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シルヴァー・スクリーム(上) 創元推理文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
発売年月日 | 2013/11/29 |
JAN | 9784488584047 |
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シルヴァー・スクリーム(上)
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シルヴァー・スクリーム(上)
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人の死が見えるというのはどんな気分なのだろうか?できれば自分は見たくはない「幻燈」。 原作を台無しにされれば呪いたくなる気持ちも分かる。 昔好きな作品の主人公が駆逐の意志もないニートにされてNTRと人妻と乳繰り合うだけの作品にされたり、イギリスの少年伯爵が日本の男装の令嬢()にさ...
人の死が見えるというのはどんな気分なのだろうか?できれば自分は見たくはない「幻燈」。 原作を台無しにされれば呪いたくなる気持ちも分かる。 昔好きな作品の主人公が駆逐の意志もないニートにされてNTRと人妻と乳繰り合うだけの作品にされたり、イギリスの少年伯爵が日本の男装の令嬢()にされたりした時に自分も殺意を覚えたことがあるので…。 それが丹精込めた作品なら尚更であるし、原作者であればさらにそう思うだろう。 これは自業自得としか言いようがない「カット」。 二人ともエキストラが天職だったのだろう。見てみたいような気もしなくはないが、自分が見ているときにはいないでほしい「女優魂」。 犯人の正体は分かりやすいが、結末は意外「罪深きは映画」。 不条理的でグロテスクな見れば死ぬかもしれない映画、私も見てみたい「アンサー・ツリー」。 キャンディスの落ちぶれっぷりとリックのクズっぷりがはっきりとしている。最後は転んでもただでは起きないということか。 それにしても、あんなクズだとはっきりとわかっているのに別れなかったのだろうか「裏切り」。 ホラーばかりではなかったような気がする。
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・デイヴィッド・J・スカウ編「シルヴァー・スクリーム」(創元推理文庫)は映画に関係ある作家「を集めて、それぞれに映画へのオマージュをめいっぱい盛り込んだホラー小説を書いてもらったアンソロジーである。」(尾之上浩司「解説」下423頁)元版は1988年に出てゐる。新しいものではない。...
・デイヴィッド・J・スカウ編「シルヴァー・スクリーム」(創元推理文庫)は映画に関係ある作家「を集めて、それぞれに映画へのオマージュをめいっぱい盛り込んだホラー小説を書いてもらったアンソロジーである。」(尾之上浩司「解説」下423頁)元版は1988年に出てゐる。新しいものではない。邦訳では文庫本上下2冊で計19の短編に、トミー・フーバー「前口上」と編者スカウの「とどめの一劇」を収める。後の2編は序文と跋文に当たらう。本書の基本は書き下ろしである。「一劇」により、本書の編集過程や作家の人となり等が知れる。それらを含めて合計800頁超、読み応へ十分である。しかも出来が良い。「解説」にも「本書の評価はじつに高く」(下425頁)とある。個人的には上巻の方が出来が良いと思ふのだが、このあたりは好みの分かれるところであらう。内容については「前口上」にかうある、「本書は映画にまつわるホラーのあらゆるテーマにひとしく光をあてている。このアンソロジーのユニークなところは、映画が小説に優先するという主客逆転現象を起こしているところだ。」(上21頁)私はこれを映画愛にあふれてゐると理解する。 ・ロバート・R・マキャモン「夜はグリーン・ファルコンを呼ぶ」は、上巻の方が出来が良いと書いておきながら、下の巻頭作である。これは映画へのオマージュと言ふにふさはしく、同時にヒーロー物のパロディーとも言へる作品である。個人的にはこれはホラーでないと思ふが、映画への愛がそれを上回つてゐるがゆゑに、ここに入る資格ありといふ作品である。主人公はかつて人気のヒーロー、グリーン・ファルコンを演じた男、通称クレイ、60を出たところである。年齢もあつて冴えない生活を送る日々である。ある日、隣室の女性が連続殺人犯に殺される。クレイはたまたまその男を目撃し、手がかりのマッチも残されてゐた。それをきつかけにクレイはグリーン・ファルコンの衣裳を再び身につける。さうして殺人犯を追ふ。「おれは気がヘンになりかけている。」(下27頁)「こんなことはするべきじゃない。」(下28頁)と思ひつつ、同時に「なにをする? ただくすぶって生きるのか?(中略)とんでもない。」(下31頁)とも考へる。その結果の殺人犯追跡劇である。これがおもしろい。米国だからスーパーマンあたりのパロディーとならうか。若き男女の助太刀(?)を得て、場末まで犯人を追ひかける。どの場面も米国的、映画的である。中心になる3人も実によく描かれてゐる。ラストシーン、流れ着いたグリーン・ファルコンのマスクを少年が拾ひ、そしてかぶる。「なんだか世界がちがって見えたようだった。(中略)一瞬、自分が空を飛べるような気がした。」(下90頁)これでこそオマージュである。こんなのがあるとどこがホラーアンソロジーだと言はれよう。これは例外である。かういふ、ある意味で健康的な作品はこれだけである。他は決してさうではない。例へば、これは書き下ろしではないが、有名なクライブ・バーカー「セルロイドの息子」などといふのがある。久しぶりに読み直してみて、やはり優れた作品だと思ふ。F・ポール・ウィルスン「カット」は日本の呪ひの藁人形の如き物語、ラストが見事である。レイ・ガートン「罪深きは映画」は日曜学校教師と少年の罪深き物語、人間とは本来罪深いものだと知れる……これらに対して御大ロバート・ブロック「女優魂」はむしろ健全、素直な映画へのオマージュである。他も同様、様々な形でのオマージュ満載である。映画とはかくも人を虜にするものだと思ふ。おもしろい。下も良いが、私はやはり上が良いと思ふ。
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アメリカで刊行された、映画をテーマにしたホラーアンソロジーの上巻。 一読して受けたのは如何にもアメリカン・ホラーらしいという印象だった。より直接的に、肉体の苦痛を訴えかける描写が多く、スプラッタ的な要素を強く打ち出したものもある。 この中でやや雰囲気が違うのは、カール・エドワード...
アメリカで刊行された、映画をテーマにしたホラーアンソロジーの上巻。 一読して受けたのは如何にもアメリカン・ホラーらしいという印象だった。より直接的に、肉体の苦痛を訴えかける描写が多く、スプラッタ的な要素を強く打ち出したものもある。 この中でやや雰囲気が違うのは、カール・エドワード・ワグナーの『裏切り』、チェット・ウィリアムスンの『〈彗星座〉復活』の2本だろうか。特に『〈彗星座〉復活』はSFホラーのアンソロジーに入っていてもおかしくないような雰囲気。 上巻の中でどれか1篇を選ぶとすれば、レイ・ガートンの『罪深きは映画』。主人公の少年が、別れて暮らす母親と久し振りに出掛けてからラストシーンまでの展開には良い意味で裏切られた。
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