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孤児の物語(1) 夜の庭園にて 海外文学セレクション
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
発売年月日 | 2013/01/30 |
JAN | 9784488016524 |
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孤児の物語(1)
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孤児の物語(1)
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商品レビュー
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絢爛たるミザナビーム。 人々から忌避され独り庭園に棲む女童が王子に語り始めた物語は、次々に語り手を変え次の物語を語り紡いでいく。 生い茂り枝葉を伸ばしていく物語の中で、再会しその消息を知ることのできた者もいる一方、女庭師や鵞鳥の娘、その先を知りたくなった者達もいて、童子のように更...
絢爛たるミザナビーム。 人々から忌避され独り庭園に棲む女童が王子に語り始めた物語は、次々に語り手を変え次の物語を語り紡いでいく。 生い茂り枝葉を伸ばしていく物語の中で、再会しその消息を知ることのできた者もいる一方、女庭師や鵞鳥の娘、その先を知りたくなった者達もいて、童子のように更に女童に続きをせがみたくなった。 絡み合う蔓草のような縁(えにし)の糸で編み上げられ織り成されたその織物は、馥郁たる異国の香油と花の薫りの匂い立つ、血の赤と夜の漆黒、哀しみと別離で彩られた、気高い女達を讃えたタペストリーとなっている。
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2/25 読了。 この作者は魔女だ。紡ぎ出す世界はユートピアというよりむしろディストピアに近いにも関わらず、強靭に物語の中へ誘い込む力を持っている。 <妖精国のセプテンバー>シリーズのキッチュでポップな色彩感覚や、古今東西の文学パロディに見られる遊び心も大好きだったが、本書はぐっ...
2/25 読了。 この作者は魔女だ。紡ぎ出す世界はユートピアというよりむしろディストピアに近いにも関わらず、強靭に物語の中へ誘い込む力を持っている。 <妖精国のセプテンバー>シリーズのキッチュでポップな色彩感覚や、古今東西の文学パロディに見られる遊び心も大好きだったが、本書はぐっと落ち着いた色合いで、古くから伝わるタペストリーの絵解きを途切れなく聞いているような印象。もちろん一番最初に連想するのは構造からして『千一夜物語』だが、その他さまざまな神話・童話が換骨奪胎されて散りばめられている。<妖精国>と同じくファンタジーでありながら全く異なる世界観を創り上げ、またそれに相応しい触感の語り口を物にしているのには驚く。下巻も楽しみ。
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ここには聳え建つ神話のような迷宮があります。覚悟なしに近づく者を容赦無く追い払いますねぇ。次々に口を開ける入れ子、膨大な名前、あだ名、変身譚、視点を転換した語りなど、読み手を混乱させる仕掛けに満ちています。そうでなくても、過剰に修飾された文体に幻惑されるのに。とりあえず、最後まで...
ここには聳え建つ神話のような迷宮があります。覚悟なしに近づく者を容赦無く追い払いますねぇ。次々に口を開ける入れ子、膨大な名前、あだ名、変身譚、視点を転換した語りなど、読み手を混乱させる仕掛けに満ちています。そうでなくても、過剰に修飾された文体に幻惑されるのに。とりあえず、最後まで辿り着けた自分を褒めてあげたいです。スルタンの庭・物語の世界・創世神話が、一つの球体のように、奇跡のような美しさで収斂されることを期待しつつ。次は下巻です。
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