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民俗と民藝 講談社選書メチエ549
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2013/04/12 |
JAN | 9784062585521 |
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民俗と民藝
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民俗と民藝
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柳田國男と柳宗悦という、ともに民衆の暮らしの深くにまでまなざしを注ごうとした二人の思想家について、比較的自由なスタイルで語りつつ、両者に共通する問題意識を浮かびあがらせようとする試みです。 柳田と柳の対談は、前者が民俗学は「経験学」といい、後者は民芸運動を「規範学」だということ...
柳田國男と柳宗悦という、ともに民衆の暮らしの深くにまでまなざしを注ごうとした二人の思想家について、比較的自由なスタイルで語りつつ、両者に共通する問題意識を浮かびあがらせようとする試みです。 柳田と柳の対談は、前者が民俗学は「経験学」といい、後者は民芸運動を「規範学」だということで、ほとんどすれちがいに終わりました。しかし著者は、「私たちのあらゆる現在は、私たちをはるかに超えた過去の持続として存在する」と述べて、民衆の記憶にその根拠を置く柳田の民族学の特徴をさぐろうとします。ここには、『ベルクソン哲学の遺言』(岩波現代全書)で語られることになる著者の思想のひとつの応用例を見ることができるように思います。他方で著者は、民芸にたずさわる人びとのなかに生きる倫理や、木喰にとっての生きられた宗教のあり方に共感を寄せていた柳の思想をとりだそうとしています。ここには、『倫理という力』(講談社現代新書)でトンカツ屋の親父を例に論じられた、生活のなかに根ざした倫理に通じるものがあるように思います。 ただしこうした著者の議論は、ある種の疎外論的な構図に陥ってしまう危険性をはらんでいるように思います。もちろん、丸山圭三郎の高弟である著者がそのことを知らないはずはないのですが、その丸山でさえも「欲動」の概念を疎外から人間本性を回復することとして把握するあやまちから完全にまぬかれていたとはいいがたいように思います。そして著者の議論についても、たとえば柳田の『海上の道』を「〈日本〉という原理の発生」をとらえようとする試みとして理解したり、沖縄への傾倒を示す柳の思想に「本能」を読み取ろうとしているのは、ナイーヴにすぎるのではないかと感じてしまいます。
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民俗学者柳田国男、民藝運動の中心となった柳宗悦。 二人の共通点は、名のある人ではなく民衆に目を向けたということです。 長い歴史の中で取り上げられるのは、何かの改革をしたり、有名な美術品を残した人物がほとんどで、民衆については語られることが多くありません。 けれど、埋もれてしまって...
民俗学者柳田国男、民藝運動の中心となった柳宗悦。 二人の共通点は、名のある人ではなく民衆に目を向けたということです。 長い歴史の中で取り上げられるのは、何かの改革をしたり、有名な美術品を残した人物がほとんどで、民衆については語られることが多くありません。 けれど、埋もれてしまっている民衆の生活にこそ、真に日本らしさというのがあるのだということを発見したのがこの二人なのでしょう。 本の中では二人について交互に語られています。 普通、こういう本ではきっちり章ごとにそれぞれを分けて書く場合が多いと思うのだけど、章の途中から二人の比較になって一方から他方へと話題が変化していきます。 著者が『彼ら二人の仕事をして、輪唱のように歌わせたい』と希望したことによる書き方だと思うのですが、それが面白い。 二人が目を向けた民衆への視点がだんだんと重なってきて、その先に、本来の日本らしさってどんなものだったのかなという問いかけの答えが見えるような気がします。 文章の引用もかなり多いです。 柳田国男、柳宗悦の著書からの引用もかなりあるし、柳田が手本にした国学の元祖である、本居宣長の著書からの引用もかなりあります。 柳田、柳、本居の文体はすごくきれいです。 仮名遣いが今とは違うので、読みにくさはありますが、言っていることも素敵で挙げられている本を片っ端から読みたくなります。 著者の方の書き方もいいなと思いました。 日本らしさ、もっと言えばその地域特有の地域らしさ、そういうものはどんどん希薄になっているような気がします。 伝統的な工芸品はどんどんと廃れていき、日常にある物がなくなることで日本の文化は失われてしまっている。 その傾向は、これからもっと加速するのかもしれない。 日本らしさを失わないために、知ることも一つのできることなのかなと思います。
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柳田國男の民俗学、柳宗悦の民藝運動、それぞれの活動を並行して捉えつつも、その源泉が同じであるとする著者の主張はなるほどなと感じる。そこにはかつて多くの日本人が心の中に持っていた独特の自然観、生命観があるように思う。
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