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書くことについて 小学館文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 小学館 |
| 発売年月日 | 2013/07/05 |
| JAN | 9784094087642 |
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書くことについて
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商品レビュー
4.3
90件のお客様レビュー
私は小説家を目指しているわけではない。それどころか、小説を書いてみようという気もない。 それなのに、なぜ本書を読んだのか? 理由のひとつは、スティーヴン・キングの作品であること。もうひとつは、文章力を上げるための何かしらのヒントが得られるのではないかと思ったからだ。動機として...
私は小説家を目指しているわけではない。それどころか、小説を書いてみようという気もない。 それなのに、なぜ本書を読んだのか? 理由のひとつは、スティーヴン・キングの作品であること。もうひとつは、文章力を上げるための何かしらのヒントが得られるのではないかと思ったからだ。動機としては前者は好奇心求めてのことで、後者は実益を求めてのことである。期待値は後者の方が大きかった。読了後に期待通りの結果が得られたかどうかは、最後に書くことにして、先に本書の構成を説明しよう。 本書には目次はない。理由はわからないが、キングの作品ということで小説に準じたのだろうか。しかし、明確な区切りはある。便宜上、章立てにする場合は、下記の5つの章となる。 第1章 履歴書 第2章 道具箱 第3章 書くことについて 第4章 生きることについて 第5章 補遺 本書は純粋な実用書ではない。ノンフィクションストーリーの間に、書くことについてのアドバイスが挟まる形となっている。内訳は次のとおりである。 第1章の「履歴書」は、キングの30代後半までの半生が描かれている。第4章の「生きることについて」は、キングが車にひかれた事故の顛末が書かれている。 第2章の「道具箱」は、基本的な文章術について説明している。語彙を増やすこと、文法をおろそかにしないこと、受動態を避けること、副詞をできるだけ使わないことなどである。第3章の「書くことについて」は、作家になるためのアドバイスだ。絶対にしなければならないことは「たくさん読み、たくさん書くこと」。これは当然のことである。このような基礎中の基礎から、エージェントの選び方まで、実践的なノウハウが自分の経験を踏まえて綴られている。 第5章の「補遺」は、3つに分かれている。1つ目が、原稿の見直し作業の実例。2つ目は、ここ3~4年の間(つまり1996年~1999年あたり)に読んで印象に残った本のブックリスト。その数は約100冊である。3つ目もブックリストで、2001年~2009年の間に読んだベスト作品が約80冊リスト化されている。 ノンフィクションストーリーの部分だけではなく、書くことについて指南している部分も淡々とした面白さがある。全体を通して、キングの人生を語っているからであろう。キング・ファンであれば、創作裏話としても楽しめるだろう。それでも本書は、やはり小説を書きたい人に向けて書かれた本である。 キングは、「ものを書くのは、金を稼ぐためでも有名になるためでもなく(中略)幸せになるためだ」と書いている(p358)。純粋に小説を書くのが好きなのである。やはりそういう人が、小説を書くべきだ。 小説を書くのではなく、単に文章力を上げる目的であれば、他書に当たった方がいい。私は文章術の本は何十冊も読んでいることもあり、文章力を上げるヒントはほとんど得られなかった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
