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戦争論 われわれの内にひそむ女神ベローナ りぶらりあ選書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 法政大学出版局 |
発売年月日 | 2013/08/12 |
JAN | 9784588022715 |
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商品レビュー
4.4
6件のお客様レビュー
現時点での今年最大の収穫ともいえる1冊。戦争の本質にせまる研究を日本の著作ではみたことがない。日本ではただ「戦争は反対」と叫ぶことしかない。なぜ戦争が起きるのか、その根源を考えるときこの歴史的および社会学的な視点を見ないと、極端なところ、戦争はいけないが正義のための暴力は許される...
現時点での今年最大の収穫ともいえる1冊。戦争の本質にせまる研究を日本の著作ではみたことがない。日本ではただ「戦争は反対」と叫ぶことしかない。なぜ戦争が起きるのか、その根源を考えるときこの歴史的および社会学的な視点を見ないと、極端なところ、戦争はいけないが正義のための暴力は許される、ということになりかねないと思う。
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「護送船団は最も船足のおそいものに合わせて進むのだが、国際社会は最も攻撃的な国に歩を合わせて進まねばならない。…最も専制的で最も社会化された国が、他の国ぐにを引っ張ってゆくことになる」 戦争と祭りの共通点、民主主義が進展するにつれ徹底的で熾烈になってきた戦争。
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「100分de名著」に刺激されて読んでみる。 著者によれば、そもそも国家の始まりは一つの人間集団が他の人間集団を支配するところから始まり戦争の種が内在している。貴族の仕事であり勇気と正々堂々が重んじられた戦争が、民主主義により平等に市民の権利と義務になり、科学技術をともなって大規...
「100分de名著」に刺激されて読んでみる。 著者によれば、そもそも国家の始まりは一つの人間集団が他の人間集団を支配するところから始まり戦争の種が内在している。貴族の仕事であり勇気と正々堂々が重んじられた戦争が、民主主義により平等に市民の権利と義務になり、科学技術をともなって大規模無差別化していったという指摘は恐怖そのもの。戦争によって賭けられているものが部分ではなく全体であり一国民の存亡がかかるため、慈悲も容赦もない。まさに現在、そのような戦争が起こっているではないか。 学生の時に「パンツを履いたサル」で紹介された過剰蕩尽論で、祭りと戦争の共通性に衝撃を受けたけれど、著者はさらに進めて、祭りは合体して一つになろうとする蕩尽行為であるが、戦争は合体はなく破壊と殺戮であるところの違いを指摘。競争心が友愛の精神を圧倒してしまった国家。知ること理解することを拒否して断絶してしまったら、人間と現代の国家に組み込まれた本性によって戦争は間違いなく起こってしまうではないか。しかも、高度化した技術によって大規模破壊を目的とする戦争の犠牲者に軍人と一般市民の差別はない。一般人も殺されるというのではない。チャーチルが既に言った通り「一般人の士気は軍事目標である」。こんな戦争に、悲人道的だとか戦争犯罪だとか、なにかルールがあるようなことを強調して一方の国を非難するのはもはや茶番ではないか。 現代の戦争には人間的な意味での原因はもうあり得ないとも指摘。制御の効かない巨大な惰性、おそるべき重みによって流されていくと考察している。解決策は人間の教育から始めることが必要であると説いているけれど、その教育もプロパガンダまみれ。 戦争が人間と国家に組み込まれた宿命である以上、日本も例外ではない。どこどこの国はとんでもないと悪口を広めたり、大使館員を追放とか断絶をし始めた時点で、国民自らが戦争に一歩前進しているということを自覚しなければならないと思った。力や経済による制裁では戦争は止められないことも体感している。過剰蕩尽の馬鹿騒ぎでいいから、合体できるお祭りができればいいな。理解を拒絶する断絶はダメだ。
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