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憲法学のフロンティア 岩波人文書セレクション
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
| 発売年月日 | 2013/10/26 |
| JAN | 9784000286749 |

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憲法学のフロンティア
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自由、人権、立憲主義、法の支配、民主主義・・・こうした言葉は憲法の教科書に一通りの説明があるし、字面の上で理解するのにさほど困難はない。だが、これらの概念や制度は何のためにあり、現実にどんな機能を果たしているのか? 我々がこうした言葉を語るとき、意識的・無意識的に置いている前提は...
自由、人権、立憲主義、法の支配、民主主義・・・こうした言葉は憲法の教科書に一通りの説明があるし、字面の上で理解するのにさほど困難はない。だが、これらの概念や制度は何のためにあり、現実にどんな機能を果たしているのか? 我々がこうした言葉を語るとき、意識的・無意識的に置いている前提は何か? そこを曖昧にしては思わぬ混乱や副作用を生まないか?法や国家について真面目に考えようとするなら、一度はこうした問いにとことん向き合ってみるべきだ。著者に同意すると否とにかかわらず、日本の憲法学のトップランナーによる本書はそのための得難い経験となるはずだ。 著者は国家や自然権といった憲法学が当然の前提としてきた概念も「比較不能な価値」の共存というコンセプトから次々と機能的な再解釈を施していく。その手付きには新鮮な論理的感動を覚えるし、憲法学の根底を覆すとさえ言える。もっとも著者が教科書等で説く解釈論自体は日本の標準的な学説を基本的には踏襲しており、随所に独自の見解(「原理」としての9条解釈や「切札」としての人権論など)もあるが、それほど特異なものではない。でなければ東大法学部の教授や司法試験の考査委員が務まるはずもない。それでも法学プロパーのお作法を飛び越えて憲法の根源を問い直す著者の試みは、憲法学の新たな可能性を感じさせてくれるし、憲法学と政治哲学の対話を深める上でも大きな意義を持つ。憲法学内部からも政治哲学や法哲学と共通言語で原理的なアプローチをする若い学者が増えてきた。著者に批判的な毛利透氏を含め所謂「樋口シューレ」にその傾向が強いが、石川健治氏とともに、それを牽引してきた著者の功績は大きい。 疑問を一つあげるとすれば、著者のリベラリズムと表裏をなす古典的な公私二分論だ。公私の分離は強過ぎる「公」から「私」を守る(=防御する)限りにおいて意味を持つ。だがそれをどこまでも徹底すれば、「私」を守る(=保護する)はずの「公」の基盤が溶解し、結局「私」も行き場を失うだろう。著者の憲法学は自己以外に寄る辺なき強靭な個人を要請するが、著者も自覚するように、それはあまりに不自然で過酷な想定だ。あり得べきおぞましい帰結として、著者の意図に反して結果的にポピュリズムを助長しかねない。そればかりかサイバー空間におけるリベラリズムと全体主義の野合もあながち絵空事ではない。公私は単純に分離できないし、すべきでもない。著者の功利主義的な国家観からは受け入れ難いだろうが、アレントに始まる「実践哲学の復権」も、この点の自覚と反省が出発点であったはずた。 最後に特筆すべき本書の魅力は、内容もさることながら、そのユニークなスタイルだ。各章には学術論文の体裁をとる比較的お硬い文章が並ぶが、本文にリンクした軽妙洒脱なエッセイがセットで配されており、これが頗る面白くて分かりやすい。ユーモアが光る文体は従来の法学者のイメージを塗り替えるものだ。そのセンスは好評を博した法学教室の連載『Interactive 憲法 (正・続)』にも形を変えて引き継がれている。こちらも単行本化されており併読を薦める。コンセプトは全く違うが司法試験対策のバイブル的存在となった大島義則『憲法ガール』の遊び心を先取りしている。
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