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統合失調症の心理療法 ユング心理学・精神医学・仏法からのアプローチ
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統合失調症の心理療法 ユング心理学・精神医学・仏法からのアプローチ

前田正【著】

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統合失調症の心理療法 ユング心理学・精神医学・仏法からのアプローチ

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 第三文明社
発売年月日 2013/05/10
JAN 9784476090253

統合失調症の心理療法

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2024/10/10
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心の病に対する心理療法について関心をもって、いくつかの本を読んできたが、本書は、新しい観点で、臨床をもとに執筆された本であると思う。特に「統合失調症の」とされているが、記されている内容はすべての心の病といわれるものに通じる内容であると思う。 自らの発想に仏教思想との共通点を見出していたユングの発想を、より発展的に具体化された著書ではないかと思うし、さらに発展的に展開される可能性が潜在する本であるようにも感じた。 本書で取り上げられている心理療法は、ユング心理学に基づくものであり、その概要も簡単に説明がなされている。ユング心理学での心の構造として、表層から深層へ以下の3階層を示しており、それを前提として、「意識」の中心を「自我(エゴ)」、「意識」~「集合的無意識」まで含めたすべての中心を「自己(セルフ)」と定義している。 「意識」 「個人的無意識」 「集合的無意識」 さらに、深層部分の「集合的無意識」の一部が人格化されたものを「元型」と呼び、その代表的なものを紹介している。ユング系の本にはいつも登場する内容である。 ・シャドー(影):意識しているのとは全く反対の部分 ・アニマ:心の深いところにある女性性 ・アニムス:心の深いところにある男性性 ・グレートマザー:心の深層にある母親 ・老賢者:心の深層にいて大いなる英知を授けてくれる ・トリックスター:すべてを破壊し新しいものを作り上げる 本書の冒頭に、5つの統合失調症の臨床例が示され、それらの事例は、簡単にいえば「弱い意識(自我)」が「強い無意識(元型)」の攻めに耐えられず病んでいる姿である。 人は誰しも、「自我」から「セルフ(自己)」に向けて人生を歩むもので、この過程をユングは「個性化の過程(自己実現の過程)」と呼んでいるが、心の調和をもって、これが進められないときに病むようで、その調和の手助けを行うのが「心理療法」であると理解している。 著者は、統合失調症は人間存在の根源に関わる病であるので、生物的・社会的・心理的治療のすべてがバランスよく必要であると述べている。生物的治療というのはすなわち薬物療法、心理的治療というのは心理療法であり、すなわち身体と心の調和を取り戻す治療、そして併せて社会性を取り戻す治療(リハビリ等)の必要性を述べている。 そのうえで著者が着目したのが仏法(とりわけ法華経)の視点であった。仏法には、「色心不二(身体と心は不二である)」という原理や、「依正不二(自身と環境=社会とは不二である)」という原理をそなえており、仏法の視点で治療を行うことは、薬物療法、心理療法の橋渡しとなると述べていた。 また、ユング心理学では、元型の理解に「神話」との関係性が用いられるが、本書では「神話」の変わりに「仏法(とりわけ法華経)」を取り上げている。 ユング自身も仏教に非常な関心をもっており、実際にユングの心の構造は、仏教の九識論などに示されているものと合致していると思われる。 本書では、心理学の視点から、法華経二十八品(28の章)の概説もされているが、法華経は釈尊の己心を説かれたものであり、法華経の中では様々な元型も登場するが、釈尊はその己心の中心=セルフを「仏(十界論のなかでは仏界)」としている。この釈尊の心と万人の心はまた同じであるとする。 従って、仏法の視点で人生を述べるならば、「自我を仏(仏界)というセルフに向けて人生を歩むこと」が、ユングの「個性化の過程(自己実現の過程)」ということだ。 さらに、自我とセルフのギャップに苦しむ統合失調症等の病に対する具体的な取り組みとして、次のように記されている。 ・仏法においては、セルフの象徴である仏が心の中心に据えられることにより、ネガティブにのみ見える統合失調症元型のポジティブな面が布置され、変容することを期待する。そして統合失調症元型のネガティブな面もポジティブな面も統合・調和されていく。 ・セルフを中心に据え、心の自然な流れの布置を期待するために、イメージ療法が有効(まずセルフの自己調節機能によって自然な心の流れを取り戻し、現在直面しているすべての困難が解決し、自他共の幸福が実現したシーンをイキイキとイメージする。次に、すべての苦悩が解決したことをセルフに素直に感謝する)。 これにより治療が進むということは、仏法では「因果俱時」の原理として説き、ユング心理学でいう「共時性」の考え方と合致すると思われる。

Posted by ブクログ