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光 集英社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2013/10/18 |
JAN | 9784087451214 |
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光
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商品レビュー
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建物、人、全てを押し流した津波の後に美浜島で生き残った数名のうち、信之、輔、美花の3人を描いた物語。決して明るい希望のある話ではなく、完全に過去に囚われる者、過去を切り捨て華々しく生きたい者、過去の復讐を望む者たちを、誰もが抑えて生きている本能的な暴力性や破滅への傾倒を時に出す姿...
建物、人、全てを押し流した津波の後に美浜島で生き残った数名のうち、信之、輔、美花の3人を描いた物語。決して明るい希望のある話ではなく、完全に過去に囚われる者、過去を切り捨て華々しく生きたい者、過去の復讐を望む者たちを、誰もが抑えて生きている本能的な暴力性や破滅への傾倒を時に出す姿を描いている。 これが東日本大震災前に書かれたものだと知り、驚いた。津波が全てを攫っていく。その死の描写のリアルさ、選別無き死が訪れる救いの無さ。私はまだ大きな地震や災害を経験したことがないのだが、この作品を通して人間じゃ対抗できない自然の大きな力に絶望した。
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・こんな陰鬱な話の後に『舟を編む』を書いたのかよ……と信じられない気持ちになった。隠しておきたい過去を巡って、ねじくれた愛(というより執着?)に狂わされた人々の話だった。うーん。時間がなく、しかし面白くて早足で猛然と読んだ割に、なんだか項垂れてしまって何を思えばいいのかわからない。 ・まず、東日本大震災の前に全てを薙ぎ倒す津波のイメージを持てていたことがすごいなと思った。それが現実に起こるのだということが一番残酷に思えるけど。 ・美花は俺だけのものだと思っていたのは信之だけだったんだろうなあ。島にいた時から他にもそういうことはたくさんあったんだろうな、と思った。山中のこともそのうちの一つに過ぎないというかね。全然、"過ぎない"で済ませられることではないんだけど。知らぬ間に美花の反応が良くなっていると思いきや「あの日から何も感じないの」との美花の発言により、上手な演技を覚えただけであることが示唆されたのは地味に痛快だった。 ・秘密を巡る暴力の連鎖。人間ってこんな嫌なやつばっかり?あたしもここに放り込まれたらそんな風になっちゃうのかな。でもそんな気もする。南海子のバカ高いプライドが妙に怖くもあった。しかし団地と幼稚園とお教室が生活の全てなのでそこから受ける眼差しを異様に気にするのは当然のことなんだろう。 ・たぶん、輔は色々と気づいた上で、信之に殺されてもいいやって思うくらい信之に構って欲しかったんだろうね。どんな女と寝るよりも、信之に構ってもらえない1人の暮らしよりも信之が殺した人間として人生に刻みつけられることを選んだんだな。とんだヤンデレ妹ならぬヤンデレ幼馴染である。かわいいやつだね〜。 ・ていうか、まあみんな本当のことは分かりつつうっすら目を逸らしてて、やっぱそうか〜……みたいになってた感じがする。なんか、大きな力に全てを薙ぎ倒された経験をすると、本当に空っぽになっちゃうんだろうな。「家族を愛したい」と思っているのにイマイチ身体も心もついてこない感じの信之が可哀想だなと思った。美花にも拒絶されたらもうあとの人生、消化試合だろう。自分ならいつか失望して自ら死ぬと思う。その不幸を味わわずに死ねますように、私は狂わずに長生きして安寧に死ねますように、って最悪なことを思った。
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小さな島を襲った津波ですべてを失い、生き残った3人の子どもたちが、長じて愛し合い、殺し合う。3人ともに壊れてしまって、一見普通に生活をしているようで、計り知れない闇を抱えている。 ラストシーンで生まれ育った島を再び目の当たりにして、主人公はいったい何を思ったのか。いや、何も思わなかったのか… しかし主人公の妹は不憫すぎる。津波の前、出かける主人公に「あたしも行く」と何気なく言った言葉を聞き入れてあげていれば、生き残ることができたのに。 「また今度ね」「わかった」。素直に聞き入れた言葉が可哀想過ぎる…。 「わかった」。この言葉、辛いなあ…。 そして父となった主人公の娘も、夫婦のすれ違いの中でただ泣いている。 やっぱり小さい子たちが辛い目にあう状況は、胸に痛い…
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