近頃の、文士村活動の輪の中で、知人が薦めていた本。すぐに入手はしていたが、ようやく手に取って読み終えた。 タイトルの通り、書くことについて、ということで、作家がその知見を語るものだが、そこは、さすが大御所。巷にあふれるお手軽なHow to本とは異なる。早くそのテクニックを知りたい、コツを伝授してもらいたい、と思って読み始めると、途端に壁にぶち当たるだろう。序盤は、彼の生い立ちなのだから(笑) いろんな点で、よいタイミングで巡り合えたなと思う。ホラー作家という印象が強いし、映画の原作者として認知はしていたが、スティーヴン・キングの著作だからと読んだ作品は一作もない。映画化された作品も、ホラーというジャンルを避けているので、見た作品は少ないのだが、たまたま昨年、『スタンド・バイ・ミー』と『シャイニング』を映像のほうで楽しんだので、少しは作者に親近感も湧いてきていたタイミングだった(もちろん、映画『シャイニング』は、監督のキューブリックが独自解釈を加えたので、スティーヴン・キングは、あとからドラマかなにかで自分の意に沿うよう撮り直したという話は聞いている)。 いずれにせよ、あのスティーヴン・キングの、と思って読めたので、腹落ちは良かった。 そんな来し方行く末を語るような筆致で、随所に物書きとしての心がけ、秘訣、注意点を語るが、特段、珍しいものはない。 たとえば、 “無駄な言葉は省け”だ。私もそのように心がけよう。 創作のアイディアについては、 「われわれがしなければならないのは、そういったものを見つけだすことではない。そういったものがふと目の前に現れたときに、それに気づくことである。」 ゆえに、ストーリーについては、インタビューで問われたとき 「地中に埋もれた化石のように探しあてるべきものだ」 と答えている。これなぞは、仏像を彫る仏師、あるいは彫刻家の誰かも言ってそうな言葉だ(聞いた覚えがある)。 映像化される原作を多く送り出しているだけに、ウケのよい物語を産みだすのは巧いのだろう。本音なのか、虚勢なのか、こんな言葉もある。 「小説の役割は文法の手本を示すことではなく、読者がストーリーを楽しみ、のめりこみ、文章を読んでいることを忘れるようにすることなのだ。」 「おおよその場合、ひとに本を買わせたいという気持ちを起こさせるものは文学的価値ではない。飛行機のなかで気楽に読めるかどうか、読みだしたらとまらなくなるかどうかである。」 それだけを意識して作品を生み出しているのではないとは思うが、大作家をして、それくらいの気持ちで、肩ひじ張らずに書いているのもしれない、と思わせる。 「プロットに重きを置かない理由はふたつある。第一に、そもそも人生に筋書きなどないから。」 この一文は、本書の執筆中に九死に一生の大事故を経験したからなのかもしれない。そのクダリが本書にも収められている。 要は、単純なノウハウ本ではないのだ。またそれが面白かったりもする。 「結末にこだわる必要がどこにあるのか。どうしてそんなに支配欲をむきだしにしなければならないのか。どんな話でも遅かれ早かれおさまるべきところにおさまるものなのだ。」 これは、創作で生み出す作品のことだけではなく、己の人生への達観でもあるかのように読めた。ああしたい、こうもしたい、と、自分の進路を無理に操舵しないほうが良いのかもしれない。 とにかく、大先生をして鍛錬は怠っていないし、やはり多くを読んで、多くを書いているということは分かる。何ごとも日々の積み重ねということだ。 そこは、少しずつでも学んでいこうと思う。 「ドアを閉めて書け。ドアをあけて書きなおせ。」 作品は誰のものか? この金言を胸に。
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スティーヴン・キングのイメージといえばホラーやサスペンス作品が数多く映画化されていて純文学ではなくエンタメ寄りの作家と思っている人が多いと思う。 もちろん、登場人物のリアリティや物語のテンポ感だったり、読者を飽きさせないエンタメを意識した目配せは超一流だ。 ただ、本作を読めば...
スティーヴン・キングのイメージといえばホラーやサスペンス作品が数多く映画化されていて純文学ではなくエンタメ寄りの作家と思っている人が多いと思う。 もちろん、登場人物のリアリティや物語のテンポ感だったり、読者を飽きさせないエンタメを意識した目配せは超一流だ。 ただ、本作を読めば、著者が純文学の作品も含めた多くの読書経験から良い小説、良い文章がどうゆうものか、自身の中で批評基準を培ってきて、それを実践しているのかが分かる。 本書の中心である色々なテクニック的なことは小説を書きたい人だけでなく、読書家にとってもなるほどと思えるもので、色々な本を読む時の参考になると思うので、小説批評論という点でも楽しめる。 作中で著者が賛同している“すべての小説はひとりの人間に宛てた手紙である”という言葉が多くの作家のモチベーションの源泉ともいうべき真理だと思った。そして著者がお金とか名声じゃなく妻のタビサに楽しんでもらえるために小説を書いているのが素敵だと思った。
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