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破門の哲学 スピノザの生涯と思想
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破門の哲学 スピノザの生涯と思想

清水礼子(著者)

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破門の哲学 スピノザの生涯と思想

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 みすず書房
発売年月日 1978/09/01
JAN 9784622003939

破門の哲学

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商品レビュー

3.7

3件のお客様レビュー

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2021/02/16

破門の哲学 清水礼子 みすず書房 政治と宗教の癒着によって 翻弄されてきたユダヤ人として生まれ 親の代からのイエズス会の社会に飽き足らず 独学で学んだモーゼ五書に憧れ ポルトガルから見ず知らずのオランダに 脱出をはかるが希望とは裏腹の 権力社会に受け入れられず 破門という村八分...

破門の哲学 清水礼子 みすず書房 政治と宗教の癒着によって 翻弄されてきたユダヤ人として生まれ 親の代からのイエズス会の社会に飽き足らず 独学で学んだモーゼ五書に憧れ ポルトガルから見ず知らずのオランダに 脱出をはかるが希望とは裏腹の 権力社会に受け入れられず 破門という村八分の苦悩と自殺を体験した 16世紀の哲学者スピノザによって 打つ出された哲学 少ない友人にも家族にも捨てられ 地位も財産も奪われた孤独な暮らしは 一方で自由な発想を促し 本来の神とか真理へと深く旅する機会を得たが 権力社会の圧力は容赦なく追い立てた スピノザは人間の幸福を 無限なる唯一の神との合一に求める それは愛であり 愛は認識に基づくのであり 知性ははるかに理性を凌ぐということになる 神とは無限なる大自然のことであり 宇宙だとも言えるし集合意識でもある 神と宗教組織の間で苦悩したスピノザの生涯とその哲学

Posted by ブクログ

2013/12/31

スピノザの思想を、彼の生涯に起こった「破門」という事件との密接なつながりの中で考察している。 スピノザは、最初の著作である『神、人間および人間の幸福に関する短論文』の中で、「認識は、ある純粋な受動である」と語っている。彼によれば、事物についてあることを肯定したり否定したりするの...

スピノザの思想を、彼の生涯に起こった「破門」という事件との密接なつながりの中で考察している。 スピノザは、最初の著作である『神、人間および人間の幸福に関する短論文』の中で、「認識は、ある純粋な受動である」と語っている。彼によれば、事物についてあることを肯定したり否定したりするのは、私たちではなく事物自身であり、認識は私たち人間を主体として成り立つものではない。人間の精神は、外部の存在に向かって「開かれた円環」のようなものであり、認識というのは外的存在の側からこの円環の内に流れ込んでくるものだと考えられている。さらに彼は、神との合一、認識、愛の三者を同一の事態として理解する見解を、やや性急に持ち出していると著者は述べる。 こうした『短論文』の立場は、「破門」という衝撃のもとにスピノザが置かれていたことから理解できると著者は論じている。「破門」(excommunicatio)によって孤独に直面させられたスピノザは、「コムニカチオ」(communicatio)を強く求めていた。しかもその「コムニカチオ」は、自分で意図し、自分の働きによって作り上げられたものであってはならなかった。もしそうしたものであるならば、それは「コムニカチオ」の全体を一つの他者のように眺めなければならない「私」の位置に、自分を置くことになるからである。神との「合一」を性急に求める彼は、こうした不安の中にあったのである。 しかしこうした立場は、「破門」という衝撃がみずからのうちに一つの「経験」として位置づけられるに従い、しだいに克服されることになる。『エチカ』でスピノザは、第一種認識に低い価値しか与えられないことを論じているが、その理由は第一種認識が「外的に決定される」ためだとされている。いまやスピノザは、人間の精神が外的原因に依存することなく、本性と秩序の身にしたがって能動的に働くところに、心の平安を見いだしたのである。 さらに著者は、こうしたスピノザの立場の変遷に基づいて『知性改善論』に刻印された挫折を解明している。

Posted by ブクログ

2011/03/20

天使及び聖人たちの審判により、・・・・・・聖典に誓い、聖典に記された六百十三の掟に誓い、ヨシュアがエリコに為せる破門に倣い、エリシャが子供らに為せる呪いを以って、掟に記された呪いの凡てを以って、我々はバルーフ・デ・スピノザを破門とし、追放し、災いあれと祈る。・・・・『破門の哲学』...

天使及び聖人たちの審判により、・・・・・・聖典に誓い、聖典に記された六百十三の掟に誓い、ヨシュアがエリコに為せる破門に倣い、エリシャが子供らに為せる呪いを以って、掟に記された呪いの凡てを以って、我々はバルーフ・デ・スピノザを破門とし、追放し、災いあれと祈る。・・・・『破門の哲学』13頁 スピノザの思想とは何か。ではく、スピノザが何故その思想に至ったかに焦点を当てている作品。そしてその最大の原因を、1656年のユダヤ教会からの破門と看做している。 まず、驚かされたのは、破門という現代生活には馴染みのない手続きの実体。シナゴーグ(ユダヤ教会の集会所)で唱えられる呪いの言葉の恐ろしさ。当時のユダヤ教徒において、破門というのが、ほぼ破滅に直結しているということ。 確かに、スピノザの独特の哲学にとって、破門が重大なファクターであったと思わずにはいられない。 ここに描かれるスピノザは、戸惑い、嘆き、苦悩する。人間的な弱さとそれに反発する強さ故の道を辿る。 この作品を読むことで、スピノザと自分との距離が、僅かではあるが近づいた。そんな気がする。

Posted by ブクログ

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