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海辺の生と死 改版 中公文庫
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海辺の生と死 改版 中公文庫

島尾ミホ【著】

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海辺の生と死 改版 中公文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2013/07/23
JAN 9784122058163

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商品レビュー

4.4

12件のお客様レビュー

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2025/10/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

夫の小説を読んだから、公平に、妻からの文章も。 プロじゃないから、所詮エッセイだから、と侮っていたが、文体の凄さに驚いた。 ゴーギャンが南洋タヒチの少女を搾取していたのを、島尾敏雄にもつい連想してしまっていたが、浅はかだった。 もちろん契機としては、作家の妻が夫や息子に支えられて記念出版を式の機運があったのかもしれないが、この文章自体の滋味が凄い。 「Ⅰ」と「Ⅱ」で幼少期や少女期の思い出を丁寧に書くが、ここまで記憶が微細であることがまず驚き。 あるいはテレビもスマホもなかった人にとって、旅役者が訪れるのって人生の色どりという以上の、強烈な経験だったのか。 もう想像しきれない。 辛うじて想像の触手を伸ばすなら、ビクトル・エリセ「ミツバチのささやき」における巡回映画「フランケンシュタイン」がアナに与えた影響、くらいの? そんな「Ⅰ」および「Ⅱ」を布石に置いた上で、「Ⅲ」は、後に夫となった島尾敏雄隊長との馴れ初め的な文章なのだが……、まず、「特攻隊長のころ」(だったか「篋底の手紙」だったか)において、戦後一緒になった夫の顔に、島尾隊長の面影を見出せなくなった、と、表面的に見ればノロケ上等なことを書いている。 ここで吉本隆明の解説が効いてくるのだが、男から見れば単に現地の女を見初めたという経験かもしれないが、女からすると、マレビト=カミとの交流に自ら参与した、という意味合いがある、と。 だからこそ、「その夜」のトキメキが、もはや散文詩とも言いたいくらいに切実で、読んでいて苦しいくらいの、ひたむきさ。 ……にして、ただの感動話ではないところが、重層的に面白い点で、このトキメキの先には地獄下りが予定されているわけだ。 いわば特別な場所で特別な出会いをした際の、聖性が、後に失われていく過程が込みの、「死の棘」前史としての文章であることで、このトキメキの意義がいやます。 特別な力は失われ、順当に日常が始まってしまう、ただの生活。 中島らもが、詩は散文に対して垂直に立つ、という稲垣足穂を引用して、詩を恋愛に、散文を日常になぞらえていたのと同じく。 で、この文章は「死の棘」の後に物されたものなので、半生を対象化するためでもあるから、書くこと・演じることへの意識が、ある。 つまり、その都度その都度素朴な感性を書き記したものではなく、ああいう小説を書かれた(あるいは協業した)妻としての、結構冷静な文章でもある。(やっぱりどうしても藤本タツキ「ファイアパンチ」を思い出しちゃう) そのはずなのに、これほどにウブでシナヤカなトキメキを文章化できるって、凄い文章家なのでは。 映画の予習でもあり、本書の解説も寄せている梯久美子の「狂うひと」を読むための準備でもあるが、この文庫自体が、凄かった。 もし、現実の夫の中に、かつて愛した島尾隊長を、ダブらせて見るしかできないって、そんな夫婦生活の恐ろしさって、……と、「死の棘」を読んだときよりも絶望深く。 とはいえ実際は添い遂げたわけだから、やっぱり夫婦それぞれの「演技」(自分に対しても、相手に対しても、読者に対しても)が一段上のテーマになるなじゃないかと予想される。 この予想を手繰りながら、もっと読んでいきたい。 もう一度書いておくが、積読にしている島尾敏雄の本にもまた、「その夜」前後は扱われているみたい。 だが、私は島尾敏雄よりも先に島尾ミホの「その夜」を読んで、ミホ視点の美しい文章に震えたのだと、忘れないようにしたい。 @ 目次:  序文 (島尾敏雄)  Ⅰ  真珠――父のために  アセと幼児たち――母のために   声援   挨拶  茜雲  海辺の生と死   誕生のよろこび   海中の生誕   浜辺の死  洗骨  鳥九題   マキショ   猫とマシキョ   鳥さし富秀   アカヒゲ   ルリカケス   クッキャール   ウイチウジ   フクロウ   マヤとフクロウ  Ⅱ  旅の人たち 沖縄芝居の役者衆  旅の人たち 支那手妻の曲芸者  旅の人たち 赤穂義士祭と旅の浪曲師  旅の人たち 親子連れの踊り子  Ⅲ  特攻隊長のころ  篋底の手紙  その夜  あとがき  聖と俗――焼くや藻塩の (吉本隆明)  解説 (梯久美子)

Posted by ブクログ

2025/04/10

南の島の豊かな自然と神性に裏打ちされた溢れるような美しい日本語でつづられる、失われた日々への祈りがこの本には満ちている。 読書中、ずっとその美しさに飲み込まれ、まるで静かな浦でひとり座ってこの本を読んでいるような感覚におそわれた。 とてもいい本だった。

Posted by ブクログ

2024/12/28

加計呂麻島の特別な家に生まれ育った島尾ミホ。小さな舟でやってくる旅芸人ー沖縄芝居の役者衆とか、支那手妻や踊り子の親子、講釈師、浪花節語りなどーの章が特に興味深く、瑞々しく、装束の細部に至るまで描かれていて引き込まれた。赤穂義士祭の夜の浪曲語りの話は印象的。聡明な少女の姿を想像して...

加計呂麻島の特別な家に生まれ育った島尾ミホ。小さな舟でやってくる旅芸人ー沖縄芝居の役者衆とか、支那手妻や踊り子の親子、講釈師、浪花節語りなどーの章が特に興味深く、瑞々しく、装束の細部に至るまで描かれていて引き込まれた。赤穂義士祭の夜の浪曲語りの話は印象的。聡明な少女の姿を想像してしまう。後半は成長後の、島尾特攻隊との恋バナなのだが、特攻前夜の情報を得て殉職の思いで夜の海岸を伏しながら会いに行ったりして、ドラマチックな陰影この上なく、その激烈さに狂気の芽を感じとってしまうのは、その後の作者の事を知っているからかも知れないな。 読了してしばらくしたら、映画監督の中村佑子さんが「狂い終わる人 島尾ミホ」と言うエッセイを岩波書店の『図書』12月号に書いていて、偶然手に取った。これが島尾とミホの関係も容赦なく照らし出していてとても面白かった。

Posted by ブクログ