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ピサへの道 七つのゴシック物語(1) 白水Uブックス186
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 白水社 |
発売年月日 | 2013/10/11 |
JAN | 9784560071861 |
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ピサへの道 七つのゴシック物語(1)
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商品レビュー
4
6件のお客様レビュー
いかにも海外、特に欧州の小説。昔話の体を取り、宗教や風習に関する会話を通じての権威揶揄や風俗の記録。登場人物の正体が実は、という仕組みも面白い。デカメロンやモンテクリスト伯のような独特の文体と、歴史や宗教に基づく背景を理解しているともっと楽しめるんだろうな。
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表題の「ピサへの道」を含む4つの短編小説集。 「ピサへの道」が圧巻。 この世に読書力というものがあり、さらにそこに段位があるとしたら、この物語は三段はある猛者でないとうまく組み合うことができないと思う。 自分は恐らく高く見積もっても二級くらいなので、残念ながら全然太刀打ちできま...
表題の「ピサへの道」を含む4つの短編小説集。 「ピサへの道」が圧巻。 この世に読書力というものがあり、さらにそこに段位があるとしたら、この物語は三段はある猛者でないとうまく組み合うことができないと思う。 自分は恐らく高く見積もっても二級くらいなので、残念ながら全然太刀打ちできませんでした。 70ページの短い美しい文章の中に伏線がこれでもかと散りばめられています。 1回読んだ時は本当に何が何だか全然わからず、2回、3回と見直して(そして恥ずかしながら巻末の解説を読んで)、ようやくこの複雑で数奇で奇跡的な人生の巡り合わせの物語の一部を理解できたような気がするのみ。 圧倒的な自分の力不足を感じつつも、不思議と物語から拒絶されている感覚はなく、それどころか「またいつでも挑戦しなさい、この本はあなたのためにこそあるんですよ」とほかでもない私に向けて慈愛の目で語りかけられているように思われた。 残りの人生で昇級昇段していって、また挑戦させて頂きます。
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3/18 読了。 人生を仮面劇のように生きた人びとの悲劇とも喜劇ともつかない物語を集めた中篇小説集。「ゴシック」という言葉から連想されるような、鬱蒼とした場所で貧血気味の登場人物がウロウロしてるポーみたいな話はない(幽霊や悲劇のヒロインは出てくるが)。おそらくここでの「ゴシック」...
3/18 読了。 人生を仮面劇のように生きた人びとの悲劇とも喜劇ともつかない物語を集めた中篇小説集。「ゴシック」という言葉から連想されるような、鬱蒼とした場所で貧血気味の登場人物がウロウロしてるポーみたいな話はない(幽霊や悲劇のヒロインは出てくるが)。おそらくここでの「ゴシック」は<クラシカルな建築物のように組み立てられた物語>を指すのだと思われる。無駄がなく巧みな構成と、機知に富んだ爽やかな読み心地の文章とで、「小説を読むってこういうことだなぁ」という喜びに包まれた。 また、それぞれの物語に通底するものとして<秘めたる愛>というテーマがあるように思う。結婚式当日に姿を消して海賊になった弟と、オールドミスになった姉との言葉にできない恋や、名前を変えるたびに生き方も変えていく女に、話しかけもせず遠くから見守るだけという約束を死ぬまで守った男の愛情。物語の本筋として語られたこれらの関係だけでなく、「ピサへの道」では、運命に導かれて出逢った老婆と主人公の叔母が同じ香水びんを大事に持ち続けていたことから、二人が深い繋がりを持っていたことが発覚し、主人公は強く感じいる。ここでは示されていないが、物語の冒頭で叔母の形見のびんを眺めている主人公は、妻との離縁について考え、親友に手紙を書いているのだ。そのモノローグのなかで、主人公は結婚相手の理想に「親友のような関係でいられる人間」を挙げる。深い信頼関係で結ばれているらしい親友のことはこの冒頭でしか触れられず、物語にも登場しないのだが、本筋が結婚というもののある種のバカバカしさを暴く内容であることと、老婆と主人公の叔母は互いに一生独身だったこと、老婆からびんを受け取った後の主人公の神妙な心持ちなどを鑑みるに、親友への秘められたる想いがほのめかされていると考えても良いのではないだろうか。
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