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皆川博子コレクション(4) 変相能楽集
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 出版芸術社 |
発売年月日 | 2013/09/26 |
JAN | 9784882934431 |
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皆川博子コレクション(4)
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商品レビュー
3.7
5件のお客様レビュー
氏の著作としてはいささか異色とも言える、探偵物の連作。 ホームズ&ワトソンのように輪郭は鮮明ではないがバディっぽい枠組みが敷かれ、津原泰水氏の伯爵ものや道尾秀介氏の真備ものを脳内で少し重ね合わせてみたり。 と同時に、皆川博子氏が実に多作だということが改めてよく分かる。 人...
氏の著作としてはいささか異色とも言える、探偵物の連作。 ホームズ&ワトソンのように輪郭は鮮明ではないがバディっぽい枠組みが敷かれ、津原泰水氏の伯爵ものや道尾秀介氏の真備ものを脳内で少し重ね合わせてみたり。 と同時に、皆川博子氏が実に多作だということが改めてよく分かる。 人形の五郎の存在意義が、その出自や役割含めピンと来ず、そこは少し残念。 PART 2として収録された"変相能楽集"は、戯作の脚本のような体裁の台詞回しが小気味良いリズムで綴られ、軽やかかつ鮮やかに時代を超越する物語と相まって、日本語に備わる魅力を存分に味わうことができる。 古川日出男氏もひょっとしてここに耽溺したのでは? などと夢想するのは突飛がなさ過ぎか。 神話の時代の物語を礎に、現代と薄気味悪く調合した前衛演劇の如き「冬の宴」が強く印象に残る。
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変相とは、仏教絵画の一種で、浄土や地獄の様子を絵画的に描いたもの・・・だそうですが、本作もその様相をまさに。能楽集という銘打ち通り、日本文化に根付いたテーマが随所に散りばめられております。カメオの狐も、日本人女性の美と思うと納得・・・。 顔師・連太郎と五つの謎シリーズは、皆川先...
変相とは、仏教絵画の一種で、浄土や地獄の様子を絵画的に描いたもの・・・だそうですが、本作もその様相をまさに。能楽集という銘打ち通り、日本文化に根付いたテーマが随所に散りばめられております。カメオの狐も、日本人女性の美と思うと納得・・・。 顔師・連太郎と五つの謎シリーズは、皆川先生にしては珍しい探偵小説。しかしてその実態は、ただの探偵な訳がなく。 「春怨」女の怨みはかくも恐ろしく浅ましい。けれどそれよりも怖いのは、女そのもの。 「笛を吹く墓鬼」諦めても諦めきれぬ、仇討ちきれぬかなしい恋人。 「ブランデーは血の香り」連太郎さん、ウィーンへ。百合の香りもほのかに漂う、恋した男への恨み辛み。 「牡丹燦爛」皆川先生の日本舞踊もので男色ネタがない訳がなかった。しかし鴻さん・・・あんた・・・。でも自ら命を絶つ罪な男といえば、皆川文学のテーマだったな・・・と再確認。 「消えた村雨」お前も鴻さんに惚れてたんかーい、という読者の声が聞こえる・・・聞こえるぞ・・・。でも鴻さんと連太郎のつかず離れず互いを真では一番に思い合ってる男と男・・・みたいの、いつもの皆川先生節だったな・・・。 「変相能楽集」それぞれ日本舞踊のエッセンスを染み込まされた短篇集。 「景清」妖櫻記っぽい雰囲気が好きだったな・・・なんともいえないやるせなさといい・・・暗ぼったい罪の意識といい・・・。 「幽れ窓」正気なのは誰なのか、否、誰一人正気などとうに捨てている。皆川先生の十八番、狂乱物。 「夜光の鏡」女に、囚われている。女も、男も。 「冬の宴」皆川節の真骨頂ともいえる、多種多様な引用を豪華絢爛乱れ撃ち。うーん、教養が足りない・・・。 「青裳」彼女はとうに、あちら側に引き込まれていたのだ。これも一種の狂乱物というのかしらん。女という女はすべからく、どこかで繋がっている。 「禱る指」指先を色染め、炎に染めた叔母は、甥である彼の運命をも染め上げるのか。 「メリーゴーラウンド」記憶の彼方にあるものが、真実でありまぼろしであり、彼女が誠に欲し欲されたものだったのだ。 「青眉」出た!皆川先生お得意の死を選ぶ弟と追い詰めた姉ものだ!と思いきや一筋縄ではいきません。 「朧舟」まあ当然のように犯人分かりませんでしたよね(堂々)いつもの皆川節も、こういう懸賞ミステリ企画で読むと、なんだか一興だわ・・・と時代を感じる逸品。80年代のミステリってゴージャスだったんだな・・・。
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日本の伝統芸能をテーマにした作品が主に収録されています。どれもこれもが耽美な雰囲気でいっぱい。 お気に入りは「顔師・連太郎と五つの謎」。五編の連作ミステリで、これで完結している形だけれど。もっと読みたいと思わされました。特に「牡丹燦乱」の真相は、連作として読んできたからこそ衝撃的...
日本の伝統芸能をテーマにした作品が主に収録されています。どれもこれもが耽美な雰囲気でいっぱい。 お気に入りは「顔師・連太郎と五つの謎」。五編の連作ミステリで、これで完結している形だけれど。もっと読みたいと思わされました。特に「牡丹燦乱」の真相は、連作として読んできたからこそ衝撃的でした。
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