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生半可版 英米小説演習 朝日文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 朝日新聞出版 |
発売年月日 | 2013/03/07 |
JAN | 9784022646958 |
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生半可版 英米小説演習
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商品レビュー
4.3
3件のお客様レビュー
柴田さんは好きな翻訳家。 社会人になってしばらく経ち、小説は滅多に読まなくなってしまったけど、興味ある作家が何人かいたのでまた時間作って小説読みたいな。
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英米小説の原文(抜粋)、柴田さんの翻訳、解説がワンセットで、全部で28種類の小説が収録されている。難解な英語を苦労しながら読み、柴田さんの翻訳に唸り、解説を読んで作品や作者の知識を得ることができる。大学の授業を受けているようで、刺激的で面白かった。
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海外の小説が好きでよく読む。もちろん日本語訳で。読んでいて思うのは「これって原作者じゃなくて、翻訳家が書いた文章だよね」ってこと。フォークナーを読もうが、サリンジャーを読もうが、はっきり言って、読んでいるのは「筋」であって、本来英語で書かれた「小説」が持っている微細なニュアンスの...
海外の小説が好きでよく読む。もちろん日本語訳で。読んでいて思うのは「これって原作者じゃなくて、翻訳家が書いた文章だよね」ってこと。フォークナーを読もうが、サリンジャーを読もうが、はっきり言って、読んでいるのは「筋」であって、本来英語で書かれた「小説」が持っている微細なニュアンスのようなものは、翻訳の上手下手はあるにしても、ほとんど抜け落ちているのではないか。実際に原文で読んだら、そのちがいは分かるんだろうか、なんてことを常々考えていたところに、この本が出た。もともとは1998年に出版されたものの文庫化である。 原作の「さわり」の引用に、作家や作品についての解説をつけるというスタイルは、デイヴィッド・ロッジ作『小説の技巧』その他の先例があるようだが、原文の引用に対訳つきというのは、この本が初めてなのではないか。タイトルに「演習」とあるように、大学で教えているゼミの学生に提出を義務づけているレポートの体裁と同じらしい。 英語が堪能というわけでもないので、対訳がたよりになるが、一読して分かるのは、なるほど、同じ英語による文章でも作者の個性というのはあるものだな、ということ。たとえば、カズオ・イシグロの「ほとんどそのまま辞書の例文に使えそうな」几帳面かつ端正な英語によって書かれた『充たされざる者』と、絵本『フランシス』シリーズで知られるラッセル・ホーバンのコンマも改行もなく、奇妙なスペルの頻出する『リドリー・ウォーカー』を読み比べてみれば、そのちがいは明らかだ。 スティーヴン・ミルハウザーやスチュアート・ダイベックが、さわりだけとはいえ対訳つきの原文で読めるのはファンとしてうれしい限りだが、何のことはない、柴田元幸がさかんに推奨し、訳出したからこそ日本でも話題になり、多くの作品が読めるようになったわけだ。1998年に本が出た時点で「こんな本誰が訳すんだ」と書かれているトマス・ピンチョンの『メイスン&ディクスン』は、結局そう書いた当人の翻訳を待って日本初お目見えとなった次第。 翻訳者としての著者の功績はミルハウザーやダイベックの翻訳でもあきらかだが、柴田の存在価値は単に訳が上手というだけではない。数多ある英米文学の中から面白いのに紹介されていない作家、作品を見つけてきて、どうだい面白いだろう、と読者に薦めつつ、その本が世界文学の中で占める位置や作家の持つ個性といったものをしっかりとらえてみせること、つまりは、すぐれた批評性の持ち主であることだ。それぞれの作品に付された、決して長いとはいえない解説がそれを示している。 近現代英米文学のブックリストとしての価値は、初版発行後十数年経過した今でも、その価値は減じていない。文庫版のあとがきには、今現在なら、こんな作家が加わるはずという新しいリストも付け加えられている。
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