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椿の海の記 河出文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2013/04/06 |
JAN | 9784309412139 |
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椿の海の記
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商品レビュー
4.3
14件のお客様レビュー
酷暑ビブリオバトル2024 準決勝第1試合 2ゲーム目で紹介された本です。ハイブリッド開催。 2024.8.12
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水俣という土地に宿る魂を呼び覚ますように、書き尽くしたような作品。 そこに行ってみたいななどという軽い感想は受付ない。もうそこに降り立ったように、読者を誘う。
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「苦海浄土」の著者が自分の幼女時代を振り返り、当時の自然や情景、家族や大人たちがどう映っていたかを描いた作品。その圧倒的な感性の鋭敏さ、類いまれな描写力に驚嘆させられるというより、自分の読解力が及ばず、ついていくのが困難だったというのが正直な感想である。巻末の解説にあるように、こ...
「苦海浄土」の著者が自分の幼女時代を振り返り、当時の自然や情景、家族や大人たちがどう映っていたかを描いた作品。その圧倒的な感性の鋭敏さ、類いまれな描写力に驚嘆させられるというより、自分の読解力が及ばず、ついていくのが困難だったというのが正直な感想である。巻末の解説にあるように、この本を読む上で大事なのはゆっくり読むこと。今の世に流布しているような、速く読むことを前提に書かれた本とは対極にあると言える。 舞台は昭和初期の水俣。チッソによる水銀中毒が発生する以前の自然や風習、暮らしが描かれる。 主人公である4歳のみっちんこと道子は大家族のもとに育つ。盲目で頭もおかしくなった祖母・おもかさま、祖父・松太郎、そのめかけ・おきやさま、父・亀太郎、母・春乃、叔母・はつの、祖父のあねさま・小高さま、大叔母・お澄み様 松太郎は企業家として、道普請を請負うが、身銭を切ってもきちんと仕上げる性分。そのせいで赤字を背負い、挙げ句、税務署の差し押さえに遭い、墓地や火葬場のある「とんとん村」の藁小屋に移り住む。 あとがきで著者が触れているように、この本で重要な意味を持つのが幼児の時に聞いた大人たちの「淫売」に関する明け透けのない会話。元、住んでいた町の先隣にある女郎屋「末広」で働く娘に対するおばさんたちの悪口を間接的に聞かされた体験が著者に与えた影響は大きかった。子供ながらに、なんとひどい悪口だと思いながら、悪口の意味をわかっていることを見破られまいという意識が伴っていた。本書は、このような体験の集大成として書かれたそうだ。
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