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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2013/11/29 |
JAN | 9784101254814 |
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商品レビュー
4.2
128件のお客様レビュー
響いたかというと何とも言えない。 人の想いっていうのは何とも言えない。 仕事柄いつも思うのは人の死を前に誰もなにも言えないってこと。
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私は正直に言うと、百合江さんは流されすぎ。と思ってしまいました。ゴミクズ男たちに怒り狂って復讐してやればいいのに。実の子なんだから探し出して会えばいいのに。なぜ、運命に抗わない??「しなやかに生きる」とかいえば聞こえはいいかもしれないけど、ただすべてを諦めているだけじゃないの? ...
私は正直に言うと、百合江さんは流されすぎ。と思ってしまいました。ゴミクズ男たちに怒り狂って復讐してやればいいのに。実の子なんだから探し出して会えばいいのに。なぜ、運命に抗わない??「しなやかに生きる」とかいえば聞こえはいいかもしれないけど、ただすべてを諦めているだけじゃないの? 読後しばらくは、百合江さんの諦めたように見える態度に納得いかなかった。 でも、暫く考えて、百合江さんはきっと「諦めた」のではなく「赦した」のではないかと思うようになった。小説では一度もでてこなかった言葉だからこれは私の独自解釈だけど、「赦す」ってのがテーマの1つなのかなと思った。百合江さんは許して受容しているんだと思う。人の弱さ。貧しさのどうしようもなさを。 それは全桜木作品に通底するテーマだろう。出てくるキャラ全員ほぼどうしようもない人間なんだけど、それが悪いように描かれていなくて、著者の人間に対する愛を感じる。 とくに、男がもう最初から最後まで全員ゴミクズすぎて、私は最後の爺さん2人には「なんで今更そこで出てくるんじゃーい!」って感じで怒り心頭だった。あの老人ホームの爺1の告白ほんとに自分のためって感じで許せない。ラストででてきた爺2もなんかなんでいまさら出てきたのって感じで納得いかない。 でも、百合江さんは許してる。 ただ諦めることと、赦すことは、違うんだと思う。ちゃんと起きた出来事を、心の中で受け入れているというか。それが幸せ、なのかもしれないと思う。 でもその割には、「信仰」みたいなテーマは一切登場しないんだよね。百合江さんは何を拠り所に、壮絶すぎる人生の色々な出来事を許したのだろう。 その拠り所が、小説では描かれなかったから、読者の私は、若干、怒りのやりどころに困っているのかもしれない。 2つ目に感じたのは女の悲しさ。これは本作ではなく、桜木作品全般のテーマ。言うのも野暮なんだけど女って結局男に求められ愛されてこそ幸せなんだなあ、と思う。そしてそのことが悲しい。だってその業のせいで不幸呼び寄せちゃう、弱い立場に置かれることが多くあるから。受け入れることが愛みたいな、被支配欲や自分のなさ、みたいなものの、業の深さよ。男は分かりやすくクズなんだけど、女はその点でクズ。つまり人間全員クズなわけですよ…。そしてそのクズさを包み込んで優しく許してくれるのが桜木作品なわけですよ…。 3つ目。女の幸せ。これをよんで、女の幸せというものの定義を自分なりに改めて、することができた気がする。女の幸せとはつまり惚れた男の子どもを産むことなんだろう。その1点だけだろうと思う。その好きな男が父親としてはクズでも、子供のことでうまくいかないことがあって不幸に見える出来事が起きたとしても、好きだと思えた男の子供を産むことができたら、女としては幸せなんだと思った。 久しぶりにすごい小説を読んでしまった気がして読み終わってしばらく違う世界にいるみたいでした。 中盤からはページをめくるたびに涙してしまいました。もうこれ以上登場人物を悲しい目にあわせないで…と。 桜木先生の作品によくある「なろう小説」的テンプレートは、『北海道。昭和。貧困。男ゴミクズ。女はそれに流されながらも強く生きていく。』で、この小説もそのテンプレを踏襲しているのですが、ずっとずっと思っていたより重厚な小説でした。おしんに浪花節と韓国ドラマを混ぜたような濃厚さでした。
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北海道標茶村は貧しい開拓村だった。飲んでは暴れる父と何を考えているのか分からない母、妹に3人の弟。貧しさゆえに将来の夢さえ絶たれた百合江は、奉公先を飛び出して旅芸人の一座に加わる。 そこから百合江の流転の人生が始まった。 将来のことなど考えられない。愛した人に去られても、子を失っても、明日のことだけ考えて生きてきた。側から見ている里実や理恵を苛立たせた百合江の生き方。 もっと貪欲に幸せを求めていたら違う人生があったはずだと、周りが思うような生き方でも、百合江にとっては穏やかな気持ちで最期を迎えられる人生だったのだろう。なんとしなやかな生き方だろうと思う。 本書をまさに読み終えた数分後、作者の登壇する読書講座を聴講した。 何のために書くのか。答えを見つけるために書くのだ、とおっしゃっていた。その言葉を受けて本書のラブレスというタイトルをもう一度考えてみた。
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