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それどんな商品だよ! 本当にあったへんな商標 文庫ぎんが堂
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | イースト・プレス |
発売年月日 | 2013/10/02 |
JAN | 9784781670973 |
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株式会社龍角散が1988年に商標登録を行った“のどちん子”、よっちゃん食品工業株式会社が“甘栗むいちゃいました”に対抗した“ボク、はだかになっちゃいました。”、任天堂株式会社がWiiを商標出願する際にMiiやBiiなど他の頭文字も行った抜かりなさ、ゲーム『カードヒーロー』に出てく...
株式会社龍角散が1988年に商標登録を行った“のどちん子”、よっちゃん食品工業株式会社が“甘栗むいちゃいました”に対抗した“ボク、はだかになっちゃいました。”、任天堂株式会社がWiiを商標出願する際にMiiやBiiなど他の頭文字も行った抜かりなさ、ゲーム『カードヒーロー』に出てくる架空の会社“何天堂”を商標登録したこだわりが印象的だ。
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※このレビューにはネタバレを含みます
企業などがブランド名や商品名を独占するために取得申請するのが「商標」です。知的財産の一種にあたる。商標が登録されると、他の企業や個人などがその名称を営利目的で使用できなくなります。無理に使用すると訴えられて賠償金を支払うハメになることも。本書はそんな「商標」のなかから珍名なものを集め、「それってどんな商品なんだ!」と想像力逞しくあれこれ書きたてている本です。 名称をみるたびに「いやいや、またなんでこんな……」という可笑しい気持ちになり、続く短い小見出しが絶妙に笑いへと繋げる文言で「ぶっ!」吹いてしまうことが何度もありました。たびたび添えられる漫画家・和田ラヂヲ先生のシュールな挿絵の効果もあって、娯楽のB面街道のど真ん中を闊歩する感じで楽しく読めました。 「コードレスコード」。コードの無いコード。販売員が何かを持っているかのようにした空っぽの手をみせて、「これがコードレスコードです!!1000円です、お得ですよ!!」などとやったのでしょうか。本書によると、実際はコード類や家電ではなかったようだ、とあります。で、商品そのものは明かされず、とても気になりつつも正体が何なのか諦めるほかありませんでした。 「草刈機まさお」。却下されなかったそうです。社長の鶴の一声で商品名になったとか。こちらの会社の商標は他にもあと二つの珍名商標が収録されていました。 「頭強大学」。とうきょうだいがく、と読みます。略して、とうだい。コーヒーかココアの商標らしいのですが、「コーヒーは頭を良くする」という俗説があるため、こういうネーミングがされたのではないかとありました。すごい力のある名前ですよね。もう、恥知らずなのを遠く飛び越えている感があります。 といったような商標の数々が紹介されています。各章末の、商標の歴史を真面目に追ったコラムもおもしろかったです。 こういった珍名には、ひとときだけでも儲けようとするためのパロディ(というか、便乗もの)もあります。たとえば缶コーヒー・BOSSの名前とデザインをもじった、BOZUというTシャツを僕も見たことがあります。しかし、そういった「金儲けのためならなりふり構わず」的なものを含めても(件のBOZUは出来が良くておもしろいと思っていましたが)、人々の苦心のあとが見受けられます。ネーミングのアホさ加減にだって、陰には汗が光っています。 スマートな商標がメジャー性をもって巷に広まっていき、やがてその名称が定着して人々は特定の商標をふつうに感じるようになっていきます。でもそれらばかりではなく、いまいち流行に乗らなかった商標たちがそれ以上にたくさんあります。それら陽の目を見なかった商標たちの内部には、人間の面白さや憎めなさ、狡さやセコさの匂いがぷんぷん宿っているものだと今回じゅうぶんに知ることができました。つまり商標っていうものには濃密な人間臭さが詰まっている。そして人間の匂いがより際立って漏れ出しているのが、本書に収められたたくさんの「珍名もの」なのだと思います。そういう意味では、本書は人情の本でもあるでしょう。落語の世界に通じるところだってあるかもしれません。
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