怖い本 ベストセレクション ハルキ文庫ホラー文庫

平山夢明(著者)

• 販売会社／発売会社: 角川春樹事務所
• 発売年月日: 2013/07/13
• JAN: 9784758437592

商品レビュー

2024/01/18

ベストセレクションというから期待したんだけど、その割には……という感想。まえがきを読む限り平山さんが選んだわけではなさそうだから、平山さんが選んだベストが読みたかったかなと。
【収録作品】
「頭」「光」「夜の亀」「自殺名所の管理人」「万年止めの三六九番台」「うしろの正面」「夜の漁」「狐三千匹」「遺体捜索」「ピータンの壺」「人氷」「かゆいの」「イヤリング」「看護婦」「水で死ぬ」「建て売り」「大晦日」「ダンボールハウス」「厭な夜」「握り鬼」「返報」「いびき」「軍艦マーチ」「猫が好き」「化けたこ」「残業」「唄うゴミ袋」「自転車おばけ」「よりちゃん」「青テン」「親切」「空回り」「イタ電」「巻き添え」「屋形船にて」「蛇」「トンネル」「秘密」「赤鬼と青鬼」「負の負債」

前に『怖い本①』で読んで怖いと思った「自殺名所〜」と「唄う〜」が入っていたのは納得。もう一度読んでも怖かった。あとは「遺体捜索」「ピータンの壺」「赤鬼と青鬼」はキタなぁ……。グズグズに崩れたのは幽霊でも嫌だよね。特に「遺体捜索」はあまりのグロさに途中で読むの休んだ（笑）。慣れなんでしょうけど、遺体と接するお仕事をなさってる方々は尊敬します、本当に。
平山さんの作品の特徴として人怖な話もあると思うんだけど、「イヤリング」「水で死ぬ」「青テン」「イタ電」「秘密」「負の遺産」なんかはそれに当たる。
でもやっぱり個人的に一番嫌なのは何の咎もないのに酷い目にあってしまう話かな。「巻き添え」はかなり嫌だった。

2023/02/15

2023.2.12読了

いたこ28号さんがYouTube「オカルトエンタメ大学」にて数多ある全ての怖い話の中から「怪談オールタイムベスト20」と銘打ちご自身が思う怖い話ランキングを公開されていて、そのほとんどは既知の有名な話ばかりだったのだが、いくつかの初めて聞く話の中で第17位にランクインされていた平山さんの「自殺名所の管理人」が気になって仕方なく、本書を買った。

怖い話好きの方なら理解して頂けると思うが、ある程度色々読んだり聞いたりすると、かなり類型化されてきて飽きてくる。またそのパターンかと思うことが多くなる。
しかし10年前（2013年）に出版された本書の厳選40話は、あらゆる角度から、浅く深く根源的に抱えている恐怖心を刺激する。そのヴァリエーションの多彩さには、さすが西の新耳袋に対する東の超怖い話を支えてきただけあると唸るほかない。

中でも前述の「自殺名所の管理人」はすごかった。後の「異常快楽殺人」「独白するユニバーサル横メルカトル」「ダイナー」等を生み出す前の平山氏の代表的な話と聞いたので、知ってる人からしたら何を今更と思うのだろうが、初見の自分には期待以上の衝撃的な恐怖だった。ほんの短い話なのにだ。

人から紹介された割りの良いバイトは、自殺の名所として有名になってしまった観光地の切り立った崖地近くに十日間泊まり込み、自殺を未然に防ぐことだった。
住み込む部屋は、飛び込みの発生する崖の下、岩地をくり抜いて作られていた。
一日二日と何事もなく過ぎたが、三日目から怪異が青年を襲う。日毎に悪化していく怪異。そして。。

考えるだに恐ろしい、そんな目に遭わずに暮らせている今を喜びたくなる話だ。怖い話好きで、もしまだ読んだことのない方がいたら、ぜひ読んでみてほしい。

2018/12/25

表紙、怖ッ！なんで眉毛無いねん！まさにベストセレクション。書き下ろし以外は、覚えているもので、怖いの再体験。楽しめました。