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お別れの音 文春文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
| 発売年月日 | 2013/09/03 |
| JAN | 9784167838744 |

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商品レビュー
3.2
18件のお客様レビュー
日常の中の忘れてしまいそうな些細なエピソードを大切に掬い上げたような6つの短編。 淡々とした文章だけれど、引き込まれて読んでしまっていた。 「うちの娘」 ついつい気になる人っているよね。そしてその人の人物像や背景を勝手に考えたりして。けれども実際は接点を持たないことの方が多いか...
日常の中の忘れてしまいそうな些細なエピソードを大切に掬い上げたような6つの短編。 淡々とした文章だけれど、引き込まれて読んでしまっていた。 「うちの娘」 ついつい気になる人っているよね。そしてその人の人物像や背景を勝手に考えたりして。けれども実際は接点を持たないことの方が多いかも。「思い込み」って時に人を不快にさせたり、恐怖や怒りを与えかねないから気をつけようと思った… 「ニカウさんの近況」 取引先とのメールで、本来入らないメールにCCに入ってしまってて、でもCCだからあえて間違ってますよ、とも言わないのあるある。でもこういう私信的メールではないかな。そんなメールから繰り広げられる話。世界中で起こっているのかな、と思った。 「二度とその名前を思い出さない人たち」「いたるところで忘れられているんだろう」仕事だけでなく、人生はそんなことの繰り返し…私の名前もそんなふうに誰がの記憶から抜けたり、ふとした拍子に思い出されたりすることもあるんだろうな。 「役立たず」 これだけ毛色が違う。ちょっとミステリー。怖い。 「ファンビン家の思い出」 私もお腹壊しやすいので、腹痛の様子の描き方がなかなかリアルで過去の腹痛エピソードがズルズル出てきた。イテテ。
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青山七恵さんの六編の短編集。単行本は2010年に第一刷発行でした。 『お別れの音』というタイトルが、とても好きな感じで、手に取りました。 お別れと言っても、この本で描かれているものは、長年親しい人とのものではありませんでした。一緒に仕事をしていた人、靴の修理をしてもらった人、...
青山七恵さんの六編の短編集。単行本は2010年に第一刷発行でした。 『お別れの音』というタイトルが、とても好きな感じで、手に取りました。 お別れと言っても、この本で描かれているものは、長年親しい人とのものではありませんでした。一緒に仕事をしていた人、靴の修理をしてもらった人、職場で気になった人、記憶にないのにメールを送ってくる人、さほど話をしたことがなかった大学の同級生、旅先でお世話になった人とのお別れです。こういうのもお別れというのなら、毎日色々な人と出会っては、別れているなと思いました。どこかでこんな感じのことが起きてる、そんな話の数々でした。私は淡々とした生活のなかでの出来事が描かれた小説も好きなので、この本はとても好みでした。それにしても、人の気持ちは、難しいですね。ひとりよがりにならないよう、気をつけたいと思いました。 「新しいビルディング」 「お上手」 「うちの娘」 「ニカウさんの近況」 「役立たず」 「ファビアンの家の思い出」
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過去を「日常」という道として振り返るとき、そこにあったはずの起伏やひび割れや分岐は、「日常」という言葉によって平坦で起伏のないダラダラと続く一本の道のように平されてしまっている気がする。そうやって「日常」に覆い隠されてみえなくなってはいても、過去のそこかしこには、小さな、感情の揺...
過去を「日常」という道として振り返るとき、そこにあったはずの起伏やひび割れや分岐は、「日常」という言葉によって平坦で起伏のないダラダラと続く一本の道のように平されてしまっている気がする。そうやって「日常」に覆い隠されてみえなくなってはいても、過去のそこかしこには、小さな、感情の揺れやあきらめ、それらに由来する言動や決断は絶対にあったはずで。そんな「日常」に隠されてしまった小さくて歪な、だからこそ忘れてしまっているような部分を大切にすくいあげ、丁寧に物語ったような短編小説たち。特に冒頭にある「新しいビルディング」という一編。 その短編を読み進めるうちに、わたしの日常の端も少しだけめくられる。この短編集でも書かれる「心地の良いあきらめ」や「調和しないタイミング」、しっくりこない世界との関係。少しずつ失ってしまったものたち、意識していなかったような別れがわたしの「日常」にもやはりあったのだった。それらは隠されてみえないままでも良かったのかもしれないけれど、思い出し気付いたのなら、今のわたしに影響を与えたはずのそれらをもう一度抱きしめて、今度は大切に覚えておきたい。この短編集を読んだこと、そこで感じたり考えたりしたこと一緒に。そんなことを思った。
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