言葉が立ち上がる時

柳田邦男【著】

• 販売会社／発売会社: 平凡社
• 発売年月日: 2013/06/21
• JAN: 9784582836219

商品レビュー

2024/09/03

生きるために、悲しさから逃げない。いつかその意味が言葉になるときを待つ。そっと寄り添う自分と共に。そんなことを思う。言葉や言葉にもならない内にあるもの、自分にしかわかり得ない共時性、全て大事にしたいと思う。

2020/02/29

”言葉への旅に出よう。心に決めた。
いのちの息づかいを映す言葉は、どこから生まれてくるのか。
その言葉が湧き出てくる源は、どこにあるのか。”

そんな語りかけで始まる本著。
「言葉が湧き出てくる泉はどこに」。
そんな問いを持ったことがない。だから、その答を見つけようと、本著を読み進めた。

読む人それぞれに、その答を見いだせるのではないでしょうか。

きっと、誰もが、言葉が湧き出てくる泉を持っているのではないか。ただ、深層に隠されていて、それを言葉として表出できないだけなのではないか。

著者の言葉を借りれば、「読む」という行為が「心の習慣」となって、言葉が蓄えられて、様々な経験をする中で、時至って湧き出てくるのでは。

柳田邦男さんは、やっぱりいいです。

2015/01/09

どうやら
体の隅から隅にまで
（とりあえず）生きて行く為の情報は
行き渡ってはいる様で、
その他、どんな（新しい情報）を耳にしたとしても
大抵、
（ふーん、なるほど、そうなんだ。）
と、つい聞き流し、速攻忘れててしまう傾向にある。

（でも。）と、柳田さん。
（それは、本当に知りたい事ではないからでしょ？
　赤ん坊が初めて触れる世界にびっくりする様な
　何か、をあなたは知りたがっているんでしょう？）
と、見抜かれてしまった。

そして
見せてくれた爆発力ある言葉の群を前に
私は未だにぼぉ～っとしている。

詩、もいい。
短歌、もいい。
名言も、
戯曲も、
映画の中からの言葉も、
死の中から浮かんできた言葉も皆、
しん、と静まり返っていた魂を揺さぶる。

眠ってた思い、が
言葉によって立ち上がる本。