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ビリー・バッド 光文社古典新訳文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 光文社 |
発売年月日 | 2012/12/06 |
JAN | 9784334752637 |
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商品レビュー
3
9件のお客様レビュー
どこかでオススメとして紹介されていた本。 ハーマン・メルヴィルははじめて読んだ。 作品もモビーディックしか知らないし、なんか怖そう&暗そうな作品としか知らなかった…。 本書も不穏な終わり方をするらしいことははじめからチラチラと提示されている。 ストーリーは短いし、実際か...
どこかでオススメとして紹介されていた本。 ハーマン・メルヴィルははじめて読んだ。 作品もモビーディックしか知らないし、なんか怖そう&暗そうな作品としか知らなかった…。 本書も不穏な終わり方をするらしいことははじめからチラチラと提示されている。 ストーリーは短いし、実際かなり薄い本なのだけど、前半は作者自身が言うように、舞台装置の説明以外のことでも寄り道が多くて、なかなかストーリーが動き出さないのでちょっと退屈でした。 そのぶん、中盤でストーリーは突然トップギアに入り、そのままブンブンと突き進んで終了。 え、えー。不穏は不穏だけどそういう方向なんだなあ…。 登場人物三人がオセロそのまんまだな、と思ったけど、実際シェークスピアの影響大きめの作家だったそう。(神話や聖書の引用もあちこちにあり、カジュアル寄りが持ち味のこの光文社シリーズでなければ読み通すのは無理だったかも。) あのおじいさん船員、印象的なわりに、出番が少なくてびっくり。最後とかさ、なにか証言してくれてもいいんだよ…?(;_;) 解説と訳者後書きでようやくメルヴィル周辺を理解した。イギリスの作家、海の桂冠詩人と呼ばれたメイスフィールドを思い出す。メルヴィルのほうがかなり年上だけど、クリッパー船員の体験もあるのだし。 17世紀ウィリアム・ダンピアの手記のころから何も変わらない、海の中、船の上という、この隔絶された小世界での、いろんな恐怖が印象に残った。 前科者が過去を隠して乗り込む&無理やり徴用された船員→いつ暴動が起きるかわからないという事前の状況からすでに圧力高めの世界なのに、当たり外れの大きな獲物や戦争、いつ暴力が席巻するかわからない船。 そりゃあ、鞭打ち刑やら一方的な船内裁判やらも起きるかもしれませんな。 しかし怖いなあ。今でも閉ざされた環境の特殊な職場だとこんな空気は大きく変わっていないのではないかな。 ところで光文社のこのシリーズ、前にも書いたけど、こんな良シリーズに育ってくれるとは正直、シリーズ発売当初は全然予想もしていなかった。 手に取る気にさせる古典、この功績は大きい。 この売り方をされると、古典を読んでみようかなと思える層がたくさんあったということね。 岩波とかの古典的な訳書も好きではあるけど、新しい読者を得ていくのは、何より大きな課題ではある。 光文社はそこをうまくクリアしていて、そのもたらすものは本当に大きいと思われます。 何が言いたいかといえば、とにかく、関係者の尽力に感謝です。
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『白鯨』があまりに有名なアメリカの作家メルヴィルの『ビリー・バッド』です 『白鯨』は読んだことある気がする あれ?途中で挫折したんだったっけ? まぁいいや『ビリー・バッド』だし うん冒頭からかなり退屈 何しろ主人公ビリー・バッドが動き出すまでに全体の1/4くらい進んでいる し...
『白鯨』があまりに有名なアメリカの作家メルヴィルの『ビリー・バッド』です 『白鯨』は読んだことある気がする あれ?途中で挫折したんだったっけ? まぁいいや『ビリー・バッド』だし うん冒頭からかなり退屈 何しろ主人公ビリー・バッドが動き出すまでに全体の1/4くらい進んでいる しかもなんかよく分からんことをつらつら語っているだけなので、別にたいして物語も進んでいない その状態で1/4読まされるのはつらーい そして古典の名作にありがちな「どうとでもとれますよ感」 エグい この読み手を試してくる感じ 巻末に「あなたはこの物語をどのように捉えましたか?(配点70/100)」って書いてあるのが見えました けっこう振り分けてきたねっていう あと30点は漢字問題かな?っていう もう堂々と回答欄に書いたるねん 「そんな知らんわ!」
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
伊藤亜紗『どもる体』で本作の主人公が吃音だと紹介されていたので、本棚に刺さっていたものを取り出して地元に向かう新幹線のなかで読み始めた。 7/15土 p.24まで 7/17月 p.46まで まだビリーを主人公とした本筋の話が始まらない! 当時の海軍への反乱や悪徳について、また軍艦の長の人物描写にページを費やしている。19世紀小説にありがちな冗長さ。ドストエフスキー『地下室の手記』第一部みたいなもんか。 ビリーの吃音はいっしゅんだけ言及があった。 7/31月 p.94まで めっちゃ難しい。意味わからん。 哲学的というか宗教的というか…な議論めいたものが続く。物語はあんまり動かない。 堕落、狂気、無垢 について ビリーが夜フォアチェインに呼ばれたとき吃音が出た。 8/1火 p.116まで なんかカミュの異邦人みたいになってきたな 世俗から一線を画した無垢な男主人公が偶然?に殺人を犯してしまい、裁判へ……という筋書きの古典中編小説 8/7月 p.146まで 8/8火 p.169まで 処刑執行。ビリー・バッドめっちゃキリストになぞらえられてて草 ビリー・バッドとバートルビー、無垢っぽいところは似ているが、従順さなどはわりと対極的か。あとは作品の文体、内容の難解さも対照的。 読んだ! 訳者の同僚による解説、うーん…… ・投稿用短文感想 伊藤亜紗『どもる体』にて、吃音者が主人公の小説として紹介されていたために驚いて、1年くらい前に古本で買っていたものを読んだ。 文章が難解すぎる! 哲学的・宗教的な議論か講釈めいたものがその多くを占めていて、今の自分の頭では、この読み易いらしい新訳でさえほとんど理解が出来なかった。世俗性が希薄で無垢な主人公がひょんなことから殺人を犯して裁かれる筋書きの古典的中編小説、ということでカミュ『異邦人』っぽさは感じた。『バートルビー』と共通する点もありつつ、かなり対照的な趣きの遺作だとも思った。
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