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金色のライオン
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 復刊ドットコム |
発売年月日 | 2013/02/01 |
JAN | 9784835449135 |
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金色のライオン
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商品レビュー
5
3件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
香山彬子作、佃公彦絵『金色のライオン』(復刊ドットコム) 2013.2発行 ※1967年に講談社より刊行された『金色のライオン』を底本に復刊したもの 2020.1.11読了 小学生のときに青い鳥文庫で読んだことがあって、すでに絶版になっていたことから、復刊ドットコムのこちらの本で読了。 ハードカバー仕様で装丁もすごく良くて、むしろこちらの方に愛着を持ってしまった。 『金色のライオン』は1967年に児童書として出版されたもの。今回で3回目の読書となるが、いつも泣いてしまう。小学一年生のリンタ少年と、今は亡きキリキム博士の薬のおかげで、人間の言葉を喋られるようになったライオンとの交流のお話だが、この設定からして、すでに別れが予告された構成になっている。 らい麦畑でライオンと出会う印象的なシーンやプラタナスの枝にぶらんこを取り付けて二人で星空の中を泳ぐ幻想的なシーン。空港で、ちかりと、ぬれた目でじっと見つめあう別れのシーン。自動車で飛行機を追いかけながら、ずっと手を振り続けるリンタ。ぽろぽろと止まらない涙。そして、クリスマスの夜、ライオンから届く一通の葉書――「ぼくは、けっして、わすれない。かわいい友だちのこと。わすれない。あしたで、くすりは、おしまい。クリスマス、おめでとう。――ほんとのライオン」――もう感想を書いているだけで泣けてくる。 リンタ以外の人たちは誰も喋るライオンの存在を信じてくれず、やきもきするリンタであったが、いざ喋るライオンの存在が明らかになると、ライオンは金儲けを画策する大人たちに利用されて、あれほど大好きだったビスクという飲み物さえ嫌いになってしまう。大人たちは本心ではライオンを怖がっており、それを見抜いていたライオンは、薬が切れて普通のライオンに戻ってしまう前にアフリカに帰る決意をする。ライオンは社会から認知された途端に社会から排除されてしまう。 ライオンが本当に存在することを皆に信じてほしくて奔走していたリンタは、自分の罪を自覚するにはあまりにも幼すぎた。「ライオンはライオンらしく生きた方がいい」とリンタに優しく説明してあげるライオンの心配りには、親の愛情さえ感じ取れる。普通のライオンに戻っても、やさしい心のままでいて、誰かに親切を贈ると言うライオンに対して、リンタは「きみのしんせつを、だれかにおくるよ」と誓いあう。そこには、人間の都合で実験台にされた不幸なライオン像ではなく、友情や愛情という感情を知ることができて喜びに満ち溢れたライオンがいる。 ラスト、リンタは、ライオンからの葉書を見て、楽しそうに笑い、やっぱりライオンは素敵だと思うところで終わる。ライオンはどういう思いでこの葉書を書いたのだろう。文面からは、リンタへの絶えない優しさの他に少しの不安が顔を覗かせている。でも、幼いリンタはそのことに気付かないで楽しそうに笑うだけだ。 ちなみに、本書は三人称といういわゆる神の視点から描かれており、リンタや他の登場人物の心情なども地の文で描かれているが、ライオンの心情だけは一切描写されない。これは、著者があえてそうしたに違いない。 私たち読者は、ライオンの心理をその行動や言動だけで想像するしかない。ライオンの中に私たち読者が入っていって、その心情を理解しようとするしかない。それが、つまり、本来異質である他者を理解しようとする第一歩なのではないだろうか。 とにかく、この本はもっと読まれていいし、絶版は本当に惜しい。思い入れのある私の特別な一冊だ。 香山彬子(かやまあきこ) 日本児童文芸家協会会員、日本放送作家協会新人会会員 1926年7月15日生まれ 1954年 東京女子医科大学卒業 1958年 童話創作 児童向けテレビ映画のための童話「オーロラ天使」東映特別賞 1964年 63年度、高学年のためのラジオドラマ脚本「山のこだまと白い鹿」NHL入選 1965年 64年度、幼児のためのラジオドラマ脚本「ライオンのえりまき」NHK入選 1966年 「シマフクロウの森」講談社児童文学新人賞受賞・産経児童出版文化賞受賞「金色のライオン」講談社児童文学新人賞佳作。 URL:https://id.ndl.go.jp/bib/024251231 全文は「国立国会図書館デジタルコレクション」で読むことが可能↓ https://dl.ndl.go.jp/pid/1654348/1/1
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「きみにしんせつにしてもらったことは、おぼえているだろうなぁ。そして、ぼくがふつうのライオンにかえっても、きっと、やさしい心でいて、だれかに、しんせつにしてあげようと考えると思うよ。」 「しんせつや愛は、地球上にひろがって、いっぱいになる。それが、いちばんすてきなことさ。」 ほ...
「きみにしんせつにしてもらったことは、おぼえているだろうなぁ。そして、ぼくがふつうのライオンにかえっても、きっと、やさしい心でいて、だれかに、しんせつにしてあげようと考えると思うよ。」 「しんせつや愛は、地球上にひろがって、いっぱいになる。それが、いちばんすてきなことさ。」 ほんとに素敵。心がほっこり。ありがとう。
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佃公彦さんの絵が好きで読みました。ライオンは名言を残したりリンタを助けてくれたりしたわけじゃなくただそこにいたいからいただけ。人との出会いなんてそんなもの。あったかくて心に残りました。
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