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心はあなたのもとに 文春文庫
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心はあなたのもとに 文春文庫

村上龍(著者)

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心はあなたのもとに 文春文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2013/08/06
JAN 9784167190088

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商品レビュー

3.4

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2026/06/24
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※このレビューにはネタバレを含みます

1985年「テニスボーイの憂鬱」が村上龍の青春小説の金字塔だとすれば、26年後の2011年発表の本書は中年純愛小説の名作となった。 家庭にも恵まれ、仕事でも成功者である主人公が、離婚歴のある風俗嬢の香奈子に恋をし、悩み、苦しみ、迷い、喪い、涙する。 最初、風俗嬢を続ける彼女との関係性に違和感を感じた。なぜなら彼にとって、彼女の生活費の支払いは彼のポケットマネーで十分賄えるはずだったから。実際、その後の彼女の家賃や授業料や入院費などを振り込んでいる。つまり彼女が風俗店で働かなくても生活できるお手当てを支給すれば済むこと。あえて働かせたのは、万が一別れた後にも彼女が自立できる様にという話だったが、そのことで彼女と他の男との影でも悩むことにもなるのだが…トホホ その後、彼女は1型糖尿病を発症し、体調が万全ではないが日々を前向きに生きるため水商売の傍らあえて専門学校に通うようになる。しかし、体調が悪いまま入退院の繰り返しが続くことになる。 本書は、2004年3月18日の香奈子の携帯メール「姉が亡くなりました」という彼女の弟からの返信で始まる。 つまり読者は、香奈子の死をあらかじめ知った上で、物語は2001年10月26日のメールのやり取り(全643通!)にまで遡ってスタートするというメール軸の構想が秀逸。 そして2年5ヶ月の間に二人で作った様々な思い出話の後、香奈子の死を知らされて彼が思ったこと。 「香奈子に対して関与できることがもう何もなくなったという無力感と喪失感があり、同時に、もう関与しなくて済むという残酷な安堵感が小さな泡の様に浮かび上がってきた。もう香奈子が一人で部屋で昏倒しているのではないかと不安になることもない。だが、その安堵感は、皮膚を深く引き裂くような痛みを伴っていた。喪失感や無力感よりも、その安堵感の方が辛かった」  お金でコントロール(関与)出来ると高を括った遊びの恋愛が、いつしか本当の愛となり、周りも羨む成功者が、風俗嬢に心を乱され右往左往する様はある意味滑稽だが涙を誘う。 本書で展開されるワインや料理の知識、ビジネス蘊蓄、上流階層の交友関係などは、大衆消費社会をカタログ的に象徴した田中康夫「なんとなく、クリスタル」を彷彿とさせたのも面白かった。 とはいえ、文庫本600ページは長すぎ、せめて半分に削ればもっと読みやすかったのに… 筆者あとがきで「この物語はフィクションである」とことわったのは、もしかして半分筆者の体験談だったから切るに切れなかったのではという疑惑も…しらんけど。 小池真理子の解説も乙でした~。

Posted by ブクログ

2026/01/24

投資組合の経営者西崎と1型糖尿病を患っている香奈子の二人の、二年半にわたってのメールやり取りとそれぞれの思い出を、読者は追っていく。冒頭で香奈子の死亡が西崎に知らされたが、彼女からのメールは残っていた。二人で一緒に食べたレストラン、日本国内外での旅行、それぞれの立場と心情、将来の...

投資組合の経営者西崎と1型糖尿病を患っている香奈子の二人の、二年半にわたってのメールやり取りとそれぞれの思い出を、読者は追っていく。冒頭で香奈子の死亡が西崎に知らされたが、彼女からのメールは残っていた。二人で一緒に食べたレストラン、日本国内外での旅行、それぞれの立場と心情、将来の見通しや夢など、現代の男女における生き方について考えさせられる作品である。

Posted by ブクログ

2023/12/24

シリアスな病気であっても、確かに人は慣れてしまうものだ。慣れてしまうからこそ、その病気と共存ができるようにもなる。それを誰が責められよう。ただ残念ながら、どうにも身勝手さが鼻について回る。

Posted by ブクログ

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