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あかんやつら 東映京都撮影所血風録
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あかんやつら 東映京都撮影所血風録

春日太一【著】

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あかんやつら 東映京都撮影所血風録

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2013/11/14
JAN 9784163768106

あかんやつら

¥385

商品レビュー

4.2

26件のお客様レビュー

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2017/08/19

読書以外に何が好きかと問われたら「映画鑑賞」と答える。でも、 芸術としての映画ではなく、単純に楽しめる映画が好き。 だって、芸術だなんだっていう映画は小難しくて楽しめないの だもの。 分かりやすくて楽しい。東映の映画がまさにそれ。本書を読んで いて、自分が結構、東映の映画を観...

読書以外に何が好きかと問われたら「映画鑑賞」と答える。でも、 芸術としての映画ではなく、単純に楽しめる映画が好き。 だって、芸術だなんだっていう映画は小難しくて楽しめないの だもの。 分かりやすくて楽しい。東映の映画がまさにそれ。本書を読んで いて、自分が結構、東映の映画を観ているのに気が付いた。 本書は東映京都撮影所の変遷とそこで生きた人々を追った ノンフィクションである。 「もうお腹いっぱいっ!」と言いたくなるほど、映画にかけた 熱過ぎる人たちがこれでもかっ!と出て来る。 片岡千恵蔵を始めとするスターを起用した娯楽時代劇から 任侠映画、そして「仁義なき戦い」に代表される実録路線、 ポルノ映画を経て、なんでもありの混沌の時代、そして 大作時代を豊富な資料と関係者へのインタビューで綿密 に描いている。 決して格好良くなんかないんだ。泥臭くて俗っぽくて。それ でも映画製作へのたぎるほどの情熱を抱えた人々の エピソードは時に悲喜劇でもある。 深作欣二監督の「魔界転生」は沢田研二目当てでなんども 観たのだが、ラストの炎の中での立ち回りについての記述 でジュリーに惚れ直した。 だって、千葉真一も若山富三郎も逃げ出した火炎のなかで、 ジュリーだけは手に火ぶくれが出来ても逃げ出さなかった のよ~。く~~~っ、格好いい。 今では絶対に「これ、やったらダメだろう」という話がいっぱい 出て来る。本物のヤクザさんも係わっているしね。 丸々1冊、活動屋魂がぎっしりだ。

Posted by ブクログ

2017/02/13

春日太一は凄い仕事を成し遂げたと思いました!この本の存在は東映というクレイジーな会社の過去を刻んだ墓碑銘なのではなく日本の映画産業の明日を見つめる礎。現に平成ライダーシリーズは東映時代劇のDNAを受け継いでいることは平山亨「泣き虫プロデューサーの遺言状」にも書かれている通り。また...

春日太一は凄い仕事を成し遂げたと思いました!この本の存在は東映というクレイジーな会社の過去を刻んだ墓碑銘なのではなく日本の映画産業の明日を見つめる礎。現に平成ライダーシリーズは東映時代劇のDNAを受け継いでいることは平山亨「泣き虫プロデューサーの遺言状」にも書かれている通り。また新たにライダー群像劇は東映群像時代劇の伏流水の氾濫なのではないかとも感じました。そもそも東映という会社の歴史が濃すぎる男たちの濃すぎる群像劇なのでした。「大衆」という言葉を誰よりも自分事化したベンチャー企業が大躍進し、しかしメジャーになっても無菌化せず「大衆」の欲望を寄り添おうとする姿勢。それは東映京都というスタジオに集う「あかんやつら」が「大衆」そのものだったから。東映京都からは松竹ヌーベルバーグも東宝モダニズムも生まれることありえないのです。そこにあるのは日本人の泥臭い匂い。しかし「大衆」が「生活者」というように滅菌されていく中で「あかんやつら」も居場所を失っていくのでした。しかし日本人が日本人である限り「あかん」成分は必要だと思うのです。この本の登場人物を愛おしく感じる感性が21世紀の「あかんやつら」に繋がれば、と願います。

Posted by ブクログ

2017/01/07

この本の中で、驚嘆な記述があった。1973年の映画界。東映は「山口組三代目」が大ヒット。東宝は池田大作原作の「人間革命」を映画化。この2本の大ヒット理由は、前者は全国の山口組傘下組員、後者は学会員の大量動員。これに味をしめた映画界は「公開前に大量動員を期待できる映画作り」に傾注す...

この本の中で、驚嘆な記述があった。1973年の映画界。東映は「山口組三代目」が大ヒット。東宝は池田大作原作の「人間革命」を映画化。この2本の大ヒット理由は、前者は全国の山口組傘下組員、後者は学会員の大量動員。これに味をしめた映画界は「公開前に大量動員を期待できる映画作り」に傾注するようになる。東映は部落解放同盟結成を描いた「松本治一郎伝 夜明けの旗」を製作。製作には至らなかったが、「実録・共産党」も企画された。東映に限らず、総じてこの頃の映画界はヒットするなら、右も左もタブーも特定新興宗教団体を取り上げることに対しても、当たると確信するネタであれば、遮二無二に映画製作していたんですな。DVDの売上収入という副産物がある今と違って、当時は映画館に来てもらってナンボの70年代。今と違って、「貪欲」で「無節操」で「ゆるゆる」だったってことなんでしょうな。

Posted by ブクログ

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