に出る。そうすれば、あとはじきにピアース駅に着くはずだった。十時の待ち合わせ時間までには一時間あるので、ゆっくり歩いても、楽にたどり着けるだろうと思われた。 ─中略─ (テテン、テン、テン、テン、テン、一天にわかにかき曇り!※引用者効果音) ところが、である。歩いても歩いても、ピアース駅にたどり着かない。(略) どうやら、橋を渡ったところで、方向を間違え、別の道に入り込んでしまったらしい。(略)傘をさしたまま、二人で地図を取り出し、方向を確かめる。(略) 「地図を見ながら歩いているのに、どうして道に迷うんだろうね」Sさんがぼやいた。(略) 「よく世間で地図の読めない女って言うじゃない」 「私たち、二人とも地図の読めない女なのかねえ」 「そうかもね」】/ ふっふっふ、そうだろう、そうだろう、間違いだけが人生だ! このあたり、いつも最初の一歩を逆方向に踏み出してしまう僕は、おおいに意を強くしたのだ。 この迷子シーンに、太宰治『津軽』の津軽人による来客歓待シーンを思い出した。 あら楽し!やれおかし!どうせ阿呆なら踊らにゃそんそん!(なっ、中尾先生、すいません、けっしてそんなつもりじゃ…)/ 【ジョイスの母親は四十四歳で亡くなった。二十一歳で結婚して以来、毎年のように次々と十五回も妊娠を繰り返し、十人の子供を産んだ。その間、(略)家計は苦しくなる一方で、苦労続きの一生だった。(略)長男で母親の秘蔵っ子であったジョイスにとって、母の一生は失意と犠牲の一生であり、アイルランド女性の典型でもあった。彼にとって、母の思い出は、悔恨と切っても切れないものであったのだ。】/ 実は、本書を手に取ったのは、以前読んだ『百年目の『ユリシーズ』』中の中尾先生の評論「デダラス夫人からモリーへ─スティーヴンの鎮魂」に、深い共感を覚えたからだ。/ 《モリーは、宗教と家庭、出産・育児に縛られたスティーヴンの母とは、対極的な生き方をしている女性である。(略)中でも大きく違うのは、モリーが多産を強いられていないことだろう。(略)妊娠出産をコントロールしているからこそ、モリーは、人生をすり減らさずに済んでいる。(略)過重な妊娠を免れているお陰で、モリーはコンサート・ツアーに出かけるし、中年になっても女の魅力を失わず、恋愛をすることもできるのだ。デダラス夫人にできなかった人生を、モリーは謳歌できている。 モリーという女性の創出のためにはブルームという夫が必要であり、モリーという新しい女性とブルームの出現には、スティーヴンの母への鎮魂の思いが強く働いていたと思われる。》(『百年目の『ユリシーズ』』(下楠昌哉・須川いずみ・田村章 編著/松籟社/2022年)/ 僕は、 浮気女モリーは、十五回も孕まされ、生涯を出産と育児に追われ、ボロボロになって死んでいったデダラス夫人、いやジョイスの母の輪廻転生であり、ジョイスは亡き母を夫や家庭に縛られない自由な女モリーへと輪廻転生させることによって、母の鎮魂を果たそうとしたのだ、 と考えているので、先生の文章を読んで、我が意を得たりと快哉をあげたのだ。/ という訳で、ジョイス、ディケンズ、ウルフ、テニスン、漱石、ハーディ、ラファエル前派と、いやもう本場英国のローストビーフでお腹いっぱいの文学紀行でした。
Posted by 
