瞳のさがしもの メディアワークス文庫

入間人間(著者)

• 販売会社／発売会社: アスキー・メディアワークス/角川グループパブリッシング
• 発売年月日: 2013/09/25
• JAN: 9784048919999

商品レビュー

2022/01/26

「片思い」をテーマにした短編五編を収録しています。

「静電気の季節」は、著者の作品らしい男女の会話がふんだんに盛り込まれていて、個人的にはもっともたのしく読めました。バスに乗っていた少年と少女が事故に遭い、それぞれ片目をうしなう大ケガを負ったものの、奇跡的に助かります。少年は、少女に告白を試みたものの、彼女のほうはそれが恋ではなく仲間意識だと彼に教えます。

「にゃんと素敵にゃ」は、「とこぶし」という名前の飼い猫が主人公の物語です。彼は、飼い主の少女の恋が破れる場面に居合わせることになり、複雑な思いをあじわいます。

このほかの短編は、なんらかのかたちで「目」がテーマになっています。ややグロい描写を含んでいるので、その方面に耐性のない読者にはあまりおすすめはできません。わたくし自身もあえて積極的にそうしたシーンを求めるような趣味ももっていないので、たぶん読み返すことはないかと思います。

2020/12/02

「ひかりの消える朝」★★★
「静電気の季節」★★★　
「みんなおかしい（ぼく含む）」★★
「瞳のさがしもの」★★★
「にゃんと素敵にゃ」★★

2019/05/03

「ひかりの消える朝」
情景描写が、とても良かった。思春期のヒリヒリした感じ。グロい描写もあるけれど、意外と「なんかフツーに綺麗にまとまった」感アリな一作