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インディアスの破壊についての簡潔な報告 岩波文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2013/08/22 |
JAN | 9784003580011 |
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インディアスの破壊についての簡潔な報告
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16世紀の大航海時代におけるスペイン人のひたすら残酷なアメリカ侵略というか、今でいうならジェノサイドの状況について、キリスト教伝道師ラス・カサスが国王に報告し、その改革を促したもの。 延々とつづく極悪非道な描写は、事前の想像をはるかに超えるもので、この本の記述によると2,000...
16世紀の大航海時代におけるスペイン人のひたすら残酷なアメリカ侵略というか、今でいうならジェノサイドの状況について、キリスト教伝道師ラス・カサスが国王に報告し、その改革を促したもの。 延々とつづく極悪非道な描写は、事前の想像をはるかに超えるもので、この本の記述によると2,000万人以上のインディオスが虐殺されたことになる。 人数については、やや誇張気味の傾向はあるようだが、全くおかしいというわけでもなく、1,000万人以上が亡くなったのではないかという推計もあるようだ。 近年の歴史的な研究では、インディオスの死はかなりの部分、ヨーロッパ人が運んできた疫病(ヨーロッパ人は免疫がある)によるものとされているが、この報告ではインディオスの死者は全て虐殺によるものという書き方になっている。 当時の知識、そしてインディオスの虐殺や奴隷化の禁止を訴えるという本書の目的からするとそれは仕方ないことなのかもしれない。疫病もスペイン人が侵略せず、インディオスを強制労働させなければ、ここまで深刻化しなかっただろうと考えることができるし。 つまり、スペインによるラテンアメリカの侵略は、ナチスのホロコースを凌ぐジェノサイドであった可能性が高いということになる。 残虐行為の記述の連続に読み通すことがなかなかつらい気持ちになったが、これらの人非人な行為については、だんだんと必ずしも誇張ではなく、おそらくそうしたことが起きたんだろうなと思えてくる。なぜならば、ここに書いてあるような行為は、ホロコーストの記録などでも出てくるからだ。 そして、こうしたことは、第二次世界大戦後、そして現在進行形でも繰り返されているわけで、人間という存在の持つ底知れぬ残酷性を改めて感じる。もちろん、こうした状況の中でも、それに対抗するラス・カサスのような人物も現れるし、さまざまな形で抵抗、抗議する人もいるという希望は常にある。 これは人類の残虐性に関する記録であるだけでなく、16世紀にヨーロッパが世界に進出する中で生じた資本主義という世界システムの起源でもある。このシステムの始原には、マルクスのいう原始的蓄積として、こうした残虐が行為がなされたということ。そして、そこにはレイシズムが存在していたということが身に沁みた。 スペイン人がインディオスを虐殺、あるいは奴隷化し、金や財宝を収奪したというこの本に描かれた世界の後、黒人をアフリカから連れ出し、生かさず殺さずの奴隷労働がシステム化されることになり、原始的蓄積が進むことになる。 スペイン中心の世界システムは、徐々にオランダやイギリスに移っていく過程で、それらの国において、反スペインの運動にこの本は利用されるわけだが、スペイン後の世界システム、つまり帝国主義において、残虐性がどの程度改善したのかは、よくわからない。 歴史的な正確性を求めてはいけないが、この本はいわば資本主義の原罪を記録した歴史的文書として、ある意味、今、私たちがいる世界を考えるための必読書だと思う。
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コロンブスによるアメリカ大陸の発見後、キリスト教化を名目に多くのスペイン人が入植した。その中の一人、スペイン人宣教師ラス・カサスは現地でスペイン人による凄惨な虐殺を目撃する。本書はラス・カサスがその事実を告発するために記録したものである。 まず何よりも、ここに記されている記録は...
コロンブスによるアメリカ大陸の発見後、キリスト教化を名目に多くのスペイン人が入植した。その中の一人、スペイン人宣教師ラス・カサスは現地でスペイン人による凄惨な虐殺を目撃する。本書はラス・カサスがその事実を告発するために記録したものである。 まず何よりも、ここに記されている記録はあまりにもおぞましい。老若男女を問わず行われる凄惨な暴力と拷問、人を人とも思わない数々の行為は、時代が数百年違うとはいえ、ここまで残酷なことができるのかと恐ろしくなる。しかし、それが人間の現実なのだろう。2024年の現在でもリアルタイムで虐殺が起きており、SNSで子どもの死体がタイムラインに流れてくることを考えると、その恐怖は現代にも通じるものがある。 ちなみにアメリカでは、多くの州でコロンブスデーが廃止され、『先住民の日』に置き換えられている。今やコロンブスは侵略や虐殺、奴隷制による搾取のきっかけを作った人物と見なされており、偉人としての扱いはされていないようだ。
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銃・病原菌・鉄に出てきたので、図書館で見つけて読んだ。なぜか「戦争は女の顔をしてていない」に続けてハードなものを読んでしまった。ショッキングすぎるので心に余裕があるときでないと勧めない。 なんでこんなひどいことができるのか理解出来ない。 征服者側からしたって、わざわざここまでし...
銃・病原菌・鉄に出てきたので、図書館で見つけて読んだ。なぜか「戦争は女の顔をしてていない」に続けてハードなものを読んでしまった。ショッキングすぎるので心に余裕があるときでないと勧めない。 なんでこんなひどいことができるのか理解出来ない。 征服者側からしたって、わざわざここまでしなくたって効率よく利益を享受する手はあったんじゃないか。 そもそもゴロツキが派遣されていたのだろう。 宣教という名目があって良心的な修道士がいただけ救いだ。 魂の救済という言葉が白々しく感じられる 虐殺と並ぶ程度に、布教が道半ばに終わったことが罪だとされているかのような記述が気に入らない これを読み終わってもう一度銃・病原菌・鉄を読もうかとも思う。
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