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プルトニウムファイル いま明かされる放射能人体実験の全貌
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 翔泳社 |
発売年月日 | 2013/01/19 |
JAN | 9784798130880 |
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プルトニウムファイル
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「広島・長崎への原爆投下で多くの被害が出たのは、日本人があらかじめ 準備をしていなかったのが悪い」 マンハッタン計画に関わった、ある研究者は言ったそうだ。準備ってさぁ、 「原爆落としますよ。放射能の雨が降りますよ。危険ですよ」って教えて くれてないよね。どうやって準備しろと? ...
「広島・長崎への原爆投下で多くの被害が出たのは、日本人があらかじめ 準備をしていなかったのが悪い」 マンハッタン計画に関わった、ある研究者は言ったそうだ。準備ってさぁ、 「原爆落としますよ。放射能の雨が降りますよ。危険ですよ」って教えて くれてないよね。どうやって準備しろと? 日本が核爆弾の悲惨な実験場となったマンハッタン計画だが、この計画に 付随してアメリカ国内では放射性物質の人体許容量を調べると称して、 自国民を実験台とした、人体への放射性物質注入実験が行われていた。 それだけではない。第二次世界大戦後の冷戦期、核開発競争の狂乱の 時代、恐るべき人体実験は手法を変えて何度も繰り返された。 数え切れぬほど行われた原水爆実験で、多くの兵士が危険性も告知 されずに放射能を浴びたのは『アトミック・ソルジャー』をはじめとした 作品で描かれている。100歩…いや、100万歩譲って、兵士は致し方 ないとしよう。だが、以下はどうだ。 ヴァンダーヴィルド大学では放射性の鉄を含んだ飲み物を妊婦に摂取 させ、マサチューセッツ工科大学は施設の子供に放射性物質を投与、 オレゴン州とワシントン州の刑務所では囚人の睾丸に放射線を照射し、 シンシナチ大学ではがん患者の全身に放射線を当てた。 被験者には何も伝えられていない。治療の為と言われながら、実は彼ら・ 彼女らはモルモットにされただけなのだ。そうして、死後は遺体を掘り返さ れ、遺族の了承もなく臓器や骨が研究機関に保存される。 アメリカ国内でも長年隠され続けてきた人体実験だったが、1993年の クリントン政権の際にエネルギー省長官となった女性閣僚の会見で ことは公になり、調査委員会が設置される。結局、莫大な賠償金が 発生することを懸念して尻すぼみに終わるのだが。 本書はエネルギー省の発表前から放射能人体実験をコツコツと追って 来たアメリカの地方紙の女性記者による秀逸なレポートである。 わずかに公開された文書を手がかりに、プルトニウム注射を受けた 被験者が誰なのかを解き明かし、おぞましい実験の内実を抉り出して いる。 翻訳が少々硬いので読みにくい部分はあるが、国家という大枠で括って しまえば、自国民さえ簡単に犠牲に出来てしまうことの恐ろしさが伝わって 来る。 ナチスの医師たちや日本の731部隊の行為を非難したアメリカは、 ニュルンベルグ憲章さえ無視して国の金で多くの被曝者を生み出した。 そして、ご多分に漏れず、国のしたことの責任はうやむやにされたのだ。 「われわれはヒトですか?モルモットですか?」。原水爆実験に駆り出さ れた兵士の言葉がすべてを物語っている。
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読み終わるまで3ヶ月、長い本だった。内容は45年から47年まで行われたプルトニウム注射の人体実験の話から、次々に明るみにでた放射性同位体を使った各種人体実験、そして核実験での兵士や住民を使ったさまざまな実験の模様を描き出したもの。病気で病院に行ったらプルトニウム注射、妊婦が大病院...
読み終わるまで3ヶ月、長い本だった。内容は45年から47年まで行われたプルトニウム注射の人体実験の話から、次々に明るみにでた放射性同位体を使った各種人体実験、そして核実験での兵士や住民を使ったさまざまな実験の模様を描き出したもの。病気で病院に行ったらプルトニウム注射、妊婦が大病院の産科にいったら放射性鉄のジュースでトレイサー実験、孤児院では褒美をあげる代わりに食事に混ぜて放射性物質を食べさせ、刑務所ではわずかな金と引き換えに睾丸の放射線照射、ガン治療の一環と言って全身に放射線照射。仕舞には死体を切り刻みアメリカ全土の研究所に送ったり、死体を墓場から掘り起こして解剖したり。軍事産業の一環として始まり医学が参入し、人体実験がやりたい放題だった戦後30年。実験台になった人々はもちろん詳しい内容は知らされておらず、知る権利とか基本的人権とか、そういう概念などどこにも存在しないかのような扱い。あげくは罪は裁けど人は裁かず、で、誰も断罪されずに倫理に反する人体実験だけは反省された。 失望しか残らないような内容である。権力と金と破壊力が同時に手に入ったら,倫理なんてもうどうでもよくなるってことの象徴である。原爆が爆発したとき、世界の運命は決まってたのかもしれない。プルトニウムはこれからも増え続けて、指導者や研究者や企業人たちがその力を占有するのかと思うと、暗澹たる気分になる。だってそういう人々に限って倫理は横においておいて、目先の利益と力のみに囚われるのだから。もう世界は67年前に破滅の運命に定められてたのかもしれない。それくらい深刻な問題だとあらためて認識。
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待ってた再版ー!! 怖い本を読むと、しばらく夜眠れなくなったりするんですが この本もそのタイプでした。 しかもこれが実際の出来事という……。 分厚く、複雑で、おカタイ内容のはずなのに ぐいぐい引き込まれて、すらすら読めてしまうという。 鉛で包まれた注射器と、それをまさに人間に注射しようとする 人の、これまた鉛に包まれた手袋の写真に背筋が凍る…。
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