さいとう・たかを・ビッグ作家 究極の短篇集 ビッグCスペシャル

さいとう・たかを(著者)

• 販売会社／発売会社: 小学館
• 発売年月日: 2013/07/30
• JAN: 9784091850881

商品レビュー

2013/08/02

　ビッグ作家究極の短篇集シリーズもラスト。最後を飾るのはゴルゴ１３で有名なさいとう・たかを先生。

　止まらない人の性。ゴルゴ１３でもそうですが、さいとう先生は止められない人の性を描くのがとても上手い。光り輝き続ける白夜と暗殺者の恋をかけるなんてロマンチックすぎて最高でした。他作品も男と女の性、武士の性、それぞれが立ち止まることができない哀れな人間を描いていて、特に娼婦ナオミ夜話は行き着いた先に待っていた悲しいけれど明日に繋がる結末をラスト３ページで表現していたのが情緒的だった。今もなおゴルゴ１３が描き続けられている理由がわかった作品集でした。

　藤堂三十万石影狩りや牙・・・無用ノ介など殺陣もかっこ良すぎる構図が多かったです。単純なマンガ調の絵もいいですが、やはり劇画調の力強いアクションシーンはド派手にカッコイイと思える魅力があふれています。この短篇集を見ただけでも劇画調の良さがわかる一品でした。今回のビッグ作家究極短篇集シリーズはどの作品も何十年たっても素晴らしいと思える作品ばかりだったのが歴史を感じられて良かったです。マンガの力ってやっぱりすごいと思うんだよなぁ。