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澁澤龍彦訳 暗黒怪奇短篇集 河出文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
| 発売年月日 | 2013/08/05 |
| JAN | 9784309412368 |
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澁澤龍彦訳 暗黒怪奇短篇集
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商品レビュー
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本のタイトルは仰々しく重苦しいが、 中身は意外に肩の力を抜いて楽しめる軽さ(巻頭作以外)。 恐怖より黒い笑いの比重が高い。 以下、全編についてネタバレなしでサクッと。 ■グザヴィエ・フォルヌレ「草叢のダイアモンド」 廃屋で逢引きを繰り返す恋人たちを襲った悲劇を見つめていたのは...
本のタイトルは仰々しく重苦しいが、 中身は意外に肩の力を抜いて楽しめる軽さ(巻頭作以外)。 恐怖より黒い笑いの比重が高い。 以下、全編についてネタバレなしでサクッと。 ■グザヴィエ・フォルヌレ「草叢のダイアモンド」 廃屋で逢引きを繰り返す恋人たちを襲った悲劇を見つめていたのは 物言わぬ蛍の光。 ■バルベエ・ドルヴィリ「罪のなかの幸福」 老齢の医師トルティ博士と連れ立って動物園を散策していた 語り手の前をよぎった、見目麗しい中年カップル。 彼らを知っているという博士は、 美しい伯爵夫妻の結婚までの経緯を語った。 罪を犯しても添い遂げようとし、 しかも一片の罪悪感すら持ち合わせない 超然たる美男美女について。 ■ジャン・ロラン「仮面の孔」 友人から仮面舞踏会へ行こうと誘われた語り手は ドレスコードに従って準備を整え、迎えを待っていた。 すると……。 ■ジュール・シュペルヴィエル「ひとさらい」 子供を望んでいるが授からない夫婦、 南米出身のフィレモン・ビガ大佐と妻デスポゾリアは、 貧しい親によって動物園に置き去りにされた 双子の兄弟を連れ帰ったのをきっかけに、 家庭環境が複雑そうな子供を攫っては家族を増やしていた。 大佐は自らミシンで子供らの服を縫い、 周囲のフランス人がせっせと避妊することに憤り、 立派な父たらんと身構えるが……。 * 地位も名誉もあり、 裕福で私生活にも恵まれた男の心に魔が差して、 転落の一途を辿る ナボコフ『カメラ・オブスクーラ』(1932年)を 思い出した。 ■アンドレ・ピエール・マンディアルグ「死の劇場」【再読】 車で一人、イタリアを巡る男が、 風変わりな事物に出会す長編『大理石』中の一エピソード。 絶命間際の女性を舞台に上げ、 息を引き取る瞬間を見物する悪趣味な慣習について。 人々の熱狂に鼻白む語り手の様子から、 旅人は傍観者以上の存在に成り得ないという 諸星大二郎のSFシリーズ「遠い国から」を連想した。 ■レオノラ・カリントン「最初の舞踏会」 クスッと笑える、とぼけた味わいの掌編。 社交界デビューしたものの、 自宅で開かれるパーティを嫌がる娘の奇策、 その協力者とは……。
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澁澤龍彥氏のセレクション及び翻訳によるフランス短篇小説のアンソロジー。ジュール・シュペルヴィエルの「ひとさらい」が読みたくて手に取りました。ロリータコンプレックスを取り扱った作品という意味では男性の暗黒面を描いた作品ですね。ラストはあわれというかなんというか…。「草叢のダイアモン...
澁澤龍彥氏のセレクション及び翻訳によるフランス短篇小説のアンソロジー。ジュール・シュペルヴィエルの「ひとさらい」が読みたくて手に取りました。ロリータコンプレックスを取り扱った作品という意味では男性の暗黒面を描いた作品ですね。ラストはあわれというかなんというか…。「草叢のダイアモンド」は幻想的な作品、「死の劇場」は死のイメージが重苦しく、「最初の舞踏会」は大人のための残酷童話でした。あくまで澁澤龍彦流「暗黒怪奇」なので、どの作品も一筋縄ではいかない内容です。そしてフランス文学のエスプリが感じられる翻訳です。
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以前、シュペルヴィエルの「海に住む少女」を読んで、その面白さに感動。 そしてあの澁澤龍彦がシュペルヴィエルの「ひとさらい」を翻訳しているのを知り、その存在をあちらこちらで訊ねまわった。 結局は澁澤龍彦全集にしか収録されていないと知り、これまたあちらこちらの図書館を訊ねま...
以前、シュペルヴィエルの「海に住む少女」を読んで、その面白さに感動。 そしてあの澁澤龍彦がシュペルヴィエルの「ひとさらい」を翻訳しているのを知り、その存在をあちらこちらで訊ねまわった。 結局は澁澤龍彦全集にしか収録されていないと知り、これまたあちらこちらの図書館を訊ねまわったのに結局は出会うことが出来なかった。 そんな「ひとさらい」が今回、本邦初文庫化として発売されたのが本書。 ただし最近、シュペルヴィエルの「ノアの方舟」を読み、それほどに面白くなかったので、あれだけ大騒ぎして探していた作品なのに、果してどう転ぶのか、ほんの少しの不安を抱きながら読んだ。 本書には全6篇の短編が収録されているのだが、ほぼ半分をこの「ひとさらい」が占めているので、実際には「ひとさらい他5編」的な扱いでも問題ないように思える。 かといってその「ひとさらい」以外の5編がつまらないかというと、それぞれに怖くもあり、コミカルでもあり、中には「おいおい(苦笑)」といった作品もあり、読み応えはある。 さて、その「ひとさらい」。 めちゃくちゃに面白かった。 「面白かった」という表現が適切かどうか判らないが……何故かというと読後感は決して良くはないからだ。 いやいや、人によってはこれほどにコミカルな作品はないのだろうが、人によっては(つまり僕にとっては)読み始めから始終、不安感に苛まれ、ドキドキ・ビクビクしながら読み進めることになると思う。 とある退役大佐が、誘拐してきたり、その子供の親に依頼された何名かの子供と自分の邸宅で一緒に暮らすという話なのだが、年甲斐もなく一緒に暮らしている少女に恋をしてしまう。 結局なんだかんだでこの恋は上手くいかず(上手くいくはずもなく)悲劇的な最期を迎えるのだが、とにかくこの退役大佐がすごい。 とんでもなく自意識過剰であり、優柔不断であり、おまけにとことん自虐的な人間ときている。 血液型占いでいえば、まぎれもなく典型的なA型人間。 ほんのささいなことを、まるでこの世の終わりがきたかのように悩みまくる。 まぁ、僕もA型人間なので、変にこの退役大佐に肩入れしてしまうと、前出のようにドキドキ・ビクビクしながら読み進めることになってしまう。 この退役大佐の人間性をどうとらえるかによって、たまらなくコミカルな話だと捉える人も必ず出てくると思う(漫画チックな人間ともいえるかも知れない)。 それにしても、よくまぁこんな内容の話を書いたなぁと感心してしまう。 「ノアの方舟」は今ひとつだったけれど、シュペルヴィエルという作家はやはり非常に気になる存在だ。 「ひとさらい」以外の5編だけであれば、星は4つ止まりなんだけれど、「ひとさらい」の面白さを加味したうえで、星は5つ。
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